“自己肯定感の第一人者”が語るスポーツと自己肯定感の6つの感

ここ最近、「自己肯定感」という言葉が注目されています。

日本の若者の自己肯定感が低いという調査結果を踏まえて、内閣府も自己肯定感を高める方針を打ち出したほどです。

コロナ禍に喘ぐ激動の時代にもブレない心を作るためには、自己肯定感を高めるためのノウハウが欠かせません。

スポーツにおいても必要な、何があっても「大丈夫」な秘訣について迫ります。

時代に求められる「自己肯定感」と「未来志向」

経済が成長していた昭和は成果が出やすくて認めてもらえたので、承認欲求が満たされていました。

平成になりリーマンショックで経済が悪くなり、『好きなことで生きていく』という風潮が出てきたり、『嫌われる勇気』がベストセラーになったりしました。

しかし、好きなことだけでは経済が保てません。経済とメンタルには深い関係があり、景気がいいとメンタリティーも保てますが、悪くなるとメンタリティーもどんどん悪くなってしまいます。

そこで大切なのは、自分が自分を励まし勇気を与えること。自分が好きなように生きていくことを肯定してあげること。

そんな時代背景の中でちょうどマッチングしたのが、『自己肯定感』とアドラー心理学の『未来志向』。

コロナウイルスで混乱したこの世の中では、自分を肯定しながら未来に向かってどのように取り組んでいくかが大切です。

アドラー心理学の特徴

フロイト心理学やユング心理学は精神分析学です。『なんで?』という原因論に入ってきます。

ゆとりがなくなってくると『なんで自分は落ち込みやすいのだろう』とか、理詰めで自分を解析することが多いです。

一方、アドラー心理学は『それはいいから、目標を持って前に向かって生きていこう。過去はもう変わらない、未来は自分で変えられるじゃないか』という感じです。

『なんで?』という所の解析が終わっているので、ある意味でゆとりがある、心の容量が増えた人に合った心理学です。

自己肯定感の軸づくりに欠かせない「自尊感情」と「自己受容感」

自己肯定感とは?

『自分には価値があると思えて、自分自身でこれが自分だと言える感覚』のことです。中島輝の著書では、『自分軸を支えるエネルギー』と書いています。

誰かに決められた行動をするのではなく、自分自身がたどりついた信念や真実に基づき行動する。たとえ失敗だったとしても、そこから肯定的な側面を探して、繰り返し行動していく。そんなエネルギーが自己肯定感です。

木の根っこにあたる自尊感情

根っこである『自尊感情』は、自分には価値があると思えること。

この感情が高まるとやりがいや生きがいを見つけられ、本来の生きるエネルギーが湧き上がってきます。

反対に低くなると、否定的な側面ばかりをとらえてしまうのです。

自尊感情が高まると、どんな困難な状況でも肯定的な側面を見出せます。たとえばフィギュアスケートの羽生結弦選手だったら、大舞台でみんなの声援がプレッシャーになるどころか『支えていただいている』という肯定的な側面ばかりを受け取っているわけです。

それは『自分には価値があるんだ』と思える感覚が、とても強いということでしょう。

一方で、練習では上手くいくのに試合になると失敗してしまう人は、自尊感情が低くなっています。本当に根っこの部分なので、とても大切です。

木の幹にあたる自己受容感

 幹にあたる『自己受容感』は、ありのままを認める、受け入れること。自分はもちろん、チームメイトやコーチにもOKな部分があればNOT OKな部分もあります。それを全部ひっくるめて、人間なんだと受け入れること。

自己受容感が高いと『こんな私も私、そんなあなたもあなた』と思えて、すべてに対してOKが出せる状態です。

反対に低いとネガティブな部分ばかりを見てしまい、マイナス思考になっていきます。例えば、『こんな自分がいるからダメなんだ』や『そんなあなただから、私がこんな思いをしている』などです。自分自身の居場所や存在定義にまでもNOT OKを出してしまいます。

一方で、自己受容感が高い人は自分自身を客観的に見る『メタ認知能力』が高くて、『自分のNOT OKな部分はこうやって直していこう』とか『OKな部分を先に伸ばしてしまおう』などと考えられます。

