「どうせ自分なんて」という口ぐせが、あなたを縛る|アドラー×潜在意識

「どうせ自分なんて」の口ぐせが縛る|アドラー
ハイパフォーマーシリーズ 第14弾|中島輝監修

「どうせ自分なんて」という口ぐせが、
あなたを縛る
アドラー×潜在意識

なぜ、何気ない口ぐせが、あなたを縛るのか——。自己肯定感アカデミー会長・中島輝が、口ぐせと潜在意識の関係を、アドラーのライフスタイルで解き明かします。三流は無自覚にネガティブな口ぐせ、二流は無理にポジティブ宣言、一流は口ぐせを意識的に選ぶ。毎日繰り返す言葉が、信念を作る。良い種をまく技術を、お届けします。

中島
中島 輝(なかしま てる)
心理カウンセラー・自己肯定感学会代表/自己肯定感アカデミー会長|15,000人カウンセリング実績・回復率95%・1,800人データ・著書累計76万部|東洋経済オンライン・プレジデントオンライン・ダイヤモンド・オンライン 掲載実績多数

なぜ、何気ない口ぐせが、あなたを縛るのか

「どうせ自分なんて」「でも」「自分には無理」——。無意識のうちに口にしている、こうした言葉。たいして気にも留めていないかもしれません。でも、その何気ない口ぐせが、知らないうちに、あなた自身を縛り、可能性を狭めているとしたら、どうでしょうか。

毎日繰り返す言葉は——潜在意識に刻まれ、信念を作り、その信念が行動を決めます。「どうせ自分なんて」と繰り返せば、「自分はダメな人間だ」という信念が強化され、それが挑戦を避ける行動につながる。これが、アドラー心理学の「ライフスタイル」——その人特有の思考・行動のパターン——の考え方です。

V群「仕組み・人間観・統合」の2本目です。前回(第13弾)は「目標を見える化する」という外側の仕組みをお伝えしました。今回は、内側の仕組み——「言葉」が、どう自分を形づくるかを、解き明かします。第87弾「口ぐせと潜在意識」とも、深くつながる内容です。

⚠️ 今、いくつ当てはまりますか?

  • つい「どうせ」「でも」と言ってしまう
  • 「自分なんて」が口ぐせになっている
  • 無意識のネガティブな言葉が多い気がする
  • ポジティブ宣言を試したが、しっくりこない
  • 言葉のクセを、変えたいけど変えられない
  • 前向きな言葉を使える人を、うらやましく思う
  • 本当は、自分を縛る言葉から、自由になりたい
💡 3つ以上当てはまった方へ:この記事は、あなたのために書かれています。一流がやっている「口ぐせを意識的に選ぶ」技術と、言葉が信念を作る仕組みが、見えてきます。

結論を、先にお伝えします。三流は、ネガティブな口ぐせを無自覚に使う(「どうせ」「自分なんて」=心に毒を一滴ずつ垂らす)。二流は、無理にポジティブ宣言をする(「自分は最高だ」=枯れた土に造花を挿す)。そして一流は、口ぐせを意識的に選ぶ(「少しずつやってみよう」=土に良い種をまく)

大切なのは、言葉は、ただの音でなく、自分を形づくる力を持つということ。毎日繰り返す口ぐせは、ボディブローのように、じわじわと信念に効いてきます。でも、これは希望でもあります。口ぐせを意識的に選べば、信念も、行動も、少しずつ変えていけるから。この記事では、その技術を、5つの視点で読み解きます。なお、無理にポジティブにする必要はなく、口ぐせを変えれば全て解決するわけでもなく、ネガティブな感情を抑圧する必要もありません。後ほど、丁寧にお伝えします。

こんにちは。自己肯定感の第一人者、中島輝です。これまで15,000人以上と向き合う中で、無意識の口ぐせに、自分自身を縛られている方に、本当にたくさん出会ってきました。

忖度なく、事実を直視します。毎日繰り返す言葉が、あなたの信念を作ります。「どうせ自分なんて」は、心に毒を垂らすようなもの。でも、言葉は選び直せる。無理なポジティブでなく、現実的で前向きな言葉を。アドラーのライフスタイルです。一緒に、見ていきましょう。

