本音を言える
場所の作り方
職場でも家庭でも、本音を飲み込んでばかり。表面では穏やかに見えても、心の中は言いたいことで溢れている。この状態が続くと、心も関係も静かに枯れていきます。本音を言える場所は、自分で作れます。
本音を飲み込んでいる人の心の中
こんな日々を、過ごしていませんか。
本音を飲み込み続けると、心の中に言わなかった言葉が溜まっていきます。最初は気にならなくても、半年、1年、5年と続くと、心の動きが鈍くなる。自分が何を感じているかすら、わからなくなっていきます。
米国の経営研究者が示した法則
ジム・コリンズは、偉大に飛躍した会社に、ある共通点を発見しました。それは、「真実が語られる風土」があることでした。良い知らせも悪い知らせも、誰もが本音で語れる場所。これが、長期で偉大な成果を生む土台になっていました。
偉大に飛躍した会社には、
誰もが「これは違う」と
言える風土があった
これは会社の話だけではありません。あなたの周りにも、本音を言える場所が必要です。職場、家庭、友人関係、どこか1か所でも、本音が語れる場所があるかどうかで、人生の質は大きく変わります。
中島輝より一言
15,000人を見てきて、私は気づきました。本音を飲み込み続ける人ほど、心の病に近づきます。なぜなら、言葉にしなかった感情は、消えるのではなく、内側に溜まり続けるからです。本音を言える場所を作ることは、わがままではなく、心の健康を保つための必要な手入れです。
真実の風土がある関係の特徴
「本音を言える場所」とは、具体的にどんな場所でしょうか。共通する4つの特徴があります。
特徴①|否定されない
本音を言った時、「そんなこと言うな」「考えすぎ」と否定されない場所。意見が違っても、まず聞いてもらえる。同意は要りませんが、否定だけはされない。これが第一の条件です。
特徴②|価値判断を急がない
本音を言った時、「正しい」「間違っている」と急いで判断されない場所。「あなたはそう感じたんですね」と、まず受け止めてもらえる。判断は、後でいい。受け止めが先です。
特徴③|外に持ち出されない
話したことが、知らないところで噂にならない場所。守秘が守られる場所。これがあると、人は安心して本音を出せるようになります。
特徴④|双方向である
自分だけが本音を言うのではなく、相手も本音を言ってくれる場所。一方通行ではなく、お互いに正直になれる関係。これが、本当の真実の風土です。
安心感が場所を作る土台
本音を言える場所を作るには、まず自分の中の安心感を育てることが必要です。安心感は、木でいえば土壌の部分。すべての感が育つための土台です。
なぜ安心感が先なのか
自分の中に安心感がない人は、外に安心を求めようとして失敗します。相手に安心を作ってもらおうとするから、相手が冷たくすると一気に崩れる。逆に、自分の中に安心感が育っている人は、場所を選ぶ目と場所を作る力を両方持っています。
| 安心感が育っている人 | 育っていない人 |
|---|---|
| 合わない場所からは静かに離れる | 合わない場所にしがみつく |
| 合う相手を見つけられる | 誰でもいいから受け入れてほしい |
| 本音を言える相手を一人持っている | 本音を全員に求めて疲れる |
| 場所がなくても自分を保てる | 場所がないと崩れる |
場所は「すべての関係」で必要ない
多くの人が誤解しているのは、「すべての関係で本音を言わなければ」と思うことです。けれど、現実には、本音を言える場所は1か所か2か所で十分です。職場、家庭、友人、配偶者、カウンセラー、どこか1か所で本音が語れれば、人は健全に生きていけます。
すべての関係で本音を言う必要はない。
1か所か2か所、
本音が語れる場所があれば、
心は確実に守られる。
中島輝より一言
「本音を言える場所がない」と相談に来る方に、私はこう問います。「本当に1人もいませんか?」と。よく聞くと、本音を言える人が1人だけいることが多い。問題は、その1人を頼っていいと自分に許せていないこと。1人で十分です。1人いれば、人は十分に健全に生きていけます。
今日からできる5つの一歩
安心感を育て、本音を言える場所を作る。30秒から始められる5つの一歩です。
「飲み込んだ言葉」を一つ書く
1日の終わりに、その日飲み込んだ言葉を一つ書きます。「会議で言いたかったこと」「家族に言いたかったこと」、なんでも構いません。書き出すこと自体が、本音を言葉にする訓練です。誰にも見せる必要はありません。
「本音を言える人」を1人挙げる
過去・現在の中で、少しでも本音を言えた相手を1人挙げます。連絡を取っていなくていい。亡くなった人でもいい。「あの人になら言えた」という1人が、必ずいるはずです。これが本音を言える場所の起点です。
「小さな本音」を1つ言ってみる
挙げた相手、または信頼できそうな相手に、小さな本音を一つ言ってみます。「実は今日疲れた」「あの映画、つまらなかった」など。大きな本音ではなく、小さな本音から練習します。
「相手の本音も聞く」を試す
自分が本音を言ったら、相手にも「あなたはどう思う?」と本音を尋ねます。一方通行ではなく、双方向にする。これが、本音を言える場所を育てる最も重要な作業です。
「本音の記録」を続ける
毎晩、その日に言えた本音と、言えなかった本音を手帳に書きます。言えた数より、言えなかった数を意識することで、次の機会を作れるようになります。場所は、続けることでしか育ちません。
すべての場所で本音を言わなくていい。
1か所、本音を言える場所があれば、
心は確実に守られる。
よくあるご質問
1か所で十分。
その1か所を、
自分で育てていく。
合う場所が自然と見えてくる。
自分を大切にしよう
本音を飲み込み続けることは、決して優しさではありません。心の中に言葉が溜まり、いつか動かなくなる。長く健全に生きるためには、本音を言える場所が必要です。それは、わがままではなく、心の必要な手入れです。
大切なのは、すべての関係で本音を言おうとしないこと。1か所か2か所、本音を語れる場所があれば、人は十分に生きていけます。その1か所を、自分で見つけ、育てていく。小さな本音から、双方向の練習から、少しずつ場所は育ちます。
そして、何より自分の中に安心感を育てること。自分の中の土壌が豊かなら、合う場所を見つける目も、場所を育てる力も、自然と備わります。今日、飲み込んだ言葉を一つだけ、紙に書いてみてください。自分を大切にしよう。あなたの本音は、誰かに届く価値のあるものです。
本記事の科学的根拠
- 『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』(ジム・コリンズ著):第4章「真実が語られる風土」原典
- Edmondson, A. C. (1999):心理的安全性の研究
- Google「Project Aristotle」2015年:高業績チームの共通点研究
- Rogers, C. R. (1957):来談者中心療法・受容と共感の心理学
- 中島輝(SBクリエイティブ)『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』

自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。






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