「結婚してから一人の時間がとれず、ストレスがたまるばかり」「共働きで、家事分担に不満を持ちながらも言い出せない」など、結婚生活に苦痛を感じているHSP(=Highly Sensitive Person)の人も多いと思います。
そこでこの記事では、HSPの人の結婚生活がうまくいかない原因と対策を解説します。ぜひこの記事を読んで、幸せな結婚生活の参考にしてください。
目次
HSPが結婚生活でストレスを抱える原因は?
ここからは、HSPの人が持つ4つの特性「DOES(ダズ)」をもとに、結婚生活でストレスを抱える理由を解説します。
◆4つの特性「DOES」
- Depth of processing(深く考え込む)
- Overstimulated(刺激に敏感で疲れやすい)
- Emotional reactivity and high Empathy(人の気持ちに反応しやすく、共感性が高い)
- Sensitivity to Subtleties(少しの刺激にも感受性が高い)
相手の言動を深読みしすぎる
「多角的にものごとを深く考え込む」というHSPの特性により、相手のふとした言動を深読みしすぎる傾向があります。
そのため、パートナーの言葉の裏にある気持ちを必要以上に勘ぐり、言葉の選択を考えすぎてしまってストレスがたまり、疲弊しがちです。
過度な深読みが続くと、パートナーは「信頼されていない」「常に疑われている」と受け止め、関係に溝が生まれる原因となります。
家事育児を背負い込みすぎる
HSPの人は「少しの刺激にも感受性が高い」特性から、色々なことに目が行き届き、気付きます。そのため、自ら家事育児のタスクを増やしすぎる傾向にあります。
一度気付いてしまったことは放置できないため、HSPでない「非HSP」のパートナーが気付かない細かな家事を積極的に行なってしまい、一人で背負い込んでしまうのです。
夫や義理の親に気を使いすぎる
「夫の目が気になり外出できない」「父の日、母の日、誕生日などイベントごとに義理の両親へのプレゼントを考える」など、気を使いすぎてしまう傾向があります。
これは、「人の気持ちに反応しやすく、共感性が高い」などの特性によるものです。しかし、家族が非HSPの場合、実は何も気にしていないことがほとんど。
例えば、パートナーにとってあなたが外出することは特に気になっていないかもしれません。むしろ、一人の時間が欲しいと思っている可能性もあります。
また、義理の両親はあなたからプレゼントがないからといって、不満を口にすることはないでしょう。普段から感謝の気持ちが伝わっていれば、それで十分なはずです。
一人の時間がなくなる
結婚すると、家の中には常に夫や子ども、場合によっては両親がいるなど、一人の時間が少なくなります。また、例えば日中に一人の時間ができても、その間に普段できない家事をしてしまいゆっくりと休む時間がなく、息苦しさを感じるでしょう。
それでは、日々抱えている刺激をリセットできず、気持ちが休まりません。
HSPが快適な結婚生活を過ごすには
ここまで解説した通り、HSPは細かなことに気付きすぎるために、自分からタスクを増やしたり、先回りして解決したりしがちです。
しかし、結婚生活はパートナーとともに”チーム”としてやっていくという意識を持ちましょう。パートナーへの信頼を示すためにも、ときには頼ることが必要です。相手に過剰に気を使うことなく、改善してほしいことや要望はきちんと伝えてみてください。
ここからは、HSPの人が快適な結婚生活を過ごすために大事にしたいことをご紹介します。
「夫婦はチーム」という意識を共有する
家庭は一人で築くものではなく、夫婦がチームとなって築くものです。そのため、すべての責任をあなたが背負い込む必要はありません。
HSPの人は細部にまで目が行き届き、あれこれと気付いてしまいます。しかし、ストレスをためこまないよう、家事や育児を細かく分担するなど意識的に気を付けましょう。
遠慮せず要望や提案を具体的に伝える
非HSPの人は、HSPの人の想像以上にものごとを楽観的に捉え、細部ではなく大枠を見ています。そのため、HSPの人が「口にしなくてもわかってくれるだろう」という、察してほしい気持ちを察することはほとんどありません。
それが積み重なると、HSPの人は「どうしてわかってくれないの!」と突然感情が爆発してしまいがちです。しかし非HSPの人からは、「何を考えているかわからない」「急にそんなに怒らなくても」と思われ、感情のすれ違いが生まれます。
そこで大切なのが、要望や提案を具体的に伝えることです。言葉できちんと伝えて初めて、相手が考えるあるいは相手と話し合うきっかけが生まれます。
ただし、要望などを伝えたからといって、必ずしもパートナーのその後の言動が変わるとはかぎりません。伝えたことで理解はされても、納得し行動に移すかどうかはパートナー次第なので注意しましょう。
自分とパートナーは対等だと認識する
HSPの人は自己肯定感が低く、パートナーの理不尽な要求にも応えようとしてしまいます。そのため、モラルハラスメントを受けるおそれがあります。
夫婦関係において、どちらが偉いということはありません。夫婦が対等であるためには、対等に話し合いができるパートナー選びが大切です。またそのほか、お互いの得意なことと苦手なことを把握して、得意なことを得意な人がやる、苦手なことは一緒に補うようにものごとを進めるとよいでしょう。
HSP特有の感覚を具体的に説明する
HSPの人が快適な結婚生活を送るためには、HSPという気質についてパートナーに理解してもらうことが欠かせません。
気質といってもすぐに理解されることは難しいので、「HSPだから」という言い方は避けて「自分は●●が苦手だから、こうして欲しい」と自分の状況と要望を具体的に伝えるとよいでしょう。
自分が普段どのように感じて、どのようなことに困っているのかを知ってもらうことで、単なるわがままではなく必要なことだと理解してもらえるかもしれません。
我慢せず第三者を頼る
ここまでで解説したように、HSPの人は自己肯定感が低い一方で相手への共感力が高いことから、モラルハラスメントの被害にあいやすいといわれています。
結婚生活においてモラルハラスメントと感じる場面があれば、一人で抱え込まずにカウンセリングや自治体の相談センターなど第三者を頼ることも大切です。
公的機関を頼ることは恥ずかしいことではなく、相談することで、より客観的な意見や気付きがあるかもしれません。
「HSPは結婚に向かない」はウソ
インターネットの一部の情報では、「HSPの人は結婚に向かない」と書かれています。しかし、HSPの人が必ずしも結婚生活に向かないわけではありません。
むしろ、HSPの気遣い力や共感性の高さは、家庭の雰囲気をよくする方向に役立つ要素です。
例えば、共感性の高さからパートナーと一緒に喜びを感じられるなど、パートナーのメンタルを支え最高のパートナーになることができます。また、子どもの成長に人一倍感動ができて子どものよき理解者となるでしょう。
このように、HSPの特性が与える結婚へのよい影響も多くあります。
一人でゆっくり過ごす時間を確保したり、直接言いづらいことはメモで伝えたりするなどHSPの特性とうまく付き合い、パートナーとの関係性を築いている人もいます。
ただし頑張り過ぎは禁物です。パートナーに頼ったり感謝したりすることを意識して快適な結婚生活を送ってください。
自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
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