日々生活していく中で、不安な気持ちや怒り、悲しみによって心をかき乱されることはありますよね。 私たちが人間である以上そのような感情を抱くのは当然なのです。
しかし、自分の気持ちをコントロールして平常心を保つことができれば、どんな状況でも冷静な判断を下し、目の前の物事にも集中して取り組むことができます。
では、具体的にどうすれば平常心を保つことができるのでしょうか。
というわけで今回は、自分の感情コントロールし、平常心を保つ方法を紹介します。
目次
なぜ平常心を保てない日があるのか
なぜ人間は調子が良く平常心を保てている日もあれば、調子が悪く平常心を保てていない日があるのでしょうか。
これは周りの環境に影響されているからだといえます。
例えば、夫婦間でケンカをしてしまったら怒りを感じたり、上手くやっていけるのかと不安になったりしますよね。
また、朝寝坊をして会社に遅刻してしまったら、怒られてしまうという不安の感情が沸いてくるはずです。
人間の平常心は、日々巻き起こる些細なトラブルがきっかけで、容易く崩れてしまうのです。
これはその人の性格がポジティブだとかネガティブだとかは関係ありません。
平常心を保つワザ|心の状況を客観視する
平常心が保てない時には、自分の心の状況を客観視し、何が原因で自分は落ち込んでいるのか、怒っているのか、それを明確にすることが重要です。
それだけであなたの心は楽になっていくでしょう。
そもそもどんな問題も、理由や原因がわからないままでは解決しようがありません。
そうでなくとも、人間は正体がわからない未知のものに対して、恐怖や不安を抱いてしまうものです。
そんなわけで、まずは理由や原因を明確にして、恐怖や不安を取り除いていきましょう。
自己認知で心を整える
ソクラテスの名言”汝自身を知れ”という言葉は非常に有名ですが、この言葉にあるように「なぜ今、私はこう感じているのだろうか」と自分を客観視して自覚することを心理学の世界では”自己認知”といいます。
自己認知ができる人は、どのような状況でも自分自身の心を整えることができ、これが心の強さに繋がるのです。
私たち人間の感情は、マイナスから突然プラスに転じることがありません。
マイナスからプラスに移り変わる際、必ずフラットな状態、つまり平常心を経てプラスに転じるのです。その逆もまた然りです。
ここで自己認知ができていれば、プラス感情のときでさえ「今は自己肯定感が高い状態だから、失敗してもすぐに切り替えられるんだ!」と客観的に分析することができます。
同様にマイナス感情の時でも「小さな失敗をいつまでも引きずっているのは、自己肯定感が低くなっているからだな」と客観視できていれば、消極的な自動思考から抜け出す事ができます。
自動思考とは、同じ思考を繰り返してしまうことで、言い換えると思考の”癖”のようなものです。
この癖から抜け出すことで、自分自身の心を整え、感情をコントロールすることができるのです。
これは先ほどのお伝えした平常心を保つための方法に繋がりますね。
自己肯定感は、一定に保たれているものではなく、絶えず上下しています。
そして、自分の自己肯定感が今どのような状態なのか認識することで、プラス感情であろうとマイナス感情であろうと、自力でフラットな状態に戻すことができるのです。
このフラットな状態が本来のあなたです。
つまり、「自己肯定感は揺れ動くものである」と知り、「今、自分の自己肯定感はどういう状態にあるのか」を意識することで、どんな環境下でも自分をフラットな、本来の自分に戻すことができます。
平常心を保つワザ|一喜一憂しないようにする
「一喜一憂しなさんな」
この言葉は、平常心をとり戻すための魔法の言葉なのです。
人間は、うれしいことがあれば喜び、悲しいことがあれば落ち込みます。
しかし喜んだり落ち込んだりと、感情の上下を繰り返すことで、心の消耗は激しくなって疲れ果ててしまいます。
その心の消耗を防ぐための魔法の言葉が「一喜一憂しなさんな」なのです。この言葉を意識するだけで、心をフラットな状態に近づけ、自己認知を行う余裕が生まれてきます。
脳科学から見る「一喜一憂」の弊害
人は誰かから認められたり褒められたとき、承認欲求が満たされて心地よさを感じます。
これは脳内でオキシトシンやドーパミンといった幸せホルモンが分泌されるためです。
