「もう二度としません」の奥にある言葉
更生保護と感情の言語化
月に数回の面接。「最近どうですか」と尋ねると、「はい、まじめにやっています」「反省しています」「もう二度としません」。決まった言葉が返ってきて、話はそこで止まってしまう。仕事は続いているのか、困っていることはないのか、本当のところが見えない。保護司として、更生保護のボランティアとして、あるいは雇用主として、刑を終えた人の社会復帰を支えるあなたは、「この人の本音はどこにあるのだろう」と考えたことがあるのではないでしょうか。「もう二度としません」は、うそではないかもしれません。けれど、それは感情を表す言葉が足りないときの、精一杯の言葉でもあります。その奥にある感情と、支える人自身の心の守り方を、研究とアドラー心理学からお伝えします。
結論:「もう二度としません」は、言葉が足りないときの精一杯の言葉
結論からお伝えします。立ち直りを支えるうえで大切なのは、「反省の言葉」を引き出すことより、その人が自分の感情に気づき、言葉にできるようになることです。怒り、恥、焦り、孤独。そうした感情を言葉にできないまま抱えていると、感情は行動として表に出やすくなります。感情を言葉にする力は、立ち直りを支える力の一つなのです。
この記事のポイントは3つです。
- 「反省しています」「もう二度としません」は、感情を表す言葉を持たない人が使える数少ない言葉であることが多い。決まり文句の奥に、まだ名前のついていない感情がある。
- 再犯の背景には、孤立と「居場所・出番」のなさがある。感情を話せる相手がいることは、立ち直りの土台になる。
- 支える人の感情と安全も、同じくらい大切。保護司やボランティアが一人で抱え込まず、チームで関わることが、対象者と支援者の両方を守る。
ここで手がかりになるのが、アレキシサイミア(失感情症)という心理学の言葉です。感情がないのではなく、感情に気づき、見分け、言葉にすることが難しい状態をいいます。病名ではなく、一般の人の約10〜16%に強い傾向が見られる、誰もが持つ特性の濃淡です。基本はアレキシサイミア(失感情症)とはでまとめています。中島輝の近刊『感情を言語化すれば人生はうまくいく 感情迷子さんの本』では、こうした状態にある人を「感情迷子さん」と呼んでいます。迷子という言葉には、帰る場所があるという前提が含まれています。
アレキシサイミアの研究で知られるテイラー(Taylor)らは、感情に名前をつけて調整することが難しいと、その感情を行動で処理しようとしやすくなると説明しています。過食や飲酒、衝動的な行動などです。暴力や非行の背景にも、怒り以外の感情を言葉にしにくい傾向が関わっているという研究があります。もちろん、これは罪を軽くする理由ではありません。けれど、立ち直りの支援を考えるうえで、感情の言語化は見過ごせない手がかりになります。
『大丈夫です』しか言わないんです」
数字と制度で見る更生保護|保護司という地域の伴走者
罪を犯した人や非行のあった少年が、社会の中で立ち直れるように支える仕組みを更生保護といいます。その中心で、国の保護観察官と協力しながら地域で対象者に寄り添っているのが保護司です。押さえておきたい制度と研究を整理します。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 1950年 | 保護司法が施行。保護司は、法務大臣から委嘱される非常勤の国家公務員。給与は支給されず、活動にかかる実費が支給される | 保護司法・法務省 |
| 5万2,500人 | 保護司法で定められた保護司の定数。実際の人数はこれを下回り、なり手不足と高齢化が課題になっている | 保護司法・法務省 |
| 2年 | 保護司の任期(再任されることがある) | 保護司法 |
| 2016年 | 「再犯の防止等の推進に関する法律」が成立。国と地方公共団体が再犯防止に取り組む責務を定める | 法務省 |
| 5割近く | 検挙された人のうち、以前にも検挙されたことがある人(再犯者)の割合。近年、5割近くで推移している | 法務省『犯罪白書』 |
| 約10〜16% | 一般の人のうち、アレキシサイミア傾向が強いとされる人の割合 | TAS-20等を用いた複数の疫学研究 |
保護司は、報酬を受け取らずに、地域の一員として対象者と面接を重ね、生活や仕事の相談にのり、立ち直りを見守ります。世界的にも珍しい、地域の市民が国の制度の中で立ち直りに伴走する仕組みです。一方で、担い手の高齢化となり手不足が続き、保護司の負担や安全の確保のあり方も議論されています。
