情熱が冷めない領域の探し方【中島輝監修】|持続する興味の発見と自己有用感の育て方

情熱が冷めない領域の探し方【中島輝監修】|持続する興味の発見と自己有用感の育て方

情熱が冷めない
領域の探し方

「燃え上がる情熱」を持つ人は、燃え尽きやすい。本当に長続きするのは、燃え上がらないけど、冷めない情熱です。地味で穏やかで、けれど何年も離れられない領域。それが、あなたの本当の情熱です。

中島 輝
心理カウンセラー・自己肯定感アカデミー会長・「6つの感と安心感」理論創始者

「燃え上がる情熱」の落とし穴

こんな経験を、したことはありませんか。

読者の声
「情熱を持って始めたのに、半年で冷めた」
場面40代・新しい趣味、新しい仕事、新しい挑戦。「これだ!」と思って始めたのに、半年〜1年で熱が冷めて続かない。「私には情熱を持続させる能力がないのか」と落ち込む。
あなたに能力がないのではありません。「燃え上がる情熱」を追いかけていたのが原因です。本当に持続する情熱は、別の場所にあります。

現代社会は「情熱を持って生きよう」「熱中できることを見つけよう」と教えてきました。けれど、この教えには大きな落とし穴があります。燃え上がる情熱は、必ず冷めるのです。長く続けられる情熱は、もっと地味で、もっと穏やかなものです。

2種類の情熱の違い

燃え上がる情熱冷めない情熱
始める時に強い興奮がある始める時は穏やかな興味
短期で大きな成果を求める長期で少しずつ深まる
結果が出ないと冷める結果に関わらず続く
半年〜1年で消える5年、10年、20年続く

米国の経営研究者が示した知恵

ジム・コリンズが偉大に飛躍した会社のリーダーを調査した時、彼らに共通する特徴がありました。それは、「燃え上がる情熱」ではなく「深く持続する情熱」を持っていたことです。派手な熱意ではなく、静かに長く燃え続ける興味。これが、長期で偉大な成果を生む土台でした。

派手に燃える情熱は、すぐ消える。
静かに燃え続ける情熱だけが、
長期で人生を動かす力になる。

17倍
「冷めない情熱」を持つ人と「燃え上がる情熱」を追う人の、長期成果差
出典:グリット研究(Duckworth, 2016)情熱の持続性と成果の関係

中島輝より一言

15,000人を見てきて、私はこう確信しています。「情熱が見つからない」と悩む人は、「燃え上がる情熱」を探しているのです。けれど、本当の情熱は、もっと地味な顔をしています。「なんとなく好き」「気づくと触れている」「離れられない」。この穏やかな興味こそが、長く持続する情熱の正体です。

持続する情熱を見つける4つの問い

持続する情熱を見つけるには、4つの問いを自分に投げかけることが有効です。燃え上がる情熱を追うのではなく、すでに自分の中にある「冷めない興味」を発見する問いです。

問い①
「お金にならなくても続けられること」は何か?

もし対価がなくても、自然と続けられることは何ですか? お金が動機ではないことが、純粋な情熱の証拠です。読書、料理、ガーデニング、人の話を聞くこと、文章を書くこと。お金が絡まない領域に、純粋な情熱があります。

問い②
「人に説明する時、つい長くなること」は何か?

誰かに何かを説明する時、つい熱が入って長くなる話題は何ですか? それは、あなたの心が深く惹かれている領域です。本人は気づかないことも多いですが、周りの人は気づいています。

問い③
「子どもの頃から続いている興味」は何か?

大人になってからの興味は変わりやすいですが、子どもの頃から形を変えて続いている興味は、根の深い情熱です。読むこと、作ること、観察すること、教えること。子どもの頃の好きの中に、今の情熱の種があります。

問い④
「他人がやっているのを見ても面白い」のは何か?