このホルモンにより「喜び」「楽しみ」「やる気」といった感情が沸き起こってくるのです。
しかし、人から怒られたときや自分の意に沿わないことが起きると、ノルアドレナリンやコルチゾールなどの物質が分泌され、不安やストレスを感じてしまいます。
では「幸せホルモンが分泌され続けている状態が良いのか!」というと、決してそうではありません。
どちらの状態であっても、長期間そのままでいることで悪い影響が生じてくるのです。
承認欲求が満たされた状態が続くと、その欲求はどんどん膨れ上がり、少しでも否定されたりすると、過度に傷つき、何事に対しても反抗するようになります。
そして不安やストレスに悩まれる状態が続くと、自己否定が強くなって生きづらさを感じるようになってしまうのです。
何事も程ほどが肝心なのです。
このことを踏まえることで、より具体的に自分の心の状態を客観視することができます。
「今、幸せホルモンが分泌されて舞い上がってるな」
「コルチゾールが分泌されているせいでストレスが大きくなっているんだ」
というように考えてみましょう。
具体的な原因が把握できれば、自分の感情をそのまま感情として扱うことなく、一歩引いてより冷静に対応することができるようになります。
平常心を保つワザ|自己肯定感を高め平常心を取り戻す
平常心を失ってしまった場合、ほんのちょっとのテクニックで自己肯定感高め、平常心を取り戻すことができる瞬発型テクニックというものがあるので、ご紹介します。
誰もが今日から実践することができるほど簡単なので、是非試してみてくださいね。
①自信がなくなってきたと感じたり、少し不安になったら、自分で自分をはぐしながら「大丈夫」と声をかける。
②少し嫌なことがあったら、手を洗いながら「ツイてる」とつぶやく。
③頭の中が散らかって、考えがまとまらないときは、掃除しながら「できる!」とつぶやく。
瞬発型のテクニックは、毎日の生活の中に簡単に取り入れることができ、瞬間的にあなたの自己肯定感を高めてくれるのです。
「こんな状況に陥ったときでも、この方法で平常心を取り戻せる!」ということを知っているだけで、不安になったり自信がなくなったりしても、大丈夫だという安心感が脳裏に刻まれるのです。
絶えず上下し続けている自己肯定感に柔軟に対応し、平常心を保ちましょう。
瞬発型テクニックのポイント
この瞬発型テクニックの重要なポイントとなるのが、小さなステップを超えていくという感覚です。
ゴールは自己肯定感が高まり、平常心をいつでも保てる状態になっていること。
そしてこのゴールに到達するためには、大きなステップを超えていく必要があります。
しかし、大きなステップを超えることは簡単ではありませんよね。急に大ジャンプができるわけでもないですし。
そんなときは、大きなステップを小さなステップに細分化しましょう。
そして、小さなステップを超える度に、自分で自分を褒めてあげましょう。
「スモールステップの原理」とは
先ほど述べた、大きなステップを小さなステップに細分化することは、スモールステップの原理といわれています。
これはアメリカの心理学者であるバラス・スキナーによって提唱されました。
ゴール(=目標)を細分化して、簡単な内容から小刻みに達成していく。そうすることで、最終的に目標を達成するという方法です。
細分化することにより、確実に前に進むことができ、ゴールまでの達成率は徐々に上昇していきます。
そして、少し進むたびに自分を褒めることで、モチベーションを維持することができるのです。
この”褒める”という行動が非常に重要です。人間は褒められると、脳にある報酬系という回路が活性化し、モチベーションを高めてくれるのです。
平常心を保つことで自己肯定感が高まっていく
自分の心の状況を客観視することで、平常心を保つことができます。
そして、平常心が崩れそうになったときは、スモールステップの原理で自己肯定感を高め、平常心を取り戻すことができます。
そして平常心を保つことができれば、勝手に自己肯定感が高まっていくのです。
平常心を保ち、自己肯定感を高め、あなたが自分らしい人生を歩めることを願っています。
自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
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