「うちの子は学校に行きたがらない。
もしかしてHSPが関係しているのかしら…」
この悩みを抱えている親御さんは、
決してあなただけではありません。
実は、HSP(Highly Sensitive Person:ひといちばい敏感な人)の
特性を持つお子さんの中には、
従来の学校環境に適応することが困難で、
不登校という選択をするケースが少なくないのです。
私は自己肯定感の研究・実践に
20年以上携わってきた
心理カウンセラーとして、
数多くのHSPのお子さんと
その家族と向き合ってきました。
この記事では、
HSPと不登校の関係性を正しく理解し、
繊細な子どもの心に寄り添いながら、
その可能性を最大限に引き出すための
具体的なサポート方法をお伝えします。
HSPと不登校の深い関係性
まず、なぜHSPのお子さんが
不登校になりやすいのか、
その根本的なメカニズムを
理解することから始めましょう。
HSPの特性が学校生活に与える影響
HSPは病気ではありません。
これは生まれ持った気質で、
約5人に1人がこの特性を持っています。
エレイン・アーロン博士の研究によると、
HSPには4つの主要な特性があります:
| DOES(ダス)の特性 ● Depth of processing(深く処理する) ● Overstimulation(過剰な刺激を受けやすい) ● Emotional reactivity(感情的に反応しやすい) ● Sensitive to subtleties(些細なことに敏感) |

これらの特性が、
現在の学校環境でどのような困難を生むのか、
具体的に見ていきましょう。
多くの繊細な子どもたちが
直面する課題は、
大人が想像する以上に深刻なものです。
| ⚡️教室環境での困難 • 蛍光灯の光や音が気になって集中できない • クラスメイトの感情を敏感に察知して疲れてしまう • 大きな声や突然の音にびっくりして動揺する • 匂いや温度の変化に過敏に反応する |
| 👬人間関係での負担 • 友達の何気ない一言を深く受け止めすぎる • グループ活動で自分の意見を言うのが苦手 • 他人の機嫌や雰囲気を常に気にしてしまう • いじめや仲間外れを過度に恐れる |
不登校に至る4つのプロセス

これらの特性を理解していただけたでしょうか。
では、実際にお子さんの身に何が起きているのか、
その心の変化を詳しく見ていきましょう。
多くの場合、
学校拒否は突然始まるものではありません。
実は、繊細な子どもの心の中では
段階的な変化が起きているのです。
HSPのお子さんが
不登校になるプロセスは、
多くの場合、以下のような段階を経ます:

| 第1段階:違和感の蓄積 学校生活の中で 「何となく疲れる」「居心地が悪い」という 感覚が日々蓄積されていきます。 この段階では、子ども自身も 何が原因なのかうまく説明できません。 |
| 第2段階:身体症状の出現 心の疲れが身体に現れ始めます。 頭痛、腹痛、吐き気、不眠などの症状が 朝の登校前に強く出ることが多いです。 |
| 第3段階:回避行動の開始 「学校に行きたくない」という 気持ちが明確になり、 実際に休むことが増えていきます。 |
| 第4段階:完全な不登校状態 学校に行くこと自体が困難になり、 継続的な欠席状態となります。 この段階では、 家庭学習への切り替えや、 お子さんのペースに合わせた 学習環境の検討が必要になることもあります。 |
親として知っておきたい対応の基本

「うちの子がまさにこの状態…」と
思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お子さんの状況を理解できたからこそ、
今度は「親としてどう寄り添えばよいのか」
という疑問が生まれることでしょう。
実は、HSPの特性を持つお子さんには、
一般的な不登校対応とは
少し異なるアプローチが効果的なのです。
まずは、多くの親御さんが陥りがちな
「実は逆効果」となってしまう対応から
確認していきましょう。
まず避けるべき対応
| ❌ 避けるべき対応 • 「甘えている」「怠けている」と決めつける • 無理に学校に行かせようとする • 他の子と比較する(「○○ちゃんは頑張って学校に行ってるのに」) • 繊細な子どもの感情を否定する(「そんなことで悩むなんて」) • 解決策を急かす(「いつまで休むつもり?」) |
推奨される対応の基本姿勢
「これまでの対応を
見直す必要があるかもしれない…」
そう感じられた方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも大丈夫です。
今からでも遅くありません。
むしろ、
HSPのお子さんの心に
真に響く対応方法を知ることで、
親子関係はより深いものになっていくはずです。
これからお伝えするアプローチは、
お子さんの繊細な特性を活かしながら、
自己肯定感を育む土台となるものです。
| ✅ 心がけたい対応 1. 受容的な態度を保つ お子さんの感情や体験を「そうだったんだね」「大変だったね」と、まずは受け入れてあげてください。評価や判断を一旦脇に置き、お子さんの気持ちに寄り添うことが何より大切です。 2. 安心できる環境を整える 家庭を「心のエネルギーを回復できる場所」にしてください。静かで落ち着いた空間、規則正しい生活リズム、美味しい食事など、基本的な生活環境を丁寧に整えましょう。 3. お子さんのペースを尊重する 回復には時間がかかります。「今日は少し元気になったかな」と思っても、翌日にはまた落ち込むこともあります。一進一退を繰り返しながら少しずつ前進していくものだと理解しましょう。 |
具体的なサポートプログラム