土|FREE 安心感 実|YOU 自己有用感 花|GO 自己決定感 葉|DO 自己信頼感 枝|CAN 自己効力感 幹|OK 自己受容感 根|BE 自尊心≒自己存在感 中島輝式 自己肯定感の木 木全体|YES 自己肯定感

図①|中島輝が15,000人臨床から体系化した「自己肯定感の木」モデル(中島輝 作成)。口ぐせは、木を育てる土壌(FREE 安心感)と根(BE 自尊心≒自己存在感)に効きます。良い言葉は良い土と根を、毒のような言葉は土と根を、じわじわと変えていきます。

📖 中島輝「自己肯定感の6つの感+FREE」
BE 自尊心≒自己存在感|自分には価値がある(本記事のテーマ・文部科学省「生徒指導提要2022年」正式採用)
OK 自己受容感|今の自分でいい
CAN 自己効力感|自分にはできる
DO 自己信頼感|自分を信じられる
GO 自己決定感|自分で決められる
YOU 自己有用感|誰かの役に立てる(文部科学省「生徒指導提要2022年」正式採用)
FREE 土壌の安心感|この世界は安全(イギリスの心理学者ボウルビィの「安全基地」)+木全体=YES 自己肯定感(本記事のテーマ)

三流・二流・一流の「口ぐせ」の違い

5つの視点に入る前に、この記事の核心——三流・二流・一流の「口ぐせ」の違いを、はっきりさせます。日々口にする言葉が、3者ではまったく違います。

日々、どんな言葉を口にするか 三流 ネガティブな口ぐせを無自覚に 「どうせ自分なんて」(心に毒を垂らす) 二流 無理にポジティブ宣言をする 「自分は最高だ」(枯れた土に造花) 一流 口ぐせを意識的に選ぶ 「少しずつやってみよう」(良い種をまく) 差は、言葉を意識的に選べるか

図②|日々、どんな言葉を口にするか(中島輝 作成)。三流は無自覚にネガティブな口ぐせで心に毒を垂らし、二流は無理なポジティブ宣言で枯れた土に造花を挿し、一流は意識的に言葉を選んで良い種をまきます。違いは、言葉を意識的に選べるかです。

三流は「ネガティブな口ぐせを、無自覚に使う」

三流の人は、ネガティブな口ぐせを、無自覚に、繰り返し使っています。「どうせ自分なんて」「でも」「無理」「自分には向いてない」。本人は、たいして気にも留めていません。でも、その言葉は、確実に心に効いています。

これは、毎日、心に毒を一滴ずつ垂らすようなもの。一滴では何も起きないように見えても、毎日積み重なると、心の土壌(FREE 土壌の安心感)と根(BE 自尊心≒自己存在感)が、じわじわと蝕まれていく。「どうせ自分なんて」と繰り返すうちに、「自分はダメな人間だ」という信念が、潜在意識に深く刻まれる。そして、その信念が、挑戦を避け、自分を小さく見せる行動を、生み出していく。無自覚だからこそ、たちが悪い。気づかぬうちに、言葉が、自分を縛っているのです。

二流は「無理にポジティブ宣言をする」

二流の人は、ネガティブな口ぐせの害に、気づいています。だから、逆に「ポジティブな言葉を使おう」とする。三流より、ずっと前向きに見える。でも、その方法が「無理なポジティブ宣言」になってしまうのです。「自分は最高だ」「絶対できる」「何でもうまくいく」。

これには、落とし穴があります。現実とかけ離れた、根拠のない過剰なポジティブは、枯れた土に、造花を挿すようなもの。見た目は華やかですが、土(実感)に根づいていないので、すぐに虚しくなる。「本当はそう思えないのに」と、言葉と本心のギャップに、かえって苦しくなることも。さらに、「ポジティブでいなきゃ」というプレッシャーが、自然なネガティブ感情を抑圧し、心を疲れさせる。無理なポジティブは、一見良さそうで、実は根づかないのです。

