自己肯定感が高い人が「捨てた習慣」「続ける習慣」 毎日ちょっとしたことで習慣が変わる15の法則

「自己肯定感を高め、幸福感を得るためには、悪い習慣を捨て、いい習慣を身に付けることが大切」と語るのは、自己肯定感の第一人者であり、心理カウンセラーの中島輝氏。著書『うまくいっている人がしている 自己肯定感を味方にするレッスン』から、思考の「悪習慣」を断ち切り、いい習慣を身に付けるための「15のルール」について解説してもらいます。

目次

悪い習慣は「人生の約半分」を無駄にする

「人間の行動の45%は習慣でできている」といわれています。つまり、漫然と悪い習慣を続ければ、人生の半分近くを無駄にすることになってしまうのです。いい習慣を身に付け、自己肯定感を高めるためには何から始めるべきか。うまくいっている人の「15のルール」を紹介します。

<ポジティブな自分を手に入れる習慣>

1. 「いいこと」を遠慮なく受け取る

自己肯定感の高い人は、「いいこと」を遠慮なく受け取ることができます。さらに、それを与えてくれた相手に対し、「うれしい」「ありがとう」と素直に感謝することができます。「自分にはこれを受け取る価値がある」という自尊感情を持っているからです。疑ったり、卑下したりせず、素直に感謝する態度は、次の「いいこと」を引き寄せ、自己肯定感の好循環が生まれます。

2. 損得の人づきあいは逆効果。「262の法則」に学ぶ出会いのルール

どんなに人間関係に気を配っても、自分に攻撃的な態度を取ってくる人はゼロにはなりません。それは、人間関係が「262の法則」でできているからです。これは、人生で出会う人の2割は「自分の味方」で、6割は「どうでもいい人」、残る2割は「批判的な態度の人」で構成されているという法則。

人生には、好ましくない出会いもあって当然なのです。この人はいい人か? 悪い人か?などと考えるのはやめて、恐れることなく新しい出会いに飛び込み、その中に必ずあるすばらしい出会いに期待しましょう。

3. ワクワク、ドキドキの気持ちを大事に ~可能性を広げるチャンス~

ワクワク、ドキドキは自分の可能性を広げる土台となる大事な感覚です。その感覚を忘れないよう、毎日5分でも10分でもいいので、本当に好きなことをする時間を用意してください。心が満たされ、エネルギーがわいてくるはずです。ポイントは、悩まずにすぐやること。すぐに行動することで悩む時間が減ります。

<一喜一憂しない、しなやかな自分を作る習慣>

4. 素の自分に戻れる「ホーム」をつくる

イライラ、むしゃくしゃすることは誰にでもあります。そんなときに必要なのが、自分自身を取り戻せる「ホーム」です。

「ホーム」は、不安を忘れてリラックスでき、幸せを感じられる場所。私にとっては、愛犬と一緒に遊ぶ時間が「ホーム」です。運動でも、趣味でも、家族でもいい。「ホーム」がある安心感が自己肯定感を高めてくれます。

意識的に「1人の時間」を作る

5. 「みんな」と「1人」の時間をバランスよく持つ

仕事など「みんな」からの刺激を受ける「動」の時間も大切ですが、「1人」で自分自身と向き合う「静」の時間も重要です。動と静のバランスがとれていると、どんなときにも自分らしくいられるようになり、自己肯定感が高まります。

誰かと一緒にいなくても、ネットでつながっていることが当たり前となっている現代。パソコンや携帯から離れて、意識的に1人の時間を作ることが大切です。

6. 1つの意見に捉われすぎない

「このプロジェクトはA案で進めたい」と思っていても、周囲と議論するにつれて、B案のよさが勝ってきたら「やっぱりB案を採用しよう」としなやかに意見を変える。これが自己肯定感の高い人です。そんなときは、「最適な答えを選べた柔軟性のある私」を、自分自身で褒めたたえてあげてください。自己肯定感がますますアップし、人間としての器も大きくなっていきます。

<毎日を心地よく暮らす習慣>

7.「好きでもないのにやっていること」を捨てる

自己肯定感が高い人は、「快」のエネルギーに包まれています。心を「快」で満たすには、「好きでもないのにやっていること」をやめるのがいちばんです。

例えば、あなたが「必ず朝ご飯を食べて出社する」と決めていたとします。それは、どんなに睡眠不足でも、前日飲み過ぎていても、やりとげなければならない習慣でしょうか。しんどいときには朝ご飯を抜いてもいいはずです。

