「ADHDと診断されたけど、HSPの特徴にもたくさん当てはまるなあ」
「もしかしたら、ADHDとHSPの両方を持っている事で、他の人よりも生きづらいんじゃないかな」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
確かに、HSPもADHDも、生きづらさを抱えやすい性質や障害だと認識されてきています。
しかし、HSPもADHDも、単純な「短所」や「劣っていること」ではありません。
その特性を理解して、活かすことが出来れば、長所にもなり得る素晴らしい才能でもあります。
そこでこの記事では、HSPとADHDについて、どんな特徴をお持ちなのか、そして両方を持っていた場合、具体的にどんな生きづらさやメリットがあるのかをお伝えしていきます。
目次
ADHDとは
ADHDとは発達障害のひとつで、「注意欠如/多動性障害」とも呼ばれています。
その性質として、主に以下のような特徴が挙げられます。
- 集中力が続かない
- 多動性あり(じっとしていられない)
- 衝動的(思いつくと即行動に移る)
↑に挙げた特徴から、幼少期の日常生活において…
- 忘れ物が多い
- 授業などに長く集中していられない
- 授業中に立ち歩いてしまう
- 友達に話しかけられても、気が付いてあげられない
といった行動が目立ちがちです。
また、HSPとの大きな違いのひとつとして、「医学的な診断を受ける」という点があります。
HSPとは?
HSPとは、外部からの刺激に敏感に反応してしまう性質を指します。
大きな音や強すぎる光、さらには他人の放つ機嫌の悪さなどに反応してしまうなどの特徴があります。
HSPは、Highly Sensitive Personの頭文字を取った略語で、日本では「繊細さん」の本で知られるようになりました。
統計的に全人口のうち15%~20%がHSPさんだと推定されていて、5人に1人がHSPさんだという計算になります。
HSPさんの特徴として、以下のことが挙げられます。
- 深い思考を行う(即断即決出来ることを、時間をかけて思考する)
- 過剰に刺激を受けやすい
- 感情への反応が強く、共感力が高い
- 些細な刺激も敏感に察知する
これらの「外部の刺激に過剰に反応してしまう」という性質から、現代社会で疲れ果ててしまいがちな側面を持っています。
ADHDさんと大きく違う点として、HSPさんは「心理学上の区分」であり、医学的な「病気」や「病名」ではありません。
ADHDとHSPを両方持つ場合の生きづらさ
ADHDさんとHSPさんの特徴を両方持つと、お互いの性質が悪い相乗効果を起こすことで、他の人よりも生きづらさを感じやすくなります。
例を少しだけ挙げてみましょう。
- 他の事に興味がより移りやすくなる
- ひとつの事に集中しづらくなる
- より疲れやすくなる
いずれも、お互いの性質が悪い相乗効果を起こすことで生じる生きづらさです。
順番に見ていきましょう。
他の事に興味がより移りやすくなる
これはHSPさんの性質がADHDさんの症状を誘発している状態です。
HSPさんには、周りの刺激に敏感に反応する特徴がありましたね。
ここで言う周りの刺激の中には、「視覚」や「聴覚」によるものも多く、些細なものがより繊細に見えたり、敏感に聞き取れたりすることで、非HSPのADHDさんよりも興味が他に移りやすくなっています。
この特徴によって、次の生きづらさにも影響が出ます。
ひとつの事に集中しづらくなる
HSPさんの性質から、よりたくさんの事が気になり始めると、ひとつの事に集中しづらくなります。
人間は元々マルチタスクが得意ではないとされていますが、ADHDさんはその特徴をより強く持っています。
マルチタスクが苦手な人が、マルチタスクを誘発されやすい環境に置かれているわけですから、段取り良くお仕事などをこなすことに支障が出やすくなってしまいます。
これもADHDとHSPの特徴を同時に持つ生きづらさだという事が出来ます。
より疲れやすくなる
これはADHDさんの症状が、HSPさんの性質に悪い影響を与えている状態です。
ADHDさんは、考えるよりも先に行動が出ます。
そして行動が増えるたびに、目に入るもの、耳に入る情報が増えて、HSPさんの繊細な性質によって、より疲れやすくなってしまいます。
以上の事から、ADHDとHSPを同時に持っていると、それぞれの特徴が悪い相乗効果を起こすことで生きづらさが生じる傾向があるといえます。
ADHDとHSPを両方持つメリットは?
前項でADHDとHSPを両方持つ生きづらさについてお話しましたが、ADHDとHSPを同時に持つことは、なにもデメリットだけではありません。
両方を持つことで受けられる恩恵もあります。
- 細やかな気配りを、即行動に移せる
- クリエイティブさに長ける
順番に見ていきましょう。
細やかな気配りを、即行動に移せる
HSPさんには、物事を深く処理する気質ゆえに気遣いや気配りが細かいところまで行き届く長所があります。
そこにADHDさんの「即行動」という特徴が加わることで、細やかな気配りが即座に行動で現れることになります。
周りの状況を瞬時に深く察知し、細やかな行動を迅速に取れるのは大きなメリットです。
クリエイティブさに長ける
ADHDさんは、常に新しい事に興味が移る特徴がありましたね。
そこにHSPさんの「深く物事を処理する」という性質が加わることで、「新しい事」に「物事の深い視点」が付与され、結果、誰も思いつかない斬新で画期的な発想に富むきっかけになり得ます。
最後に
ADHDさんやHSPさんは、その性質から、周りの理解を得難く生きづらさを感じる傾向があります。
しかし、そんな性質を持つからこそ、他の人には持ち得ない素晴らしい才能にもめぐり合う機会があります。
それを「短所」や「劣っていること」とは捉(とら)えるのではなく、長所として、個性として、人生を素晴らしく富ませるものとしていただければ幸いです。
自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
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