あなたがHSP(=Highly Sensitive Person(ハイリー センシティブ パーソン))である場合、周囲の人から「考えすぎだ」「細かすぎる」と言われることはありませんか?
その言葉に傷ついたり、「どうしてわかってもらえないんだろう」と悩んだりすることはないでしょうか?
自分では当たり前に感じていることを理解・共感してもらえないことは、とても苦しいですよね。そのため、周囲の人に「HSPであることをわかってほしい」と思う気持ちもあると思います。
そんな風に人間関係においてストレスを抱えてしまいがちなHSPの人に、注意してほしい点が1つあります。記事の中で詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
人間関係に悩むHSPは多い
HSPの人は、人との関係において相手の言葉やしぐさから、その人の気分や感情の動きが気になってしまうほど敏感です。そのため、相手が何気なく発した言葉が気になったり、ふとした言動に傷ついたりして、人間関係でストレスを抱えやすい傾向があります。
環境の変化などによる、人間関係のストレスに1人で悩み、誰にも相談ができず背負ってしまい、うつ病や適応障害を発症するHSPの人もいます。
HSPは生まれつき持っている気質なので、「以前の自分」から変化することはありません。変化したということは、病気による症状を抱えている可能性があります。
例えば、以前は気にならなかったことに対して物事の感じ方が変わり、以前より落ち込みやすいとう人は、うつ病の可能性があるので注意が必要です。
日常生活を送っている中で辛さを強く感じるときは、日記をつけたり、カウンセリングを受けたりすることで、自分の考えや気持ちを整理してみましょう。また、心身の不調があまりに強ければ、病院を受診することも検討してみてください。
うつ病や適応障害となった場合、治療が必要です。病院に行くことに、勇気が必要と感じる人も少なくないでしょう。しかし、治療を受けることで、今感じている辛さを軽減できるかもしれません。
HSPが抱える人付き合いの悩み
ここでは、HSPの特性ゆえに起こりがちな人間関係の悩みについて、その一部を紹介します。
- 人見知りしてしまうため、初対面の人がいる飲み会や会合が苦手
- 頼まれごとや誘いを断ると、「嫌われるのではないか」と心配で断れない
- 大きな物音を立てる、声が大きい、清潔感がないなどガサツな人が苦手
- 相手を嫌な気持ちにしてしまわないかが気になり、頼みごとができない
- どんなに気心が知れている友達と過ごしても、気遣いをしすぎて疲れる
- 意見を求められると、相手にとっての正解を言おうと思ってしまい、何も言えなくなる
- 人の顔色が気になり、自分の気持ちを抑えて相手の気持ちを優先してしまう
- 人の言動に敏感なため、お世辞や社交辞令を見抜いてしまう
- 周囲の人の感情に同調してしまい、その変化が強い刺激となり疲弊する
- 強い言葉や批判が苦手で、眠れないほど気になってしまう
このように、HSPの人は苦手な人やものからうまく距離をおけず、自分の本音を抑えてしまいがちです。そのため、ストレスを抱えやすく、苦しくなってしまう傾向があります。
HSPは「人嫌い」と誤解されやすい
人間関係において、HSPの人は上記にて紹介した10個のほかにも多く悩みを抱えています。
そのため、その悩みから自分を守るために、人との関係性に一定の距離を保とうとします。それにより周囲の人から「壁を作っている」と思われ、「人嫌い」と誤解されることがあります。
しかしHSPの人は、本当は人が嫌いなのではなく、「自分のことを話しても理解・共感されない」と思い、本音を抑えてしまっているのではないでしょうか。
HSPの人は、広範囲にアンテナを張り巡らし、多角的な視点から物事を深く考える傾向があります。そのため、日ごろから詳細かつ膨大な情報量を、「感覚」として持ち合わせているのです。
その感覚により、人と話しても「考える深さが違う」「感覚が違う」と感じることが多くあります。その違いに悩み、苦しんだ結果、本音を言えなくなってしまう傾向があります。
また、HSPの人は同じ感覚を持つ人との共感を求めるため、身近な人と大人数で軽い雑談をすることよりも、少人数で深い話をすることを好みます。
HSPが嫌われるのはこんなとき
HSPの人はときに、周囲の人から「壁を作っている」と勘違いされたり、「高い要求をしてくる」と思われたりしてしまい、軋轢が生じることがあります。
その原因として考えられることを一部、紹介します。
- HSPについての知識がない人に、「HSPとは~」と細かく説明しすぎて引かれてしまう
- 「私は繊細だから無理なんです」と主張しすぎて、嫌われてしまう
- 繊細で傷つきやすいため、「取り扱いが難しい人」と思われて避けられてしまう
- 理解してほしい気持ちから、周囲の人にとって高い要求をして、特別扱いを求めていると思われてしまう
- 繊細でない周囲の人を、鈍感な人だと見下しているように勘違いされてしまう
- 「この人もHSPかもしれない」と思う人に出会うと、「自分をわかってくれるかもしれない」と過剰な期待を抱き、依存的になってしまう
こうしたことが原因となって、周囲の人との軋轢を生まないようにするために、HSPの人には注意すべきことがあります。それは、たった1つのことです。
HSPが注意すべきはたった1つ!
HSPの人が周囲の人との間に軋轢が生じることがないように、そして人間関係において「理解してもらえない」とストレスを抱えすぎないため注意すべきことは、「非HSPの人を理解すること」です。
自分自身が「HSPを理解してほしい」と思うことと同じように、非HSPの人が持っている感覚を理解しようと努力し、違いを認めることが大切です。
人を変えるより、自分を変えることの方がすぐに結果を出せるものです。人に求める前に、まず自分の行動や考えを変える努力をしてみる、それが大切なのです。そして、自分が変わることで、相手の反応や行動が変わるかもしれません。
HSPの人は共感力が他の人より高く敏感ですが、非HSPである多くの人は「そこまで敏感でない」ということを認識しましょう。どちらが優れているということではなく、周囲の人全員が自分と同じ感覚ではないと認識することが重要です。
「自分も相手も、何を考え、何を感じるかは自由である」と意識して接することで、お互いに相手との隔たりを感じることが少なくなるでしょう。
また、周囲の人が自分と同じくらいの共感力を持ち、言わなくても「察して」くれると思っていると、それがかなわずに傷ついたりストレスを抱えたりすることになります。
そこで、周囲の人が「察して」くれることを求めるのではなく、自分の意見や要望を「具体的に」伝える努力が必要です。
このとき大切なことは、相手に「理解」を求めるのではなく、あくまで「情報」として伝えることです。つまりここでも、その情報によって相手がどう思うか、何をするかは相手の自由であることを知っておきましょう。
また、HSPの恋愛や結婚生活の悩みについては、こちらの記事をご覧ください。
恋愛に失敗するのはHSPのせい?ありのままの自分を出すには
HSPの結婚生活はストレスフル?モラハラのチェックリストも
自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
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