一流は「口ぐせを意識的に選ぶ」

そして、一流の人は、はっきり違います。口ぐせを「意識的に選ぶ」——無自覚なネガティブでも、無理なポジティブでもなく、現実的で前向きな言葉を、意識して選びます

これを、庭づくりにたとえてみましょう。三流は、土に毒を垂らす。植物は弱っていく。二流は、枯れた土に造花を挿す。根づかず、すぐ虚しくなる。一流は、土に、良い種をまき、水をやる。最初は小さくても、やがて根を張り、自分の力で育っていく。

一流が選ぶのは、根拠のない過剰なポジティブでなく、小さな事実に基づいた、現実的な言葉です。「自分は最高だ」でなく、「少しずつやってみよう」「ここまではできた」「前より少し進んだ」。背伸びしすぎず、でも前を向ける言葉。これなら、心の土壌に根づき、無理なく信念を育てていける。

その土台にあるのが、アドラーの「ライフスタイル」——繰り返す言葉や思考が、信念を作り、行動を決める——という考え方です。毎日の口ぐせを、意識的に選ぶことで、ライフスタイル(信念)そのものを、少しずつ変えていける。次の章から、その技術を、5つの視点で見ていきましょう。

シリーズ第2弾・第8弾もあわせて

「燃え尽き、たった1つの差」(第2弾)、「自分で自分を認める」(第8弾)も、あわせてご覧ください。自分への言葉のかけ方が、心の土台を作ります。

第8弾 自分で自分を認められる人が最強 →

口ぐせを意識的に選ぶ技術【視点1〜3】

ここからは、中島輝が読み解く、一流の「口ぐせを意識的に選ぶ」技術を支える5つの視点です。まずは前半の1〜3、「一流の選び方・無自覚と無理なポジティブの罠・アドラーのライフスタイル」を見ていきましょう。

口ぐせを意識的に選ぶ技術|5つの視点 1 一流は口ぐせを意識的に選ぶ 無自覚でも無理なポジティブでもなく 2 無自覚/無理なポジティブがなぜダメか 心に毒・枯れた土に造花 3 アドラーのライフスタイル 言葉が信念を作る・潜在意識 4 口ぐせを変える技術 気づく・置き換える・事実に基づく 5 口ぐせを1つ置き換える 今日から始める習慣 5つの視点で、言葉から信念を変える

図③|口ぐせを意識的に選ぶ技術を支える5つの視点(中島輝 作成)。一流の選び方を知り、無自覚と無理なポジティブの罠を理解し、ライフスタイルを学び、変える技術を身につけ、口ぐせを置き換える習慣で、言葉から信念を変えます。

視点1|一流は「口ぐせを意識的に選ぶ」

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無自覚でも、無理なポジティブでもなく

最初の視点は、すべての出発点です。第2章でお伝えしたように、一流は「口ぐせを意識的に選ぶ」。無自覚にネガティブを使う(三流)でも、無理にポジティブを宣言する(二流)でもない、第三の道です。

ポイントは、「意識的に」「現実的に」の二つです。

「意識的に」とは、口ぐせを、無意識に任せず、自分で選ぶこと。私たちの口ぐせの多くは、無自覚です。だから、まず「自分が今、どんな言葉を使っているか」に意識を向ける。その上で、自分を縛る言葉でなく、自分を育てる言葉を、意識して選ぶ。

「現実的に」とは、根拠のない過剰なポジティブでなく、小さな事実に基づいた言葉を選ぶこと。「自分は最高だ」のような背伸びした言葉でなく、「少しずつやってみよう」「ここまではできた」という、地に足のついた言葉。これなら、心に無理なく根づきます。

具体的には、こうです。「どうせ自分なんて無理」(無自覚なネガティブ)でも、「自分は絶対できる、最高だ」(無理なポジティブ)でもなく、「完璧じゃなくていい。まず、できるところから、やってみよう」(意識的で現実的)。

言葉は、自分にかける、毎日の小さな魔法です。でも、その魔法を、無自覚に任せるか、意識的に選ぶかで、効き方がまったく変わる。一流は、その魔法を、意識的に、現実的に使うのです。次の視点で、なぜ無自覚や無理なポジティブではダメなのかを、見ていきましょう。