中島が関わってきたスポーツ選手は自己受容感やメタ認知能力が高い、セルフマネジメントに長けている方がすごく多い印象があります。

自尊感情、自己効力感が高まればレジリエンス力が身に付く

強いアスリートの方はかなり自己受容感が高いです。

そして自尊感情と自己受容感が高まると、折れない心やしなやかな心を作ってくれる『レジリエンス』という力が生まれます。この力があるとプレッシャーに強くなって、本番に力を発揮しやすくなります。

折れない心に欠かせない力は『適応力・回復力・緩衝力』の3つ。つまり、どんな所でも適応できて、ダメになっても回復できて、ゆるやかに受け入れられる、ということです。

この3つの力が、自尊感情と自己受容感にも大きく関わってきます。自尊感情、自己受容感を高めてレジリエンス力を身に付ければ、どんな場面でも自分本来の力を出しやすくなるでしょう。

しなやかな『自分軸』を作る

しなやかな『自分軸』を作るためには、自尊感情と自己受容感は欠かせない要素です。自分軸にしなやかさがないと、すぐに折れてしまいます。

それを防ぐためには、『自分は両親の笑顔を見るために金メダルを取るんだ』などと、目標や目的を明確にすることも大切です。

先を見ているから、どんな批判やプレッシャーでもぶれません。

特技や強みの開花につながる「自己効力感」と「自己信頼感」

根っこが丈夫で幹が太いほど、枝はいっぱい伸びていきます。つまり、可能性の選択肢が増えるということ。

自己効力感が高いと、枝が一つ折れても別の枝があるので、次から次へと挑戦できます。

反対に根っこが弱くて幹が細いと、枝があまり伸ばせなくて選択肢が限られてしまう。選択肢がそもそもないと挑戦しづらくなって、『やっても無駄かも』という感覚になりやすくなります。

さらに『自己信頼感』が高い人は、自分の可能性を信じることができ、自由な考え方ができます。

反対に、自己信頼感が低いと自分を信じられなくなり、葉っぱがなくなって可能性を閉ざしてしまいます。枝と葉っぱの部分は、グリット(やり抜く力)に大きく影響している。『できない』『可能性はこれしかない』と思ったら、やり抜けません。

一方で『自分はこれがダメでも、これができる』と自己効力感をもって、『自分には、まだまだ可能性があるんだ』と信じ抜ければ、どんどん新しいことを探してチャレンジすることができます。

スポーツ選手にとって自己効力感と自己信頼感は、自分の特技や強みを開花させるうえで大切なことです。

幸福感のもとになる、「自己決定感」と「自己有用感」

自己決定ができる人とできない人の違い

『自己決定感』が高まると自分で決めて動けるようになり、外的要因に左右されない『内発的動機づけ』が高まります。

また、『自分で決めて動くと、主観的幸福感が高まる』というデータも出ています。

そして、主観的幸福感が高まると創造性が3倍位になり、自分で創意工夫できるようになります。

自己決定感が高い人はモチベーションが高く、自分で意思決定できます。逆に低い人は意思決定力が低いので、誰かに流されることが多いです。

枝や幹、根っこが弱い人は流されやすくて自分の意思決定がなくなるので、成功してもそれほどうれしくないし、失敗してもそれほど悔しくない。すると『これやっても意味ないな』などと考え始めて、練習回避する選手も出てきます。

バーンアウト(燃え尽き症候群)気味の人は、主観的幸福感も自己決定感も低くなっているでしょう。だから、『少し休んだ方がいいよ』や『ひと呼吸おいて自分を見つめ直しましょう』など、主観的幸福感を高めてもらうのが大事です。

欲求段階を追うことがゴールへの近道

自己実現するためには段階を追っていく方が、よりゴールに近づけます。

不安や恐怖を感じた時に生まれる、『次は必ず勝たなければ』という気持ちを和らげるためには、承認欲求を満たすことが必要です。

そして、そこを乗り越えて成長するためには『これでいいんだ、必ずできるんだ』と自分自身を励まし鼓舞していく『肯定欲求』も強く必要になってきます。肯定欲求を満たすためには、より自主的に幸福感を取りに行くことが大切です。

