おうち時間の増加から、ダイエットやスタイルを気にし始めたという人も少なくないのではないでしょうか。ダイエットの成否にも実は、自己肯定感が影響してきます。自己肯定感を作る“6つの感”の解説から、ダイエットとの関連を紐解きました。
極端なダイエットにのめり込んでしまうときは要注意
――自己肯定感が低下すると食べ過ぎてしまったり、逆に食が細くなってしまったりと、食生活にも影響が出てきます。自己肯定感とダイエットにはどういった関わりがあるのか?
ダイエットそのものは、自己肯定感の低下とはあまり関係がありません。自分が健康になるため、もっとキラキラした姿でいたいといった自尊感情を目的として始めることなので、それは素敵なことですよね。ただ、自己肯定感が高くなるほどダイエットの悩みが解消されやすくなるという側面はあると思います。
その一方で、ダイエットのなかで極端な食生活に走ってしまったり、痩せることが第一になってきたりすると、それは自己肯定感が低下しているサインだと言えます。自尊感情で始めたダイエットなのに、自己肯定感が低くなると目的と手段をはき違えてしまうんですね。「これしか食べない」などの手段を見つけて達成することに喜びを感じる。自己肯定感と摂食障害、食生活はとても関わりが深いものです。
――自尊感情というのは自己肯定感のひとつです。ここで改めて、自己肯定感を作っている要素をお伝えすると…
自己肯定感は“6つの感”で作られています。
大きな木に見立てると、まず根の部分は、その“自尊心”です。自分には価値があるんだと思う感覚や感情。自己肯定感が高い人は、どんな場所でも生きがいややりがいを見つけるんです。目的を見失わない。でも、低い人は「なんで生きているんだろう」とすぐに思ってしまいがちですね。
2つめは、“自己受容感”。ありのままの自分を認めること。プラスがあってもマイナスがあってもOKというものですね。自己受容感が低い=自己肯定感の低さに繋がるので、マイナスの自分しか観れなかったり、他人の嫌な面ばかりを見てしまったり。「こんな私も私だし、そんなあなたもあなただよね」という考えですね。
3つめは、“自己効力感”。「できる!」と思えること。出来ると思えば、何事にも何回でも挑戦できるんです。自己肯定感というのは赤ちゃんのときが一番高いのですが、振り返ると幼いころは何も恐れず、いろいろと挑戦していて、それの積み重ねでお箸が使えるようになり、走ることもできる。でも大人になった今、「やるだけ無駄」「無理」と思ってしまうときがある。「なんでやらなくちゃいけないのか教えてください」といったようなことを言いたくなるとき、あるいは言ってしまうときは、自己肯定感が低下しているサインだと思います。
4つめは、“自己信頼感”。自分を信じること。自分を信頼すれば可能性を見出すことができます。自分の可能性を信じられないと「無理」と制限をかけてしまう。自己不信は人づきあいにもNGが多くなってしまいがちです。最近は「毒親」などと言いますけど、親御さんとの関係で悩んでいらっしゃる方は、自己信頼感が低い傾向があります。
5つめは、“自己決定感”。内発的動機付け、自分で決めるということです。自分で決めたことは成功したら嬉しいし、失敗したら悔しい。ちゃんと感情が伴います。自己決定感が低い人は他人に決められたことをやるだけになってしまうので、”やらされてる感”が強く、成功に喜びもなければ、失敗に悲しみもない。
そして、最後は“自己有用感”です。私は人の役に立っている、私には有用性があるんだという気持ちですね。「手伝えることがあったら言ってね」というスタンスでいると、逆に自分が何か困ったときに周りが助けてくれるようになります。自分なんて役に立てることが無いと思ってしまうと、誰も頼んでくれないし、助けてもくれない。どんどんマイナスの感情が出てきてしまいます。
自己肯定感を高めればダイエットの悩みも解決しやすいし成功しやすい
――自己肯定感が高かったり、低かったりするのは、この“6つの感”がそれぞれ関係しあっている、複合的な要素があります。
これらが複合的になってくると自己肯定感がドッと下がってしまう。自己肯定感が低いと、0か100かという行動をとってしまいがちです。ですから、ダイエットでも急激に無理な負荷をかけてしまったり、大幅なカロリー制限をしてみたりと、極端な方向に走ってしまう人も少なくありません。
自己肯定感をしっかりとキープすることがダイエットの成功や悩みを解決することに繋がるのではないでしょうか。自分の自己肯定感がどういう状態なのかを確認するために、この“6つの感”をひとつずつ「今の自分はどうか」とチェックしていくのもいいと思います。
2021-06-16 ヨガジャーナルオンラインに掲載された記事を加筆修正したものです。
自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
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