研究の世界では、人が罪を重ねる生き方から離れていく過程を「離脱(デジスタンス)」と呼び、その鍵が探られてきました。犯罪学者のシャッド・マルナ(Maruna)は、2001年の著書『Making Good』で、犯罪から離脱した人たちの語りを調べました。そこでは、離脱した人ほど、過去の自分を受けとめながら「本当の自分は別にある」「これからは誰かの役に立ちたい」という新しい自分の物語を語る傾向があったといいます。立ち直りは、自分の人生を言葉で語り直す営みでもあるのです。
また、心理学者のトニー・ワード(Ward)らが提唱した「グッド・ライブズ・モデル」は、再犯のリスクを管理するだけでなく、人とのつながりや仕事、心の安定など、その人が「よい人生」を送るために必要なものを満たしていくことが立ち直りを支えると考えます。どちらの考え方にも共通しているのは、罰や監視だけでは人は変わりにくく、つながりと意味のある役割が人を支えるという視点です。
立ち直りとは、
過去を消すことではなく、
自分の物語を言葉で語り直すこと。
「反省しています」の奥|語られない感情
保護観察の面接で、対象者が決まった言葉をくり返すのには、いくつもの理由があります。まず、面接が「評価される場」として受け取られやすいということです。不用意なことを言えば不利になるかもしれない。本音を言えば「反省が足りない」と思われるかもしれない。そう感じている人にとって、「反省しています」は自分を守るための言葉です。
次に、そもそも感情を言葉にする経験が少なかった可能性があります。子どものころに感情を受けとめてもらえなかった、怒りや悲しみを出すと罰せられた、感情を話せる大人が身近にいなかった。そうした環境で育つと、感情は言葉ではなく行動で表すものになりがちです。
| 表に出る言葉 | 奥にあるかもしれない感情 | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 「反省しています」 | 被害を与えたことへの罪悪感、うまく言えない後悔 | 「反省しているとき、どんな気持ちになりますか」 |
| 「まじめにやっています」 | 評価される怖さ、失望させたくない気持ち | 「まじめにやるのは、大変なこともありますよね」 |
| 「大丈夫です」 | 困りごとを話すと不利になるという不安 | 「困ったことがあっても、話してくれたら一緒に考えますよ」 |
| 「どうせ自分なんか」 | 恥、自分への失望、居場所のなさ | 「そう思いたくなるくらい、何かあったんですね」 |
| 急に不機嫌になる・黙る | 過去にふれられた恥ずかしさ、怒り | 「今の話はしんどかったですか。無理に話さなくていいですよ」 |
とくに見落とされやすいのが恥です。罪悪感が「自分のしたことは悪かった」という行為への感情であるのに対して、恥は「自分という人間はだめだ」という存在そのものへの感情です。心理学者ジューン・タングニー(Tangney)らの研究では、罪悪感は償いや行動の修正につながりやすい一方、恥は隠したり、人を避けたり、怒りに変わったりしやすいと考えられています。「どうせ自分なんか」という言葉の奥にあるのは、多くの場合、この恥です。
面接で大切なのは、行為への責任と、存在への敬意を分けて伝えることです。「したことの責任は、これからの生き方で果たしていく。でも、あなたという人間の価値まで否定する必要はない」。この区別があると、対象者は恥に飲み込まれずに、自分のしたことに向き合いやすくなります。
中島輝より一言
以前、カウンセリングで出会った高校生が、ある相手に対して「ぶっ殺す」とくり返していました。私は止めるのではなく、「そう思うくらい、何があったの?」と聞き続けました。悔しさ、悲しさ、ずっと我慢してきたこと。一つずつ言葉になるにつれ、彼はやがて「やっぱり、殺さなくていい」と言いました。その彼は今、人を助ける仕事に就いています。激しい言葉の奥には、まだ名前のついていない感情があり、それが言葉になると、行動は変わりうる。私はそう信じています。
再犯と孤立|居場所と出番がないとき
再犯防止の取り組みでは、「居場所」と「出番」という言葉がよく使われます。安心して暮らせる住まいと人間関係、そして仕事や役割を通して誰かに必要とされる場面です。刑を終えた人がこの二つを失うと、孤立が深まり、再び罪を犯すリスクが高まると考えられています。
刑を終えて社会に戻った人は、多くの喪失を抱えています。家族との関係が切れている、住む場所がない、履歴の空白を説明できない、昔の仲間しか連絡先がない。新しい職場では、過去を知られるのではないかと緊張し続けます。こうした状況で湧いてくる恥、焦り、怒り、孤独を、話せる相手がいないことが、孤立を深めます。