今やっている習慣を、本当に好きでやっているのか考えてみてください。「やらなくてもいいこと」は切り捨て、その時間を楽しいことに当てていくだけで日々の幸福度が高まります。

8. 自分と周りもご機嫌になることをする

自分の幸せと同時に、人の幸せを願って行動できる人は、自己肯定感が高く、自立した人です。まずは、自分自身をご機嫌にすることから始めてみてください。例えば、鮮やかな色の服を着てみるだけでもOK。気分が上がれば、前向きな行動ができるようになります。そのポジティブなエネルギーを周囲にもお裾分けしましょう。

9. 心地よく過ごせる1日のルーティン持つ

「朝食に何を食べようか」「明日何を着ようか」といった小さな迷い。しかし、それが積み重なるとエネルギーを消耗し、自己肯定感を低下させていきます。

好きなことを悩むのは楽しみですが、どうでもいいことに悩むのは時間の浪費です。例えば、「朝食はパンとヨーグルト」「出勤日は白いシャツ」など、ルーティンを作ってしまえば迷う時間が減り、毎日を機嫌よく過ごすことができます。

とりあえず、とにかく「すぐ動く」

<信念を持って行動する習慣>

10. 自分らしくよりも、人間らしく

疲れてヘトヘトになったときは、自分を優先して休息を取るべきです。そのほうが成果を上げやすく、結果として自己肯定感を保つことにつながります。みんなが残業中で自分だけ早く帰ってしまうと、周囲にはわがままな人に映ってしまうかもしれません。しかし、時と場合によっては、わがままを通すことも必要。

「自分らしく」自己肯定感を高めていく前に、まずは「人間らしく」あることが大前提。その選択は自分勝手とは違います。

11. 夢中になって取り組む

自分にとって何が大切かわかっている、自己肯定感の高い人は、「今は夢中になるときだ!」と見定めると、驚くほどのパワーを発揮します。

もちろん、夢中になって取り組んでも失敗することはあります。しかし、「自分で決めて自分で行動できた」という自信は、必ず次のステップにつながります。失敗のない成功はありません。チャレンジすることで自己肯定感は上がっていきます。

12. やりたいと思ったら、1秒でやる

行動を起こすとき、私のモットーは「今やる、すぐやる、とっととやる」。私は「1秒」で選んでしまうことにしています。

毎日は迷いと決断の連続です。電車でどの席に座るか、自販機でどの飲み物を買うか……。でも、たいていの選択は、どれを選んでも大差のないことです。だから迷わず、直観で選んでいいのです。普段から1秒で決断していると、重要な選択に直面したときにも、フットワーク軽く挑戦できるようになります。

<疲労を回復し、モチベーションを保つ習慣>

13. 待つことは、自己肯定感を育てる時間

人は「内発的動機付け」、つまり「やりたい」という欲求がないとうまく行動に移せません。「やれ」という他者からの強制や報酬、賞罰などの「外発的動機付け」では行動の意欲が生まれないのです。

やる気がわかないときには、いったん休んでみる。好きなことをして、ぐっすり眠り、「やりたい」エネルギーがたまるのを待ちましょう。「待つ」時間も自己肯定感を育みます。

すべてを実践する必要はない

14. 疲れたときは無理せず、すぐに休む

まじめな人であればあるほど、休むことに抵抗感を持つ人は多いと思います。しかし、休むことは、停滞ではなく、さらに前に進むために自分を切り替える時間です。休息することによって、消耗した「自己肯定感」を充電することができます。

休むときには休む、働くときには働く、遊ぶときには遊ぶ。素早く気持ちを切り替え、自由に人生を謳歌できる人が「自己肯定感」の高い人なのです。

15. 何も考えない時間こそ、自己肯定感を高める

人間の心はまるで、スノードームのようなものです。舞い落ちる雪は、心の中の感情や思考のかけら。雪が舞っている間は、向こう側が見えずに不安になりますが、落ち切ると透明で見通しがよくなります。

自己肯定感を育むために必要不可欠なのが、心を透明にするための「何も考えない時間」です。心がまっさらな状態になれば、「やるぞ」という意欲が自然にわいてきます。

以上、いい習慣を作るために必要な「15のルール」を紹介しました。どれか1つだけでもいいので、ぜひ今日から取り入れてみてください。1つひとつはささいなことですが、その積み重ねが必ずあなたの自己肯定感を高めてくれます。

2021 10-31 東洋経済オンラインに掲載された記事を加筆・修正したものをです。

 

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