視点2|無自覚なネガティブ・無理なポジティブが、なぜダメなのか

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心に毒を垂らす、枯れた土に造花を挿す

2つ目の視点は、両極端——無自覚なネガティブと、無理なポジティブが、なぜダメなのか、です。

まず、無自覚なネガティブ(心に毒を垂らす)。「どうせ」「自分なんて」を無自覚に繰り返すのは、毎日、心に毒を一滴ずつ垂らすようなもの。一滴では何も起きないように見えても、積み重なると、心の土壌と根が、じわじわ蝕まれる。そして、潜在意識に「自分はダメだ」という信念が刻まれ、それが行動を縛る。無自覚だからこそ、止められず、毒は溜まり続けるのです。

次に、無理なポジティブ(枯れた土に造花を挿す)。現実とかけ離れた過剰なポジティブは、枯れた土に、造花を挿すようなもの。見た目は華やかでも、土(実感)に根づいていないから、すぐ虚しくなる。「本当はそう思えないのに」と、言葉と本心のギャップに苦しむ。さらに、ネガティブな感情を「ダメなもの」として抑圧するので、心が疲れる。

共通する問題は何か。無自覚なネガティブは「毒で土を汚す」、無理なポジティブは「根づかない造花を挿す」。どちらも、心の土壌を、健やかに育てていない。一流は、その中間——土に、現実的で良い種をまき、地道に育てる。次の視点で、その土台となる考え方を、見ていきましょう。

視点3|アドラー「ライフスタイル」|言葉が信念を作る

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繰り返す言葉が、潜在意識に刻まれ、信念になる

3つ目の視点は、この記事の理論的な核心、アドラーの「ライフスタイル」です。口ぐせが自分を作る、その仕組みです。

アドラー心理学の「ライフスタイル」とは、その人特有の、思考・感情・行動のパターン(信念体系)のことです。私たちは、自分や世界について、一定の「思い込み」を持っていて、それに沿って物事を解釈し、行動しています。

このライフスタイルを形づくる、大きな要素の一つが、毎日繰り返す「口ぐせ」です。言葉は、単なる音でなく、潜在意識に刻まれ、信念を作り、その信念が行動を決める。「どうせ自分なんて」と繰り返すと、「自分はダメな人間だ」というライフスタイル(信念)が強化され、それが、挑戦を避け、自分を小さく見せる行動を生み出す。逆に、「少しずつやってみよう」と繰り返せば、「自分は前に進める」という信念が育ち、行動も変わっていく。

ここで、大切なこと。アドラーは、ライフスタイルは、過去に作られたものでも、今ここで、選び直せると考えました。これは、第13弾の目的論とも、つながります。「自分は昔からネガティブな人間だ」と諦める必要はない。それは原因論の考え方です。今日から、口ぐせを意識的に選ぶことで、ライフスタイル(信念)を、少しずつ変えていける

言葉が信念を作り、信念が行動を作り、行動が人生を作る。だからこそ、入り口である「言葉」を、意識的に選ぶことが、人生を変える、最も身近な一歩になるのです。第87弾「口ぐせと潜在意識」でも、この仕組みを詳しくお伝えしています。次の視点で、具体的な技術を見ていきましょう。

口ぐせを意識的に選ぶ技術【視点4〜5】

後半の視点4〜5は、「口ぐせを変える具体的な技術」と、「今日から始める習慣」へと進みます。口ぐせを意識的に選ぶことは、誰でもできます。

言葉という、心の土への働きかけ 三流|毒を垂らす 心に毒を一滴ずつ じわじわ蝕む 二流|造花を挿す 枯れた土に造花 根づかず虚しい 一流|良い種をまく 良い種をまき水を 根づき自ら育つ 良い種をまき、水をやれば、自分の力で育つ 現実的で前向きな言葉が、心の土壌を育てる

