習慣化は自己肯定感を高めながら行なうとうまくいく。習慣化成功までの66日間の過ごし方

習慣化に取り組むときに最も重要なこととはなんでしょうか? これまでの生活リズムに新たな習慣をスムーズに取り入れるために規則正しい生活を心がけることや、「絶対に習慣化を成功させる!」といった強い意志力も必要なことのひとつかもしれません。

しかし、最新刊『習慣化は自己肯定感が10割』が注目を集める心理カウンセラーの中島輝(なかしま・てる)さんは、最も重要なカギとして「自己肯定感」を挙げます。そして、自己肯定感を支える「6つの感」が習慣化のプロセスと密接に関連づいているとも。その関連性とともに、中島さんが提唱する「自己肯定感と習慣化の6ステップ」を解説してもらいます。

目次

自己肯定感を支える「6つの感」とは?

今回の記事では、6つのステップを踏みながら、新しく取り入れた習慣を習慣化させる、中島式「自己肯定感と習慣化の6ステップ」について解説していきます。

ロンドン大学のフィリップ・ラリー博士らの研究によると、新習慣が身につくまでの平均時間は、66日だと言います。ただし、研究に参加した人のあいだでの習慣が定着するまでの日数には、18日から254日までとばらつきがあります。これは単純な習慣ほど定着期間が短く、複雑な習慣になるほど長くかかるからです。

ですから、習慣化にかかる目安は「66日」と考えてください。これより長くかかっても、短くても、大丈夫。大事なのは習慣化がうまくいくことです。

自己肯定感を高めるスキルとテクニックを実践しながら、習慣化の種をまき、芽吹かせ、花が咲き、豊かな実りへとつなげていきます。一度、このサイクルに沿って新しい習慣を定着させる感覚をつかみましょう。うまくいく実感が幸福度を高め、あなたの人生は大きく変わります。

私は、自己肯定感を1本の木と考えた場合、それぞれが木にとっての幹や枝、葉のような「6つの感」に支えられていると見ています。まずは、「6つの感」それぞれについて、「自己肯定感の木」のイラストとともに簡単に解説していきます。

習慣化のプロセスと「6つの感」の深い関係

私は自分自身の習慣を変えていく過程や、多くのクライアントさんに習慣化のアドバイスをするうちに、自己肯定感を支える「6つの感」と、新しい習慣を取り入れ定着させるまでのステップが深く関係していることに気がつきました。

習慣が自分のものになるまでには、「なりたい自分」を思い浮かべ、その姿に近づくために「これをやってみよう!」と思う種まきの時期があり、習慣化が途切れそうになる反発期や忍耐期、成長期などのステップを踏み、習慣が定着、持続する開花期、達成期にたどり着きます。つまり、習慣化のサイクルには6つのステップがあり、それが自己肯定感を支える「6つの感」と深く関連しているのです。その6つのステップこそが、以下にお伝えする「自己肯定感と習慣化の6ステップ」です。

【習慣化のステップ1】習慣の種まき期(0日~1日め)=自尊感情

なりたい自分をイメージし、どんな習慣に取り組みたいかを模索する時期。新しい習慣に取り組む始まりの時期を、「自分には価値がある」と思える自尊感情が支える。

【習慣化のステップ2】習慣の反発期(2日めから8日め)=自己受容感

現状維持を求める本能が、新しい習慣に反発する時期。「なんでこんなことをしているんだろう?」「いや、頑張る」と揺れる思いを、ありのままの自分を認める自己受容感で受け止める。

【習慣化のステップ3】習慣の忍耐期(9日めから21日め)=自己効力感

油断すると途切れてしまいそうになる習慣を、なんとか持続させる不安定な時期。多くの誘惑が目に入るなかで、「自分にはできる」と思える自己効力感を満たすことが乗りきるエネルギーに。

【習慣化のステップ4】習慣の成長期(22日めから31日め)=自己信頼感

無意識のうちに習慣を実践できている日もあれば、しんどく感じる日もある。まだらな成長期で、モヤモヤする停滞期でもあるこの時期をクリアするには自分を信じる自己信頼感が不可欠。

