「相手に尽くしすぎてしまう」「相手に依存しがち」
など、HSP(=Highly Sensitive Person)の人は、恋愛が思うようにいかないことも多いでしょう。
そこでこの記事では、HSPである人の恋愛がうまくいかない原因と対策を解説します。恋愛に悩んでいるHSPの男女の方はぜひ参考にしていただき、今後にいかしてください。
目次
HSPは恋愛でも「気を使いすぎる」
HSPには「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特性があります。HSPの人は、この特性が原因で恋愛関係がうまくいかないことが多くあります。
ここからは「DOES」をもとに、HSPである人の恋愛がうまくいかない理由を解説していきます。まずは原因を知り、対策を考えましょう。
◆4つの特性「DOES」
- Depth of processing(深く考え込む)
- Overstimulated(刺激に敏感で疲れやすい)
- Emotional reactivity and high Empathy(人の気持ちに反応しやすく、共感性が高い)
- Sensitivity to Subtleties(少しの刺激にも感受性が高い)
一人の時間が必要
HSPの人は、さまざまな角度からものごとを「深く考え込む」特性があります。そのため、どんなに仲のよい友達に対しても、「嫌な思いをさせていないか」「失礼なことをしていないか」といった不安を抱えながら接してしまいます。
つまり、人と接することにどうしても不安や緊張を感じてしまうのです。大切なのは、一人でゆっくりと過ごす時間をとること。不安や緊張から解放され、自分をリセットする時間をつくりましょう。
騒がしいイベントが苦手
HSPの人は「刺激に敏感で疲れやすい」という特性から、大きな音や強い光、人混みが苦手な傾向にあります。カラオケの大きな音や花火の音、ライブ会場の光、ターミナル駅の人混みなどがその例です。
それらが気になりパートナーとの時間に集中できないだけでなく、強いストレスや疲労を感じ、体力を消耗し体調を崩してしまうこともあります。
はじめは心配していたパートナーも、同じようなことが続き、その原因が理解できない場合、「同じ趣味を楽しめない」と不安に感じてしまうかもしれません。
相手の顔色を気にしすぎる
「人の気持ちに反応しやすく、共感性が高い」特性から、HSPの人はパートナーのふとした言動に敏感です。
その敏感さは、会った瞬間にその日のパートナーの機嫌を察知してしまうほど。パートナーがイライラしている場合、「自分が何かしてしまったのではないか」「どうしたら機嫌がよくなるか」などを気にしてしまい、頭の中がいっぱいになります。
すると、パートナーからは「常に人の顔色をうかがっている」「自分の軸がない」などと思われてしまうことがあります。
悪ノリ・冗談が苦痛
「少しの刺激にも感受性が高い」特性により、HSPの人はパートナーが悪ノリで言ったことや冗談を苦痛に感じることがあります。
悪ノリや冗談で言われたことを真に受けて、「本当にそうなのではないか」「そんなことを言われるのは、自分に原因があるのではないか」と考えてしまうかもしれません。
しかし、悪気なく軽い気持ちで言ったつもりのパートナーにとっては、「ノリが悪い」「冗談が通じない」と受け止められてしまう可能性があります。
HSPが自分らしい恋愛をするには
それでは、HSPの特性を持つ人はどうしたら恋愛がうまくいくのでしょうか?そのためには、相手に過剰に気を使うことなく、ありのままで恋愛をすることです。
ありのままでいるためには、「パートナー選び」と「自分の振る舞い方」という2つが重要になります。
では具体的に、「パートナー選び」「自分の振る舞い方」それぞれについて見ていきましょう。
話し合いのできる相手を選ぶ
HSPの人がパートナーを選ぶ条件として必要なことは、対等に話し合いができる相手かどうかです。相手の意見ばかりを聞くのではなく、自分の意見も押しつけないことです。
HSPの人は、自分の考えをその場で口にすることが苦手です。また、自己肯定感が低く常に相手を優先してしまう傾向があります。
そのため、パートナー選びを誤ると、デートDVあるいはモラルハラスメントの犠牲となってしまう恐れがあります。
「面と向かって中傷される」「家族や友達などほかの人との予定を優先すると不機嫌になる、罵声を浴びせられる」などという行為は、暴力同様に人権を無視した行為です。
そうした行為をしない、対等に冷静に話し合いができる穏やかなパートナーを選びましょう。
束縛しない相手を選ぶ
HSPの特性を持つ人にとって、一人の時間はリセットの時間です。その日受けた刺激をリセットし、自分を解放する時間となるため、とても大切です。
しかし、パートナーの束縛が強い場合、一人の時間がなかなかとれないこともあります。
また、パートナーとの予定を優先しないと無視されるなどの行為は、「デートDV」と呼ばれます。「デートDV」は、暴力と同じく人を傷つける行為です。
そのためお互いに依存しすぎず、一人の時間を尊重し合えるパートナー選びをしましょう。
「察してちゃん」はやめる
恋愛関係をうまくいかせるためには、パートナーにHSPという気質を理解してもらうことが大切です。「言わなくてもわかってほしい」という「察してちゃん」のスタンスがあるとしたら、すぐに手放しましょう。
しかしそのためにはまず、HSPの気質について、そして自分自身について理解し、うまく伝えられるようになる必要があります。
何が得意で苦手なのか、どういう場面でどうして欲しいのか、具体的に伝えることでパートナーも理解を示してくれるかもしれません。
ただしこのとき注意したいのが、「伝わる」ことと「理解し、行動が変わる」ことは違うということです。パートナーにHSPのことを伝えたからといって、すぐにパートナーの言動が変わるわけではありません。
また、パートナーに求めるだけでなく、自分から「非HSP」の考え方を理解する努力も必要です。お互いに歩み寄り、対等な関係を築きましょう。
尽くしすぎをやめる
HSPの人は細かなことによく気付くため、パートナーが何を求めているか言われなくても察します。ときにはパートナーが自分で気付いていないことにさえ、先回りをして行動に移しているかもしれません。
しかし時間を重ねるにつれ、尽くすことに疲れ、パートナーにも同じくらい尽くしてくれることを求めてしまい、関係がうまくいかなくなってしまいます。
前提として大人同士の付き合いなので、自分のことは自分でやることが大切です。今、目の前にある問題は自分が解決すべきことなのか、相手が解決すべきことなのか、線引きをしましょう。
すべてをあなたが解決してあげてしまうことは、パートナーのためにはなりません。
合わない人とはすぐに離れる
人間同士、必ずしも100%合うということはありません。それは恋愛関係に限らず、友人関係、親子であっても同じことが言えます。
しかしHSPの特性を持つ人は、人と考え方や価値観が合わないと感じても、自分の意見を抑えて相手を優先してしまいがちです。
そのため、HSPの人はデートDVやモラルハラスメントの被害にあいやすい傾向があります。そのような状況を避けるためにも、自分の考えや価値観と合わない人とはすぐに離れることをおすすめします。
意見が違うからといって、必ずしもあなたが間違っているわけではありません。自分の意見やこれまで培ってきた価値観を大切に、お互いを尊重し合えるパートナー探しをしましょう。
HSPの気質を隠さずありのままの恋愛をしよう
HSPの人が恋愛をうまくいかせるには、HSPの気質を隠して我慢するより、その気質を理解してくれるパートナーを探すことです。
理解してくれるパートナーと向き合うほうが幸福度は高く、恋愛関係を長続きさせられるでしょう。HSPの知識がなくても、あなたの個性を尊重してくれるパートナーはきっといます。
HSPの気質もあなたの個性として受け入れてくれるパートナーを探してみてはどうでしょうか。
自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
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