孤立した人が感情を処理する方法は限られています。言葉にできない感情が、お酒や賭けごと、衝動的な行動に向かうと、生活が崩れ、また居場所を失う。そして「やっぱり自分はだめだ」という思いが、さらに人を遠ざけます。この悪循環の中で、保護司との面接は、多くの対象者にとって、自分の気持ちを話せる数少ない場になりえます。
だからこそ、面接では「問題がないか確認する」ことと同じくらい、「話してよかった」と思える時間にすることが大切です。困りごとを話したら叱られた、という経験をすると、次から本音は出てきません。逆に、失敗や困りごとを話したときに「話してくれてよかった。一緒に考えましょう」と受けとめてもらえると、対象者は「この人には話していい」と学びます。それが、問題が大きくなる前に相談できる関係につながります。
孤立と感情の関係については、孤独・孤立とアレキシサイミアでもくわしく扱っています。
支える人の負担と安全|保護司・ボランティアの感情
立ち直りを支える人も、さまざまな感情を抱えています。保護司、更生保護女性会やBBS会などの更生保護ボランティア、刑を終えた人を雇う協力雇用主、更生保護施設の職員。支える人の感情が言葉にならないまま積み重なると、燃え尽きや、対象者との関係のこじれにつながります。
- 担当した人が再び罪を犯したと聞き、自分を責めてしまう
- 対象者の言葉が信じられず、疑ってしまう自分に疲れている
- 事件の内容を思い出して、気持ちが重くなることがある
- 家族に活動のことを話せず、一人で抱えている
- 夜間や休日の連絡に、気持ちが休まらない
- 面接で、身の安全に不安を感じたことがある
なかでも大切なのが、支援者自身の安全です。保護司の面接は、かつては自宅で行われることが多くありましたが、現在は地域の更生保護サポートセンターなど、自宅以外の場所を使う方法も広がっています。少しでも不安を感じたら、一人で面接を続けず、担当の保護観察官に相談してください。面接の場所や方法、複数で対応することなどを、一緒に考えることができます。安全への不安を口にすることは、対象者を疑うことではなく、関係を長く続けるための大切な準備です。
担当した人が再び罪を犯したとき、多くの保護司は強い無力感と自責の念を抱きます。「自分の関わり方が悪かったのでは」。けれど、人の行動を最終的に決めるのは、その人自身です。後の章で詳しくふれるように、支援者が背負えるのは、関わり続けることまでです。悲しみや悔しさ、怒りを感じるのは、それだけ真剣に関わってきた証拠です。その感情を、保護司会の仲間や保護観察官と言葉にして分かち合ってください。
疑う気持ちの両方があって」
アドラー心理学で見る|共同体感覚と勇気づけ
私は長年、アドラー心理学をベースにカウンセリングを行ってきました。オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラー(1870〜1937)は、問題を抱えた子どもや若者の相談、教育の現場に深く関わり、人は罰によってではなく、仲間とのつながりと勇気によって変わると考えました。更生保護の現場にとって、二つの考え方が大きな手がかりになります。
共同体感覚|「社会の一員だ」と感じられることが立ち直りを支える
アドラー心理学の中心にあるのが共同体感覚です。他者を仲間だと感じ、自分はその共同体に居場所があると感じ、誰かのために貢献したいと思える感覚のことです。アドラーは、人が社会に対して問題のある行動をとる背景には、この共同体感覚が育っていないこと、つまり「自分は仲間から締め出されている」という感覚があると考えました。
刑を終えた人の多くは、まさに「社会から締め出された」と感じています。だからこそ、保護司という地域の市民が、報酬を受け取らずに関わり続けることには、大きな意味があります。「あなたは、この地域の一員だ」というメッセージを、制度の言葉ではなく、一人の人間として伝えられるからです。マルナの研究が示す「誰かの役に立ちたい」という新しい物語も、共同体感覚の芽生えとして読むことができます。
勇気づけ|ほめるでも叱るでもなく、横から
アドラー心理学のもう一つの柱が勇気づけです。困難に立ち向かう力を相手の中に育てる関わりのことです。保護観察には遵守事項があり、守れなかったときには指導が必要になります。そのうえで、日々の面接では、上から評価する縦の関係ではなく、対等な横の関係で関わることを意識してみてください。
| 場面 | 縦の関係の言葉 | 勇気づけの言葉(横の関係) |
|---|---|---|
| 仕事が続いている | 「よく頑張っている、えらいね」 | 「毎朝起きて職場に行っているのは、大変なことですよね」 |