承認欲求を求めることが悪いわけではなく、その先の自己成長につなげていけるかが重要になってきます

主観的幸福感を高める自己有用感

『自己有用感』とは自分という存在が誰かの役に立っていると感じることです。そう感じた時に、人間は『オキシトシン』という多幸感、幸せを感じる脳内物質が出ると言われています。

『ありがとう』と言われたときにオキシトシンが分泌されるスピードは、欧米人に比べて日本人の方が3倍速いそうです。それだけ、私たちが仕事やチーム活動において『人と人の関係』を自立の前提としているということ。

そして自己決定感と自己有用感は、主観的幸福感につながってきます。『自分も幸せだし、相手も幸せにできている』という実感があると、『俺はこのままでいいんだ』『もっとこのままでいいと思いたい』という成長欲求、肯定欲求がどんどん育まれていきます。

チームの成功の鍵となる心理的安全性

Google社の『プロジェクト・アリストテレス』では、複数のチームにそれぞれ課題を渡して、上手くいくチーム・そうでないチームの違いを調べました。

その結果分かったのは、何をやっても上手くいくチームは『これ得意だけど、何か手伝うことある?』という風に、自己有用感が高いメンバーで構成されていること。そのようなチームでは『俺がダメでも助けてくれる人がいる』という、『心理的安全性』が確保されています。

一方で『自分は自分、あなたはあなた、勝手にやって。先に帰るね』というチームは、何をやっても失敗が多かったのです。チーム成功の鍵となる心理的安全性を確保するためには、メンバーの自己有用感を高める必要があると分かり、そこを促進しているそうです。

「自己肯定感を高められるのは自分自身だけ」という自覚が大切

パフォーマンスを発揮するにはポジティブな人と繋がること

人とのつながりやチームというのは、スポーツを通して経験することに近いです。スポーツを学ぶことが、自己肯定感のトレーニングにもなります。スポーツでは、『成長すること』と『変化を受け入れること』が大切です。

ポジティブな人と付き合っていくことで相乗効果が生まれて、新しい自分を切り拓いていけるでしょう。肯定欲求の強い仲間、もっと前に行こうとする仲間が多いほど、つながりを通して自主性を育めます。

そして自分自身も新しい道を切り拓き、最終的には自分らしくパフォーマンスを発揮できて強くなっていきます。

スポーツやビジネスの世界では、パワハラ問題が取りさたされています。指導者側のアプローチで役立つのが、マーティン・セリグマン博士の『ポジティブ心理学』です。

『ポジティブな人と付き合って、前に進みましょう』というものですが、中島輝はそこにプラスαがあります。ポジティブな集団の中でも、負けたり上手くいかなかったりする時もあります。

そこからやりがいや生きがい、肯定的な側面を探していくことが大切です。そしてまた前に進んで、上手くいかなかったら肯定的な側面を探していく。

ポジティブで自立した人とのつながりを通して、これを繰り返していきましょうと、皆に伝えています。そうすれば自然と自主性を育めて、どんな所でも成果を出し続けることができます。

自己肯定感を高められる人、高められない人の違い

自己肯定感はそもそも人間に備わっていて、揺れ動いていて、何歳からでも自分で高められます。

しかし誰かから承認されることばかりを求めて、それに一喜一憂している人は高められません。高められる人は、自己肯定感が自分に備わっていることを知ったうえで『自分で高めていくしかないんだ』という所に行き着いた人。

他者どうこうよりも自分で育んでいくことが大切だと知っている人は、変われると思います

今後の社会を生き抜いていくうえで大事にすべきこと

コロナ禍は、変化を受け入れて人生の方向性を決める時間ではないかと思います。

『自分にはもっと才能があるんだ』と、自分の強みや才能をもう一度見直していくべきでしょう。そのためには今こそ感情について学び、自分自身が人生や感情をマネジメントできることを知る。

そして、自己肯定感が高い人とつながっていき、世の中でどうやって自分が力を発揮できるか考える。

自己肯定感を高めていくことで自分が変わっていけますし、自分が変われば世界、人生も変わっていきます。

自己肯定感を通して感情との向き合い方を知ることも、これからの時代には大きな成長の一つだと思います。

2021年4月 SPDUCATION COLUMに掲載された記事を加筆修正したものです。

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