1. なぜ「方法」を変えても、うまくいかないのか

子育ての悩みを検索すると、「効果的な叱り方」「褒め方のコツ」 「自己肯定感を育てる声かけ集」など、さまざまな「方法」の情報が出てきます。

もちろん、それらが無意味なわけではありません。けれど、多くの方が経験するのは、こういうことです。

  • 良いと言われる声かけを試してみても、長続きしない
  • 一時的にはうまくいくが、しばらくするとまた元に戻る
  • 「他の家庭はもっとうまくやっているのでは」と比べてしまう

方法を一つ変えるたびに、少し良くなった気がして、でもまた振り出しに戻る。 この繰り返しに、疲れてしまう方は少なくありません。

2. 私自身も、方法論の中に答えを探していた

正直に言うと、私自身も長い間、「もっと良い伝え方があるはずだ」 「もっと効果的な方法があるはずだ」と、方法論の中に答えを探していました。

カウンセラーという立場であっても、答えは一つではなく、簡単には見つかりませんでした。

でも、ある時に気づいたんです。

問題は、方法ではなかった。
もっと根本的な、ある一つのことに気づいていなかっただけだったんです。

3. 問題は「方法」ではなく「順番」だった

15,000人以上の方とお話しする中で、私は一つの共通点に気づきました。 うまくいかなかったご家庭の多くは、「子どもへの接し方」を、一生懸命探していました。

でも、声かけの土台にあるのは、親自身が「自分をどう捉えているか」だということです。

親の中に、「私はちゃんとできていないんじゃないか」という気持ちが残ったままだと、 どんなに良い声かけの方法を知っても、それを続けることが難しくなります。

つまり、子どもを変えようとする前に、親である自分自身のあり方と向き合う必要があった、 ということなんです。この構造に気づいてから、私がカウンセリングの現場でお伝えする内容は、 大きく変わりました。

参考データ

東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が行った調査では、 保護者の約2人に1人が、わが子の将来の自立に不安を感じているという 結果が出ています。しかも、この不安は学年が上がるほど増えていく傾向があります。

「もっとちゃんと叱るべきだったのかな」「もっと褒めてあげればよかったのかな」—— そう感じたことのある方は、決して少なくないのです。

出典:東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」

4. 「自信 → 自立」という順番とは

私がたどり着いた結論は、シンプルです。

「自信 → 自立」という順番を、誰も教えてくれなかっただけ

多くの子育て情報は、「子どもへの声かけ」から入ります。けれど、声かけを続けられるかどうかを 決めているのは、親自身が自分にどれだけ「大丈夫」と思えているか、という土台です。

土台が整わないまま声かけの技術だけを積み重ねても、続かなかったり、 余裕がない日には元に戻ってしまったりします。

先に整えるべきは、子どもへの接し方ではなく、親自身が「今のままでいい」と 思える状態です。そこから、子どもは自分から動き出していきます。

5. 今日からできる、小さな一歩

方法論からではなく、順番から見直す。そう言われても、何から始めればいいのか 分かりにくいかもしれません。今日からできることを、2つだけ挙げます。

① 今日できたことを、1つだけ書き出してみる

「叱らずに済んだ場面があった」「子どもの話を最後まで聞けた」——結果ではなく、今日できたことに目を向けてみてください。

② 「また言い過ぎた」と思った日こそ、自分を責めない

これまで変われなかったのは、意志が弱いからでも、愛情が足りないからでもありません。「自信 → 自立」の順番を、誰も教えてくれなかっただけです。

6. まとめ

子育ての悩みは、方法を変え続けても解決しないことがあります。それは、 あなたの努力が足りないからではなく、向き合う順番が、少し違っていただけかもしれません。

この記事のポイント

  • 方法を変えても変わらないのは、土台が整っていないから
  • 声かけの土台は、親自身が自分をどう捉えているか
  • 「自信 → 自立」の順番で、初めて子どもは自分から動き出す

この考え方をもとに、私は一つのプログラムを作りました。子どもに直接何かを させるプログラムではなく、親であるあなた自身が、自分の関わり方を整えていくための プログラムです。

中島 輝
心理カウンセラー・自己肯定感の第一人者

心理学・脳科学・NLPなどの手法を用いた独自のコーチングメソッドを開発し、 これまでに1万5,000名以上のメンターを務めてきました。著書累計77万部(全49冊)。

※「心理カウンセラー」は民間の呼称であり、医師・臨床心理士等の国家資格を意味するものではありません。