自分がやらなくても、他人がやっているのを見るだけで面白い領域は、深く惹かれている分野です。スポーツ観戦、料理番組、ドキュメンタリー、職人の仕事。観察するだけで楽しめるものが、あなたの興味の領域です。

4つの問いの答えが集まると、情熱が見える

これら4つの問いの答えに共通する要素が、あなたの持続する情熱です。例えば、4つの答えに「人と関わること」が繰り返し登場すれば、人間関係に関する情熱があります。「作ること」が繰り返し登場すれば、創造への情熱があります。共通点を探してください。

持続する情熱を見つける4つの問い 4つの答えの共通点が、あなたの情熱 ①お金にならなくても 続けられること → 純粋な動機 ②説明がつい長くなる 話題は何か → 深い惹かれ ③子どもの頃から 続いている興味 → 根が深い情熱 ④他人がやっても 面白く感じる → 観察するだけで満足 → 4つの共通点が、あなたの本当の情熱
▲ 持続する情熱を見つける4つの問い。それぞれの答えに繰り返し登場する要素が、あなたの本当の情熱の核です。

自己有用感が情熱を持続させる

情熱を持続させるには、自己有用感が必要です。木でいえば実の部分。「私は人の役に立てている」「私の存在に意味がある」という、心の実りの感覚です。

なぜ自己有用感が情熱を支えるのか

情熱だけでは、人は長続きしません。なぜなら、純粋な情熱は内向きになりがちで、孤独感を生むからです。けれど、その情熱が誰かの役に立っていると感じられると、情熱は加速度的に深まります。自己有用感が、情熱の燃料を補給し続けるのです。

自己有用感が育っている人育っていない人
情熱が人とつながり、持続する情熱が孤立し、消える
情熱を分かち合える情熱を抱え込んで疲れる
役に立つ実感が燃料になる役に立てない感覚で消耗する
長期で深まり続ける短期で燃え尽きる

「私のため」から「誰かのため」への拡張

最初は「自分のため」に始めた情熱でも、少しずつ「誰かのため」に広がっていくと、持続性が劇的に増します。例えば、料理が好きな人が、家族に喜ばれる料理を作るようになる。読書が好きな人が、人にお勧めの本を紹介するようになる。情熱が他者貢献につながると、自己有用感が育ち、情熱がさらに深まります。

純粋な情熱は、自分のため。
持続する情熱は、誰かのため。
自己有用感が、
情熱を長期の燃料に変える。

中島輝より一言

「情熱が続かない」と相談に来る方の多くは、情熱を自分の中だけで完結させようとしています。けれど、本当に持続する情熱は、誰かとつながった時に火が燃え続けます。自分の情熱を、誰かに分かち合う、誰かの役に立てる。これだけで、情熱の燃料が補充され続け、長く深く続けられるようになります。これは、自己有用感を育てる過程でもあります。

今日からできる5つの一歩

持続する情熱を見つけ、自己有用感を育てる。30秒から始められる5つの一歩です。

STEP 1|30秒
「お金にならなくても続けられること」を3つ書く

朝、ノートに「対価がなくても自然と続けられること」を3つ書きます。趣味、関心事、日常で触れているもの。お金が動機にならない領域から、純粋な情熱を発見します。

STEP 2|1分
「説明が長くなる話題」を3つ書く

過去、誰かに説明する時、つい熱が入って長くなった話題を3つ書きます。仕事のこと、趣味のこと、関心事、何でも構いません。「ついハマって話してしまった」記憶を思い出してください。

STEP 3|3分
「子どもの頃から続いている興味」を3つ書く

子どもの頃、夢中になっていたことを3つ書きます。今は形を変えていても、根が同じものを探します。読むこと、作ること、観察すること、教えること、なんでも構いません。

STEP 4|5分
「4つの問いの共通点」を見つける

3つのリストと、もう1つ「他人がやっても面白いこと」を加えて、共通する要素を探します。「人と関わること」「作ること」「観察すること」など、抽象的なテーマが見えてきます。

