「営業がつらいのは、HSPのせい?」
「HSPだけど、営業に挑戦してみたい」
そんなふうに、営業の仕事がつらい、あるいはHSPでも営業の仕事をがんばりたいと思っている方もいるかと思います。
しかし、何事にも繊細なHSPの人にとって営業という仕事はとても過酷。ストレスがたまりやすく、精神衛生上も向いているとはいえません。
ただ、HSPには営業に向いている一面もあります。特性をいかせば、営業で成績をあげることもできるでしょう。
この記事では、HSPが営業に向かない理由と、それでも営業をがんばってみたい方向けに、HSPが営業をする際のポイントをご紹介します。
自分が営業に向いているか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
HSPが営業に向いていない3つの理由
HSPは生まれつき繊細な気質をもつ人。そのため、競争の激しい環境や他人のマイナス感情に触れる状況は苦手です。
HSPが営業に向いていない理由は、大きく以下の3つがあげられます。
・ノルマをストレスに感じる
・自分も他人も怒られる状況が苦手
・販売相手のことを思いやりすぎる
それぞれご紹介します。
ノルマをストレスに感じる
基本的に、営業にはノルマがあるため、HSPでなくてもプレッシャーを感じやすい環境といえます。繊細なHSPであれば、よりストレスを感じてしまうといえるでしょう。
HSPの人は「期限」や「ノルマ」に大きなプレッシャーを感じます。理由としては、以下があげられます。
・期限やノルマを守らないと相手(会社)に悪いと思ってしまう
・達成できなかった場合を過度に想像しすぎ、不安を感じてしまう
HSPは想像力や感受性が豊かな特性がありますが、期限やノルマのようなプレッシャーの前ではこの特性がマイナスにはたらきます。
「相手に申し訳ない」「うまくできるか不安」といった考えは勝手にストレスを生み出し、自分自身をつぶしてしまうのです。
そのため、ノルマのある営業はHSPにとってかなりストレスを感じやすい職場といえます。
自分も他人も怒られる状況が苦手
営業ではノルマを達成するために、ときに厳しく社員を追い込みます。
「なんで1件もとれないんだ!」
「もう1件とれるまで戻ってくるな!」
HSPの人なら、そんな罵声を聞いただけで胸が苦しくなるのではないでしょうか?
しかも、それが自分以外の誰かに向けられたものであっても、共感力が高いHSPは自分が責められているように感じてつらくなってしまうのです。
もちろん、すべての営業の職場が殺伐としているわけではないかもしれませんが、もしも日常的にそのような状況が続いた場合には、最悪の場合精神を病んでしまうことにもなりかねません。
販売相手のことを思いやりすぎる
優しさはHSPの長所ですが、営業という仕事においては自分への足かせとなります。
例えば、自分がいいと思っていない商品を売らなければならなかった場合、HSPの人は「買う人に申し訳ない」と考えてしまいます。
すると、罪悪感から営業が苦しくなり、押し売りはできなくなります。
購入者側からすると信頼できる営業だと感じるのですが、売り上げを上げなければならない側からすると押し売りができない性格はデメリットとなります。
HSPは営業に向いている一面も
HSPの人は営業の仕事にストレスを感じやすいといえますが、半面、営業に向いている一面もあります。
・高い共感力で相手の心を掴むことができる
・相手の気持ちを深く考えニーズを把握できる
・固い信頼を得られるため長期の付き合いにつながる
これら3つの長所についてご紹介します。
高い共感力で相手の心を掴むことができる
HSPは共感力が高いため、相手の心を掴むのが得意です。
営業は「いかに相手の信頼を勝ち取るか」が大切。そして、信頼のもととなるのは、実は「共感力」です。
心理的に、人は自分を理解してくれた人、つまり共感を示してくれた人を信頼します。
例えば、「こんな商品いらないよ!」と言われたときに、「いやいや、でもこんないいところもありますよ!」と返されるよりも、「そうですよね……あまり興味ないですよね」と、一度共感を示したほうが相手の信頼感は上がります。
HSPの場合、心から相手の気持ちに共感できるため、そうした天性の共感力は相手の信頼を勝ち取る武器にもなるのです。
相手の気持ちを深く考えニーズを把握できる
HSPの人は想像力が豊かな一面をもちます。そのため、相手が何に困っているか、どんなことを望んでいるかといった相手のニーズを読み取る力が非常に高いです。
顧客側からすると「自分の要望をよくわかってくれている」と感じるため、これも信頼につながります。
販売商品が自分が心からすすめたいと感じられるものであれば、ニーズに応じたすすめ方ができ、顧客を満足させられます。
