「他人の些細なひとことをいつまでも引きずってしまう……」
「何か嫌なことがあるとすぐに泣いてしまう……」
そんな悩みを持つ女性は多いのではないでしょうか?
もしかしたら、そんなあなたはHSP(ハイリ―・センシティブ・パーソン)の可能性があります。
HSPとは、生まれつきの脳のシステムであり、人よりも敏感で繊細な気質のこと。その繊細さゆえに悩んだり傷ついたりしやすい一面がありますが、正しく理解すれば自分の個性としていかしていくこともできます。
この記事では、女性のHSPの特徴をご紹介します。またHSPに悩む女性に向け、疲れずにすむ方法を10個ご紹介します。
この記事を読めば、これまで苦しんできた「生きづらさ」の理由がわかるはず。これからの人生をあなたらしく生きるため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
私ってHSP?HSPの女性の特徴
HSP(Highly Sensitive Person)は、1990年代にアメリカの心理学者、エレイン・アーロンによって提唱されました。
日本でも2019年ごろからテレビや書籍で話題になるようになり、「HSP=繊細さん」などとも呼ばれています。
HSPには男女差はないといわれていますが、他人の言葉を気にしやすいなどの悩みから「自分はHSPかも」と考える女性は多いのではないでしょうか?
HSPには、次の4つの特性があるとされています。
- 深く複雑に考えてしまう
- 刺激に敏感で疲れやすい
- 共感能力が高く気を使いすぎる
- あらゆる感覚が敏感
これらの特徴があるために、他の人よりも生きにくいと感じ、疲れやすくなってしまうのです。
HSPの女性の場合、より具体的に挙げると次のような特徴があります。
<HSPの女性の特徴>
深く複雑に考えてしまう
- 気になることがあると細かいことまで調べずにはいられない
- 他人の気持ちがなんとなくわかり、お世辞を見抜いてしまう
- ファッションなどの浅い話よりも生き方などの深い話の方が好き
- 何かを始めようと思っても考えすぎてしまってなかなか始められない
刺激に敏感で疲れやすい
- ちょっとしたことに驚きやすく疲れる
- 人と会ったあとは家に帰ってからどっと疲れる
- 街に買い物に行くと人混みや物の多さに疲れてしまう
- 音楽、映画、芸術作品などを見ると涙が出るほど感動する
- 他人の些細な言葉が忘れられず、いつまでも根に持ってしまう
- 大きな音や光、香水などの強いにおいに敏感で、逆に繊細な音や光、においを好む
共感能力が高く気を使いすぎる
- アニメや映画など、物語に感情移入しやすい
- 友人と話すことは好きだが、気疲れしやすい
- 仕草や目線、声色などから相手の機嫌を敏感に察知してしまう
- 人が怒られていると自分が怒られているように感じて苦しくなる
あらゆる感覚が敏感
- 眩しい日光や照明が不快だと感じる
- 電子音や時計の音など、音が気になって仕方がないときがある
- 人混みや賑やかな店などの騒がしい場所に行くと疲れてしまう
- 服などの肌に触れる素材に敏感で、苦手な感触だと我慢できない
- 臭いに敏感でタバコや香水、他人の臭いなどで具合が悪くなることがある
上記に挙げた項目に複数当てはまる場合、HSPである可能性は高いといえるでしょう。
HSPの原因
HSPの原因は、生まれつきの脳のはたらきによるもの。HSPの人は脳の「扁桃体(へんとうたい)」という部位のはたらきが他の人よりも強いといわれます。
扁桃体は恐怖や不安といったマイナスの感情に深くかかわる部位のため、扁桃体のはたらきが強いと感受性も強くなってしまうのです。
生まれつき敏感な気質ということなので、治療して治るものではありません。ただし、繊細さは長所にもなり得る部分。正しく理解をすれば、あなたがあなたらしく生きていくための大切なきっかけとなるはずです。
HSPの女性は、とても繊細。しかし、そのこと自体は長所でもあります。
<HSPの女性の長所>
- 想像力豊かで芸術的センスがある
- 共感能力が高く人に寄り添える
- 多様性を受け入れられる
問題は、自分がHSPだと知らずに自分自身を責めてしまうこと。
「他人の言葉をいつまでも気にして、自分はなんてダメなんだ」
「他人にばかり合わせてしまって、自分の意見を言えない自分が嫌い」
そんなふうに、自分を責めてしまっていませんか?
しかし、あなたはHSPであるがゆえに空気を読みすぎてしまっているだけかもしれません。他人に共感できすぎるために、自分よりも他人を優先してしまっているのです。
この記事を読んでいるあなたは、自分がHSPだと知ることで、安心できた部分があるはず。これまで生きにくさを感じていたのなら、ぜひ自分を許すことから初めてみてください。
自分を許せると自己肯定感が上がり、物事を前向きに捉えられるようになっていきますよ。
HSPの女性が疲れないための10のコツ
最後に、HSPの女性が疲れないためのコツを10個ご紹介します。意識的に取り入れることで、毎日を疲れず、自分らしく生きられるようになるはずです。
ひとりの時間を大切にする
HSPの女性にとって、ひとりの時間はエネルギーを回復する大切な時間になります。
HSPの女性は刺激が多い環境にいるだけで疲れてしまいますから、刺激の少ない静かな空間で過ごすだけで気持ちが回復します。敏感さゆえにストレスもたまりやすいので、意識適任ストレスを解消してあげるとよりいいですね。
例えば、自然の中を散歩することや、湯船につかってゆっくり入浴することなどがおすすめです。
育児中などで時間をつくりにくい人は、人に頼ってでも自分の時間を優先してあげてください。「人に頼ることは悪いこと」と無意識に思い込んでいる人も多いですが、人には頼ってもいいのです。むしろ、頼られた人は「信頼されている」と感じてうれしく思うものですよ。
何もしない時間をつくる
HSPの女性は他人を優先し自分を後回しにするくせがついているため、休むのが苦手な人が多いです。そのため、休むことに罪悪感を感じてしまいがちですが、それでは休んでいてもストレスがたまってしまいます。
罪悪感があると何もしなくてもいい日にも「何かしなければ」と焦ってしまいませんか?