| 失敗を打ち明けた | 「だから言ったでしょう」 | 「話してくれてありがとう。ここからどうするか一緒に考えましょう」 |
| 「どうせ自分なんか」 | 「そんなこと言うものじゃない」 | 「そう思いたくなる日もありますよね。それでも今日、ここに来てくれた」 |
| 誰かの役に立った | (当たり前として流す) | 「その人、きっと助かったでしょうね」 |
岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』で広く知られるようになった課題の分離も、支える人の心を守ります。対象者がどう生きるかは、最終的には対象者自身の課題です。保護司の課題は、関わり続け、話せる場を用意し、必要なときに制度や支援につなぐこと。相手の人生のすべてを背負わないことは、冷たさではなく、長く関わり続けるための知恵です。
実を育てる|自己有用感と面接で使える感情の言語化
自己肯定感の「6つの感」を木にたとえると、根の自尊心≒自己存在感、幹の自己受容感、枝の自己効力感、葉の自己信頼感、花の自己決定感の先に実るのが、実にあたる「自己有用感」です。自分は誰かの役に立っている、社会の中で必要とされていると感じられる感覚です。
立ち直りの過程で、自己有用感はとても大きな意味を持ちます。「自分は迷惑をかけるだけの存在だ」と思っている人が、職場で「助かったよ」と言われる、地域の清掃活動で「ありがとう」と声をかけられる。そうした小さな経験が、「自分にも役に立てることがある」という新しい物語の種になります。そして、支える保護司やボランティアにとっても、自己有用感は活動を続ける力の源です。
中島輝の近刊『感情を言語化すれば人生はうまくいく 感情迷子さんの本』で紹介しているワークを、更生保護の面接で使える形に作り直しました。どれも、無理に話させるためではなく、話してもいいと感じられる場をつくるためのものです。
3段階温度計で「今月の調子」を聞く
「最近どうですか」と聞くかわりに、「今月の調子を、いい・ふつう・しんどいの三つで言うと?」と選んでもらいます。開かれた質問より、選べる質問のほうが答えやすい人は少なくありません。「しんどい」を選んだら、「どのあたりがしんどいですか。仕事、住まい、人間関係」と、また選べる形で聞いていきます。
今日のオノマトペで「なんとなく」を言葉に
「別に」「普通です」で話が止まったときは、「たとえば、もやもや、いらいら、ずーん、そわそわ、どれが近いですか」と擬音語の選択肢を出してみます。感情の名前は出てこなくても、音なら選べることがあります。選べたら「教えてくれてありがとう」。それだけで、気持ちを話すことが歓迎される経験になります。
感情が動いた瞬間日記を「一行だけ」
次の面接までに、「ちょっとうれしかったこと」「ちょっといやだったこと」を一つずつ、一行だけメモしてきてもらいます。書くのが苦手な人には、スマートフォンのメモでもかまいません。筆記開示の研究(Pennebaker)が示すように、感情を書き出すことには心を整える効果が期待できます。うれしかったことの中に、誰かの役に立った場面があれば、それを一緒に味わいます。
5秒ルールで面接後の自分を確かめる
面接が終わったら、5秒だけ止まって「今の私は、ほっとしている? 心配している? 疲れている?」と自分に聞きます。感情に名前をつけると、扁桃体の反応がおだやかになることが、リーバーマンら(Lieberman et al., 2007)の研究で示されています。心配が残ったら、それを保護観察官に伝えるべきことかどうか考える手がかりにします。
一人で抱えない更生保護|つなぐ先とチーム
更生保護は、保護司一人で担うものではありません。国の保護観察官と保護司が協力する仕組みを基本に、多くの人と機関がチームで立ち直りを支えています。対象者の困りごとを「つなぐ」ことも、保護司の大切な役割です。
| つなぐ先・相談先の例 | 役割 |
|---|---|
| 保護観察所(保護観察官) | 保護観察の中心。対象者の状況の共有、支援者の悩みや安全の相談 |
| 保護司会、更生保護サポートセンター | 保護司どうしの情報交換、面接場所の確保、振り返り |
| 協力雇用主 | 刑を終えた人を雇い、職場という「出番」をつくる |
| 更生保護施設 | 帰る場所のない人に、一時的な住まいと生活の支援を提供する |
| 地域生活定着支援センター | 高齢や障害のある人が、福祉の支援につながるよう調整する |
| 医療機関、依存症の相談機関、自助グループ | お酒や薬物、ギャンブルなどの問題、心身の不調 |