基本的な心構えは整いました。
でも、「実際に何をすればいいの?」
という疑問を抱かれているのではないでしょうか。
ここからは、私が
長年の実践を通じて効果を確認してきた、
より具体的なサポート方法を
ご紹介していきます。
どれも家庭で無理なく
始められるものばかりです。
お子さんの状況や年齢に合わせて、
“これならできそう”と
思えるものから取り入れてみてください。
1. 感情を言語化するサポート
HSPのお子さんは
感情を強く感じる一方で、
それを適切に
表現することが苦手な場合があります。
感情日記や感情の温度計をつけて
感情を表現してみましょう。
| 感情日記の活用 毎日寝る前に、その日の感情を 3つの段階で記録してみましょう: 🌟1. 今日いちばんうれしかったこと例)学校から帰ったときに、ママが「おかえり〜、今日もがんばったね」って笑ってくれたこと。 心があったかくなった。😥2. 今日ちょっとこまったこと例)おともだちが大きな声で話していて、びっくりしてこわくなった。 ちょっとだけ教室を出たら、落ち着いた。🌈3. あしたたのしみにしていること例)おじいちゃんのおうちに行く予定。ねこのミケちゃんに会えるのが楽しみ! 静かなおうちで本を読めるのも好き。 |
| 感情の温度計 感情を0度から100度の温度で 表現してもらいます。 🌧️【不安なときの例】🔹「あした、はじめての遠足…ちょっとこわい。知らない場所だから、不安は80度くらいかな。」 → → 大人のサポート例:「80度くらいなんだね。何がいちばん心配か、一緒に考えてみようか」🌤️【うれしいときの例】🔸「ママが今日、ぎゅってしてくれてうれしかった!そのときの気持ちは70度くらいだったよ。」 → → 大人のコメント例:「70度ってすごくあったかいね。どんな気持ちだったかもう少し聞かせてくれる?」 感情を客観視する練習になります。 |
2. 自己肯定感を育むアプローチ
お子さんが
自分の気持ちを
上手に表現できるようになってきたら、
いよいよ次のステップです。
今度は「自分っていいところもあるんだ」
と思えるような体験を積み重ねていきましょう。
不登校の状態にあるお子さんは、
どうしても「自分はダメな子」
という気持ちを抱えがちです。
でも、
HSPの特性は決して
欠点ではありません。
むしろ、素晴らしい個性なのです。
| ① 小さな成功体験の積み重ね 学校に行けないことで 自信を失いがちなお子さんに、 家庭でできる小さな 成功体験を提供しましょう。 家庭学習の一環として、 お子さんの興味のある分野から 始めるのも効果的です: • 好きな料理を一緒に作る • 植物を育てる • 絵を描く、音楽を聴く • 読書やパズルなど、集中できる活動 • 興味のある分野の家庭学習に取り組む |
| ② 強みを見つけて言語化する(リフレーミング)HSPの特性を「短所」ではなく「個性」「強み」として捉え直し繊細な子どもの特性を肯定的に表現してあげましょう: 🔸リフレーミング前 (よくある否定的な捉え方)🔹リフレーミング後 (肯定的な言い換え)すぐに人の顔色をうかがう→「人の気持ちがよくわかるね」ちょっとした音や光でも気にする→「美しいものに敏感で素晴らしいね」ひとつのことをずっと気にしてしまう→「深く考える力があるね」傷つきやすい→「優しい心を持っているね」 |
3. 段階的な社会復帰プログラム
家庭での心の土台が
しっかりと築かれてきたお子さんを見て、
親御さんの心にも
希望が芽生えてきたのではないでしょうか。
「そろそろ外の世界との関わりも…」
そんな気持ちが生まれるのは
自然なことです。
ただし、ここからは
特に慎重に進める必要があります。
焦りは禁物。
お子さんの内なる力を信じて、
一歩ずつ確実に歩んでいきましょう。

| ステップ1:家庭での安定 まずは家庭で心の安定を 取り戻すことを最優先にします。 無理に外出させる必要はありません。 |
| ステップ2:近所での小さな外出 コンビニに一緒に行く、 散歩をするなど、 短時間の外出から始めます。 |
| ステップ3:興味のある活動への参加 図書館、美術館、習い事など、 学校以外の社会的な場所で 小さな成功体験を積みます。 |
| ステップ4:学校以外の学習機会 フリースクール、適応指導教室、 家庭教師など、お子さんに合った 学習環境を探します。 学校拒否の状態でも、 家庭学習や代替的な 学習環境で十分に学力をつけることは可能です。 |
| ステップ5:学校との段階的な関わり 保健室登校、短時間の授業参加など、 お子さんのペースに合わせて 徐々に学校との関わりを増やしていきます。 この段階では、学校側との 十分な連携が重要になります。 |
長期的な視点での子育てのアプローチ
家庭でできるサポート方法が
見えてきて、少し
心強く感じられたでしょうか。
では、ここからは
「長期的な視点」で
お子さんの未来を
一緒に考えてみましょう。
不登校の状態にあると、
どうしても目の前の
問題解決に焦点が当たりがちですが、
HSPの特性を持つお子さんには、
想像以上に豊かな
可能性が秘められています。
今の辛い経験が、
将来の大きな強みになる日が
必ず来るのです。
HSPの特性を活かした進路選択