まずはそうした「罪悪感」が自分の中にあることを認識し、意識的に「何もしない時間」をつくりましょう。何もしなくても、あなたは無価値ではないのですよ。
つらい人間関係は思い切って手放す
もしもつらい人間関係があるなら、思い切って手放しましょう。
HSPの女性は気を使いすぎてしまうため、苦手な人間といるほど疲れてしまいます。
「でも、友達がいなくなるのは不安……」
「仕事が辞められない……」
と思うかもしれませんが、思い切って手放してみるとまた新たな人間関係ができてくるもの。同じ友達とずっと付き合う必要もなく、同じ仕事に囚われる必要もないのです。
勇気を出して、変化を楽しんでみてくださいね。
没頭できる趣味を見つける
HSPの女性は周りに合わせてしまいやすく、自分の本心を見失いがち。趣味があるとストレス解消になるだけでなく、「これが自分」という自分らしさを見出しやすくなります。
自分の好きなものに没頭する時間をもつことで、自分らしく生きるきっかけになるでしょう。
趣味がない方は、とりあえず楽しそうだと感じたことをなんでもやってみるといいですよ。
特性をいかした仕事に就く
HSPの女性が向いているのは、高い共感力や想像力・芸術性、繊細さをいかせる仕事。
例えば、共感力や想像力をいかすならモノづくりに携わる仕事がおすすめです。使う人の気持ちを細かく想像できるので、人に寄り添ったよいモノを作り上げることができるでしょう。
また繊細な気遣いが問われるウェディングプランナーなども、HSPの女性にはおすすめです。細かな気遣いができるからこそ、相手に喜んでもらえる最高のサービスを提供できるでしょう。
寝る前に何か1つ自分を褒める
HSPの女性は自己肯定感が下がりやすい傾向にあります。共感力が高く繊細だからこそ、他人の気持ちを想像しすぎてしまい、余計なことに悩みすぎてしまうのです。
まずは自分を責めないことが大切ですが、自己肯定感が低いと感じる方は、自己肯定感を上げるための工夫も取り入れましょう。
おすすめは、寝る前に何か1つ、今日の自分を褒めること。「今日も頑張って仕事に行って偉かったね」などのように、口に出して褒める習慣をつくってみてください。口に出すことで、肯定的な思考に切り替わりますよ。
人の問題を考えすぎない
HSPの女性は人の機嫌に左右されがち。「イライラする人といるだけでとても疲れる」という方は多いのではないでしょうか?
他人のイライラは他人の問題なのに、HSPの人は自分が怒られているように感じてしまうのです。
他人のイライラは他人の問題と、巻き込まれないように気をつけ、苦しいときはなるべく距離をおくようにしましょう。
マイナスな感情は書き出して放っておく
HSPの女性は他人を気遣いすぎるがゆえに怒りを吐き出すことが苦手。そのため、ひとりで不安や怒りなどのマイナスな感情をためこみがちです。
「なんとなくモヤモヤする……」といった悩みは、はっきり視覚化してあげることが大切。そのためには文字に書き出してみましょう。マイナスな感情は視覚化することで手放しやすくなりますよ。
ノートやスマートフォンのメモなどに、モヤモヤの理由を何でもいいので書き出し、あとはそのまま放っておいてください。
これで、ストレスの一番の原因となる「考えすぎ」から抜け出しやすくなります。
疲れてしまうことは無理にやらない
苦手な人と付き合う、刺激の多い場所に行くなど、自分が「疲れる」と感じることは思い切ってやめてみましょう。
人はどうしても今の環境を変えたくないと感じるものですが、思い切って変えることで一気に苦しさがなくなることもあります。
この記事を読んだこの瞬間が、あなたの転機と思い、ぜひ行動にうつしてみてくださいね。
周囲にHSPであることを伝える
HSPという言葉が世間に認知されてきた今、HSPを理解してくれる人は増えています。
また、あなたと同じように「自分もHSPかも」と悩んでいる人も近くにいるかもしれません。
ひとりで悩まずにカミングアウトすることで、周囲が力になってくれる可能性もあります。
SNSなどで告白し、仲間を見つけてみるのもいいでしょう。周囲に理解してくれる人がいるとわかるだけで、ほっとできるはずですよ。
HSPの女性は才能豊かで気遣い上手
HSPの女性は繊細であり優しく、人に寄り添える女性らしい魅力をもっています。自分を責めずにありのまを受け入れ、そうした長所があるのだとぜひ自覚をしてください。
生まれついて優しさをもったHSPのあなたが、これからより自分らしく生きていけることを祈っています。
自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
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