制度や窓口の名前は地域によって異なることがあります。支援の範囲や判断に迷ったときは、まず保護観察官に相談してください。医学的な判断は医師に、法律的な判断は専門家にゆだねることが大切です。
地域の人ができることもあります。毎年7月を中心に、法務省が主唱する「社会を明るくする運動」が全国で行われています。立ち直りを支える地域づくりを考えるきっかけとして、講演会や地域の行事に参加してみるのもよいでしょう。地域で見守りや支援に関わる人の心については、民生委員・見守り活動と感情の言語化でも扱っています。
よくあるご質問
感情を話せる場所が、立ち直りの土台になる。
支えるあなたの心と安全も、同じくらい大切に。
一人で背負わず、チームで関わり続けるために。
自分を大切にしよう
保護観察の面接でくり返される「反省しています」「もう二度としません」は、うそではないかもしれません。けれど、それは多くの場合、感情を表す言葉が足りないときの精一杯の言葉です。その奥には、恥、焦り、孤独、評価される怖さ、そして言葉にならない後悔が重なっています。感情を言葉にできないまま孤立すると、感情は行動として表に出やすくなり、居場所と出番を失う悪循環につながります。
アドラー心理学は、人が変わるのは罰によってではなく、仲間とのつながりと勇気によってだと教えてくれます。共同体感覚を育てる関わり、横の関係からの勇気づけ、そして相手の人生を背負いすぎない課題の分離。3段階温度計、今日のオノマトペ、一行の感情日記、面接後の5秒ルール。小さな工夫を重ねるたびに、「自分にも役に立てることがある」という自己有用感の実が、対象者の中にも、支えるあなたの中にも育っていきます。
報酬もなく、人の立ち直りに伴走することは、簡単なことではありません。疲れや無力感、不安を感じるのは、真剣に関わっている証拠です。その気持ちを言葉にし、仲間や保護観察官と分かち合ってください。自分を大切にしよう。あなたが安心して関われることが、誰かが「もう一度やり直せる」と信じられる場所を守ることにつながっています。
本記事の参考資料・科学的根拠
- 中島輝『感情を言語化すれば人生はうまくいく 感情迷子さんの本』(近刊)原稿
- 保護司法(1950年)、法務省「保護司について」関係資料
- 「再犯の防止等の推進に関する法律」(2016年)、法務省「再犯防止推進計画」
- 法務省法務総合研究所『犯罪白書』
- Maruna, S. (2001). Making Good: How Ex-Convicts Reform and Rebuild Their Lives. American Psychological Association.
- Ward, T. (2002). Good lives and the rehabilitation of offenders: Promises and problems. Aggression and Violent Behavior, 7(5), 513-528.
- Tangney, J.P., & Dearing, R.L. (2002). Shame and Guilt. Guilford Press.
- Lieberman, M.D. et al. (2007). Putting feelings into words: Affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli. Psychological Science, 18(5), 421-428.
- Pennebaker, J.W. (1997). Writing about emotional experiences as a therapeutic process. Psychological Science, 8(3), 162-166.
- Taylor, G.J., Bagby, R.M., & Parker, J.D.A. (1997). Disorders of Affect Regulation.(邦訳『アレキシサイミア―感情制御の障害と精神・身体疾患』星和書店)
- アルフレッド・アドラー『人生の意味の心理学』
- 岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)
- 中島輝・自己肯定感アカデミー「アレキシサイミア 感情の鈍麻:失感情」講座資料

自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。







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