【習慣化のステップ5】習慣の開花期(32日めから60日め)=自己決定感

習慣が定着し、無意識のうちに取り組めるようになるのが開花期。自分で習慣をコントロールし、花を咲かせたと感じることで自己決定感が高まっていく。

【習慣化のステップ6】習慣の達成期(61日めから66日め)=自己有用感

定着した習慣が求めていた成果をもたらしてくれる収穫の時期。また、次に取り組みたい習慣を探し始める整理の時期でもある。得た成果や成長した自分が周囲に役立っているという感覚で自己有用感が満たされ、次に踏み出すエネルギーが得られる。

習慣化のカギである「6つの感」は、それぞれが連動して高まる

それぞれのステップに当てはめている「6つの感」は、自己肯定感のなかでそのサイクルをクリアするのに最も役立つ感情です。

たとえば、新しい習慣に取り組む「習慣の種まき期」には「自尊感情」が当てはまります。自分には価値があると感じられないままでは、手軽に見えて効果の乏しい間違った習慣に飛びついてしまう可能性があるからです。

では、ほかの5つの感情が不要なのかといえば、そうではありません。「これからの新しい習慣を自分で決めて始めるんだ!」という自己決定感も、「自分にはできる!」と思える自己効力感も最初の一歩を踏み出す力となってくれます。

そして、「6つの感」はひとつひとつ独立しているように見えて、じつはひとつが高まれば「6つの感」すべてにいい効果を発揮します。なぜなら、「6つの感」はそれぞれに作用し合って自己肯定感を支えているからです。

ひとつの「感」が満たされれば、その好影響はほかの5つの「感」にも広がり、最終的に自己肯定感が高まります。水面に石を投げ入れ、波紋が広がるようなイメージです。そして、自己肯定感の高まりは、新たな習慣が習慣化され定着していく66日を成功に導いてくれるのです。

自己肯定感という栄養豊かな土壌をつくりながら、あなたが選んだあなたらしい「習慣」という人生の種をまきましょう。芽が出るまでは不安にもなりますが、根気強く水をあげ、手入れし、芽吹いた苗を育み、成長させます。力強く伸びた木にはやがて葉が茂り、花が咲き、実をつけます。収穫された実のなかには、次の芽吹きにつながる新たな種が宿り、それを豊かな土壌にまくことで、あなたの人生はさらによい方向へと向かっていくのです。

忙しさに追われる日々からあなたの夢を追いかける毎日へ。新しい自分になり、人生を変える。すべてがもっとうまくいく習慣革命を起こしましょう。

習慣化とは、「考えずにやれる」ようになること

「自己肯定感と習慣化の6ステップ」とは、取り組んだ習慣を繰り返すことによって、行動が次第に自動的に起こるようになっていくサイクルをまとめたものです。

習慣が習慣化されていくとき、私たちの脳内で明らかな変化が起きていることが脳神経科学の研究で明らかになっています。専門家は「長期増強」と呼びますが、取り組んでいる新たな習慣が続くうちに、脳内の神経細胞と神経細胞の結びつきが強くなっていくのです。神経心理学者ドナルド・ヘッブは、この現象を「お互いに発火した神経細胞はつながり合う」と表現し、「ヘッブの法則」として知られています。

つまり、取り入れようと決めた新たな習慣を繰り返し、行動が変化するうち、脳内でははっきりと物理的な変化が起きるのです。

たとえば、アスリートは一般の人よりも運動機能をつかさどる小脳が発達しています。これは競技に必要な動きが反復練習によって習慣化されたから。その結果、数秒のあいだに、その瞬間に最も適したプレーを選択することができ、無意識のうちに体が動くのです。

習慣化がうまくいくと、最初はひとつひとつの手順を考え、意志の力で進めざるを得なかった難しい作業が、無意識のうちに処理できるようになります。これは習慣がもたらしてくれる大きなメリットで、私たちの人生がよりよいものに変わっていく理由のひとつです。

どんな習慣も努力が必要な段階を乗り越えれば、いちいち考えずに実行できる状態に変わっていきます。そのステップを6つに区切ったものが「自己肯定感と習慣化の6ステップ」です。

2021-08-24 STUDY HACKERに掲載された記事を加筆修正したものです。

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