学校拒否の経験があっても、
HSPの特性を活かせる道は
数多くあります。
繊細な子どもたちには、
従来の学校教育とは異なる
学習環境や進路が適している場合も多いのです:
| 向いている職業例 • カウンセラー、セラピスト • 芸術家、デザイナー • 作家、ライター • 研究者、学者 • 動物に関わる仕事 • 自然に関わる仕事 |
| 大切なのは「合う環境」を見つけること 従来の学校教育システムに合わなかったとしても、繊細な子どもに合った環境では大きく花開く可能性があります。家庭学習、フリースクール、通信制高校など、多様な選択肢があることを知っておきましょう。 |
親自身のセルフケア

お子さんの明るい未来への
希望が見えてきて、
少しホッとされたでしょうか。
しかし、ここで一つ
大切なお話があります。
それは
「お母さん、あなた自身のことも大切にしてくださいね」
ということです。
HSPのお子さんを支えることは、
想像以上に心身のエネルギーを消耗します。
飛行機の安全説明でも
「まず親が酸素マスクをつけてから子どもに」
と言われるように、
まずはあなた自身が元気でいることが、
何より大切なのです。
| ストレス管理の方法 • 信頼できる人に話を聞いてもらう • 親の会や支援グループに参加する • 趣味や好きなことをする時間を確保する • 十分な睡眠と栄養を取る |
| 罪悪感との向き合い方 「私の育て方が悪かったのかしら」という 罪悪感を持つ親御さんは多いですが、 HSPは生まれ持った気質です。 親の愛情をベースに、 お子さんの個性を活かす方向で 考えていきましょう。 |
お母さんあなた自身を大切にすることが
お子さんを大切にすることにつながります。
後回しになりがちな自分のことを
大切にしてあげてくださいね。
成功事例:HSPの特性を活かして輝いた子どもたち

「理論はわかったけれど、
本当にうちの子も大丈夫なのかしら…」
そんな不安を抱えていらっしゃる方のために、
実際の成功事例をご紹介させてください。
これらのお子さんたちも、
かつては学校に行けない日々を
過ごしていました。
でも今は、それぞれの
個性を活かして輝いています。
決して特別なケースではありません。
適切なサポートと愛情があれば、
あなたのお子さんにも同じような
未来が待っているはずです。
| 事例1:美術の才能を見つけたAちゃん(中学2年生) 小学校5年生から学校拒否の状態が続いていたAちゃん。人混みや騒音が苦手で、クラスメイトの感情に振り回されることが多く、次第に学校に行けなくなりました。 家庭では絵を描くことが好きだったため、親御さんが美術教室に通わせることに。少人数の落ち着いた環境で、Aちゃんの繊細な感性が評価され、自信を回復。現在は美術系の高校への進学を目指しながら、家庭学習と美術教室での学びを両立しています。 |
| 事例2:動物と関わることで成長したBくん(中学3年生) 中学1年生の途中から不登校になったBくん。友達の些細な言葉を深く受け止めすぎて傷つき、教室にいることが辛くなりました。繊細な子ども特有の、環境への過敏さが原因でした。 動物が好きだったため、近所の動物病院でボランティア活動を開始。動物との関わりを通じて自己肯定感を回復し、将来は獣医師を目指すことを決意。通信制高校に進学し、家庭学習を中心としながら夢に向かって歩んでいます。 |
まとめ:お子様の可能性を信じて✨

HSPの特性を持つお子さんの
不登校や学校拒否は、
決して「問題行動」ではありません。
それは、繊細で豊かな
感性を持つお子さんが、
自分に合わない環境で
無理をし続けた結果です。
| 大切なのは: 1. 繊細な子どもの特性を理解し、受け入れること 2. 安心できる環境を提供すること 3. お子さんのペースを尊重すること 4. 特性を活かせる道を一緒に探すこと 5. 家庭学習や代替的な学習環境も視野に入れること |
HSPの特性は、
適切な環境とサポートがあれば、
大きな強みとなります。
お子さまの繊細で美しい心を信じ、
その可能性を一緒に育んでいきましょう。
| 学校拒否は終わりではなく、 お子さまが自分らしく生きるための 新しい出発点なのです。 |
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| この記事があなたとお子さまの未来への 第一歩となることを心から願っています。 |
| ⚠️緊急性の高い状況(自傷行為、希死念慮、長期の身体症状等)がある場合は、お近くの教育相談機関や児童精神科にご相談ください。一人で抱え込まず、適切な支援を受けながら、お子さまの成長を見守っていきましょう。 |

自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。





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