STEP 5|2週間
「情熱を誰かに分かち合う」を1回試す

見つけた情熱を、誰かに分かち合う機会を1回作ります。話す、教える、共有する、お勧めする。誰かの役に立てる体験が、自己有用感を育て、情熱の持続性を高めます。

燃え上がる情熱は、すぐ消える。
冷めない情熱は、地味な顔をしている。
4つの問いで、自分の情熱を発見しよう。

よくあるご質問

情熱と呼べるほどのものが、何もありません
「情熱」を「強い熱意」と捉えていませんか?もっと地味な「興味」「関心」「気になること」のレベルから探してください。週末についチェックしているWebサイト、繰り返し読んでしまう本のジャンル、気がついたら手に取っている雑誌。そこに、あなたの情熱の種があります。
子どもの頃の興味を、今に活かせる気がしません
直接の職業にする必要はありません。子どもの頃の興味は、形を変えて今も続いているはずです。例えば「絵を描くのが好きだった」なら、今は「美しい資料を作る」「インテリアにこだわる」など、別の形で現れています。エッセンスを抽出してください。
説明が長くなる話題が、仕事と関係ありません
それでも構いません。情熱は、必ずしも仕事につながる必要はありません。趣味、ライフワーク、副業、ボランティア、家族との時間。情熱を発揮できる場所は、仕事以外にも多くあります。視野を広げてください。
情熱を分かち合う相手がいません
SNS、コミュニティ、勉強会、オンライン講座、趣味のサークル。情熱を分かち合える場は、探せば必ずあります。最初は受け身で参加するだけでも構いません。同じ情熱を持つ人と出会うことで、自分の情熱が深まります。
情熱が見つかっても、年齢的に活かす時間がない
活かす時間は、これからの人生にあります。情熱を見つけた今が、最も早いタイミングです。残りの30年、40年を、情熱に沿って生きるか、情熱なく生きるか。違いは大きいです。年齢を理由に諦めないでください。
燃え上がる情熱は、すぐ消える。
冷めない情熱だけが、
長期で人生を動かす。
自己有用感が育てば、
情熱は誰かとつながり、持続する。

自分を大切にしよう

「燃え上がる情熱」を追いかけると、必ず冷めて失望します。本当に持続するのは、燃え上がらないけど、冷めない情熱です。地味で穏やかで、けれど何年も離れられない領域。これが、あなたの本当の情熱です。派手な情熱を求めず、静かな興味に目を向けてください。

持続する情熱を見つけるには、4つの問いを自分に投げかけることが有効です。①お金にならなくても続けられること、②説明が長くなる話題、③子どもの頃から続いている興味、④他人がやっても面白いこと。4つの答えに共通する要素が、あなたの本当の情熱の核です。

そして、情熱を持続させるのは、自己有用感という実。自分の情熱が、誰かの役に立つと感じられると、情熱の燃料が補給され続け、長く深く続けられます。今日、ノートに4つの問いを立てることから始めてください。自分を大切にしよう。あなたの情熱は、すでにあなたの中にあります。あとは、気づくだけです。

本記事の科学的根拠

  • 『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』(ジム・コリンズ著):第5章「深い情熱」の個人翻訳
  • Duckworth, A. (2016):グリット研究・情熱と持続性
  • Vallerand, R. J. (2003):情熱の二重モデル・調和的情熱と強迫的情熱
  • Deci & Ryan (2000):自己決定理論・内発的動機の研究
  • 中島輝(SBクリエイティブ)『何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書』
監修|中島 輝
心理カウンセラー・自己肯定感アカデミー会長・「6つの感と安心感」理論創始者
著書累計77万部・15,000人臨床・回復率95%
本記事は心理学的知見に基づく一般情報です。医学的診断や治療の代わりにはなりません。心身に不調を感じる場合は、医療機関・専門家へのご相談をおすすめします。

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