図④|言葉という、心の土への働きかけ(中島輝 作成)。無自覚なネガティブは心に毒を垂らし、無理なポジティブは枯れた土に造花を挿し、意識的な言葉は土に良い種をまきます。良い種は根づき、自分の力で育っていきます。

視点4|口ぐせを変える技術

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気づく・置き換える・小さな事実に基づく

4つ目の視点は、具体的な技術です。口ぐせを意識的に選ぶには、三つのステップがあります。

一つ目、気づく。まず、自分がどんな口ぐせを無自覚に使っているか、観察します。「どうせ」「でも」「自分なんて」が口から出たら、心の中で「あ、今、言ったな」と気づく。これが、いちばん大切で、いちばん難しいステップ。無自覚だったものを、意識に上げる。気づくだけで、毒を垂らす手が、止まり始めます。

二つ目、置き換える。ネガティブな口ぐせに気づいたら、現実的で前向きな言葉に、言い換える。「どうせ無理」→「とりあえず、やってみよう」。「でも」→「だったら、どうする?」。「自分なんて」→「自分なりに、できることをやろう」。完璧な言い換えでなくていい。少しだけ前を向ける言葉に、ずらす。

三つ目、小さな事実に基づく。置き換える言葉は、根拠のない過剰なポジティブでなく、実際の小さな事実に基づいたものを選ぶ。「自分は最高だ」(事実でない)でなく、「ここまでは、できた」「前より、少し進んだ」(小さな事実)。事実に基づいているから、心に無理なく根づき、造花でなく、本物の種になります。

この3ステップ——気づく、置き換える、小さな事実に基づく——を繰り返すうちに、口ぐせが、少しずつ変わっていきます。そして、口ぐせが変われば、潜在意識に刻まれる信念も、ゆっくりと変わっていく。これは、第87弾でお伝えした、口ぐせと潜在意識の関係を、実践する方法です。

視点5|今日から始める、口ぐせを1つ置き換える

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いちばんよく使うネガティブな口ぐせを、1つ選んで変える

最後の視点は、毎日の習慣です。口ぐせを意識的に選ぶ力は、「いちばんよく使うネガティブな口ぐせを、1つだけ選んで、置き換える」ことから始められます。

たくさんの口ぐせを、いっぺんに変えようとしなくて大丈夫です。まず、自分がいちばんよく使う、ネガティブな口ぐせを、1つだけ、見つけてください。「どうせ」かもしれないし、「でも」かもしれない。

そして、その口ぐせの「置き換え先」を、1つだけ、決めておく。「どうせ無理」→「まず、やってみよう」。決めておくと、いざその口ぐせが出そうになったとき、すっと言い換えられます。

最初は、言ってしまった後に「あ、また言った」と気づくだけでも、十分です。気づきが増えるうちに、だんだん、言う前に気づけるようになり、やがて自然に、前向きな言葉が出るようになります。

図④の種を、思い出してください。たった1つの良い種を、毎日まいて、水をやる。最初は小さくても、やがて根を張り、育っていく。いちばんよく使う口ぐせを1つ、置き換える。それが、FREE 土壌の安心感(この世界は安全)・BE 自尊心≒自己存在感(自分には価値がある)を育て、やがて木全体=YES 自己肯定感を養い、言葉に縛られず、言葉に育てられる人生を支えます。なお、口ぐせをすぐ変えられなくても、自分を責めないでください。気づくだけでも、大きな一歩です。

三流は、無自覚にネガティブ(心に毒)。
二流は、無理にポジティブ(枯れた土に造花)。
一流は、意識的に選ぶ(良い種をまく)。

繰り返す言葉が、信念を作り、
信念が、行動を作る。

毒を垂らすのでなく、
心の土に、良い種をまく

口ぐせで育つ「土壌の安心感・自己存在感・自己肯定感」

口ぐせを意識的に選ぶことは、自己肯定感の木の土壌「FREE 土壌の安心感」・根「BE 自尊心≒自己存在感」、そして木全体「YES 自己肯定感」を、育てます。なぜ口ぐせが、最も深い部分を育てるのか、見ていきましょう。