固い信頼を得られるため長期の付き合いにつながる
HSPの営業は顧客からの信頼を得やすいため、一回の営業が長期の取引きにつながる可能性が高くなります。
そのため、一度販売したら終わりといった営業ではなく、以後も付き合いが続く営業の現場では、信頼を勝ち取り活躍できる可能性も高まります。
HSPは営業にストレスを感じやすい面はありますが、営業自体まったく向いていないというわけではないのです。
HSPでも営業をがんばるためのポイント5つ
HSPでも営業をがんばりたいと思うのであれば、なるべく特性をいかせるように意識していきましょう。
営業で強みとなるHSPの特性は、大きく以下の2つ。
・共感力
・洞察力
ただし、ストレスを感じやすいHSPの人が営業の仕事をする際は、次の5つのポイントを押さえておいてください。
・長期的な付き合いができる営業を選ぶ
・なるべく対個人の営業を選ぶ
・ノルマにとらわれすぎない
・必要以上にがんばりすぎない
・ストレスはためずに解消する
それぞれご紹介します。
長期的な付き合いができる営業を選ぶ
顧客からの信頼を勝ち取りやすいHSPは、なるべく長く付き合いが続く営業に向きます。
「あの人になら頼みたい」
そんなふうに顧客から言ってもらえたら、とてもうれしいですよね。自分を信頼してくれている顧客が増えていけば、新たな営業にも意欲が湧いてくるはずです。
対企業でも個人でも、今後も付き合いが続くような営業職を選んでみてください。
なるべく対個人の営業を選ぶ
HSPの人は、他人の目が多い環境が苦手です。人の気持ちを想像しすぎてしまうため、少しでも批評される可能性がある環境はストレスになってしますのです。
対個人であれば、他人の目を気にすることなく一対一で相手の気持ちにだけ集中できます。
さらに、リアルでの対面よりもオンラインやメールでのやりとりのほうがストレスはありません。
営業職は対人だけではないため、自分が緊張しにくい環境を選ぶとよりストレスなく働けるでしょう。
ノルマにとらわれすぎない
感受性が強いHSPの人は、失敗への恐怖心が高い傾向があります。そのため、ノルマ不達成=失敗を過度に恐れてしまい、ストレスを感じてしまうのです。
ノルマは目安と捉え、できればゲーム感覚で「達成できたらレベルアップ!」と楽しみながらノルマを達成できるといいですね。自分のなかで、「1件とれたら好きなものを買う」などご褒美を考えておくのも楽しむコツです。
できれば、ノルマを達成できなくても怒鳴られないような職場が理想ですね。営業の場合
ノルマをまったく気にしないことは難しいですが、少しでも楽しめる工夫をしてみてください。
必要以上にがんばりすぎない
HSPの人は他人から嫌われたくないという思いから真面目な人が多く、イヤなことにも「ノー」といえない傾向があります。
そのため、ついついがんばりすぎてしまい、気づかないうちにストレスをためてしまいます。
「明日までに絶対1件とってこい!」
なんて言われたとしても、無理な時は無理。「がんばりが足りない」と自分を責めずに、よくがんばった自分を褒めてあげましょう。
ストレスはためずに解消する
繊細なHSPは仕事においてストレスをためがちです。イヤなことがあると、勝手に頭の中でイヤな出来事を何度も思い返してしまう人も多いはず。
営業の場合は特に、「仕事は仕事」とプライベートとの線引きをしっかりし、家庭にいるときまで仕事のことを考えすぎないようにしましょう。
ひとりの時間を大切にすることで、HSPは心のエネルギーを回復できます。
できれば自分なりのストレス解消法を見つけ、気持ちをリセットする習慣をつくれるといいですね。イヤな出来事は、いらない紙にひたすら書き出し、捨てて忘れてしまう方法がおすすめです。
営業職がつらいなら無理せず転職すべき
どんなにがんばっても、向いていない職場だとストレスに対処しきれなくなることがあります。営業をしていてつらいと感じたなら、無理せず転職を検討しましょう。
HSPは仕事を辞めるときにも「みんな(会社)に悪い」と他人の心配をしがちですが、一番優先すべきはいつでも自分自身ですよ。
HSPの人には、フリーランスのライターやプログラマー、動画編集者など、在宅でマイペースにできる仕事がおすすめです。営業の経験をいかしてオンラインでコンサルタントを始める道もあります。
環境を変えると一気に気持ちが楽になるはず。「つらいときは逃げてOK」と考え、自分自身の特性に合った環境を見つけていきましょう。
自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
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