FREE 土壌の安心感|木を育てる「土」

FREE 土壌の安心感とは、自己肯定感の木が育つ「土壌」——「この世界は安全だ」「自分は大丈夫」という、すべての土台です。毎日の口ぐせが、この土壌を作ります。

口ぐせが育てる、3つの感 縛られない心 言葉に育てられる FREE 土壌の安心感 この世界は安全 (土壌) BE 自尊心 ≒自己存在感 価値がある(根) YES 自己肯定感 価値がある (木全体) 良い言葉が、心の土壌と根を育てる 一流は、言葉で自分を育てる

図⑤|口ぐせが育てる、3つの感(中島輝 作成)。意識的に選んだ言葉が、FREE 土壌の安心感・BE 自尊心≒自己存在感を育て、木全体=YES 自己肯定感を養い、言葉に縛られず、言葉に育てられる心を支えます。

「どうせ自分なんて」と毒を垂らし続けると、この土壌が痩せていきます。「自分は何をやってもダメだ」「この世界は厳しい」という不安が、土に染み込むからです。

でも、「少しずつやってみよう」「ここまではできた」と、良い種をまき続けると、FREE 土壌の安心感が育ちます。「自分は大丈夫」「やっていける」という安心が、土に根づく。この土壌は、すべての感の土台。土壌が豊かになると、その上に育つすべての感が、健やかに育ちます。言葉は、心の土壌の質を決める、毎日の水やりなのです。

BE 自尊心≒自己存在感|木を支える「根」

BE 自尊心≒自己存在感とは、自己肯定感の木を支える「根」——「自分には価値がある」「自分が存在していい」という、最も深い感覚です。文部科学省も「生徒指導提要2022年」で重視する、この根を、口ぐせが育てます。

「自分なんて」という口ぐせは、この根を、直接傷つけます。自分の存在の価値を、言葉で否定し続けるからです。逆に、自分を尊重する言葉——「自分なりに、よくやっている」「これでいい」——を選ぶと、根が、しっかりと張っていく。

大切なのは、これは「自分は偉い」と過信することではないこと。「最高だ」と背伸びするのでなく、「存在していい」「ここにいていい」という、静かな自己肯定。その地に足のついた言葉が、根を、深く、強くしていきます。第8弾「自分で自分を認める」とも、つながる感です。

YES 自己肯定感|良い言葉が、木全体を育てる

そして、FREE 土壌の安心感とBE 自尊心≒自己存在感が育つと、自己肯定感の木の全体「YES 自己肯定感」が育っていきます。口ぐせを意識的に選ぶことは、木の最も深い土壌と根に働きかけ、木全体を、根本から育てる力なのです。

大切なのは、言葉は、毎日、自分で選び直せるということ。性格や過去は変えられなくても、今日使う言葉は、今、選べる。今日、ネガティブな口ぐせに一つ気づけた。今日、一つ前向きな言葉に置き換えられた。その小さな積み重ねが、やがて、言葉に縛られず、言葉に育てられる、しなやかな心を作ります。

大切なのは、焦らないこと、そして無理しないこと。長年の口ぐせは、すぐには変わりません。気づくだけでも、十分な一歩です。そして、もし「どうせ自分なんて」という思いが強く、気分の落ち込みが続くなど、つらい状態が長く続くときは、口ぐせの工夫だけでなく、専門家を頼ってください。言葉の力は大切ですが、それだけで抱えきれない苦しさもあります。次の章で、具体的なケースを見ていきましょう。

中島輝が見た、口ぐせを変えるケース7選

ここからは、15,000人の臨床現場で出会ってきた、口ぐせを変えることで変わったケースを、7つお伝えします(プライバシー保護のため、複数の方の経験を統合し、固有名詞や詳細は変更しています)。どれも、無自覚なネガティブや無理なポジティブから、意識的に言葉を選ぶ向き合い方へと、変わった人々の物語です。

CASE 01|無自覚なネガティブから
「『どうせ』が、口ぐせになっていた」

初回の言葉:無意識に「どうせ」を繰り返し、挑戦を避けていた方でした。

意識的に選ぶへ気づく。「どうせ」が出たら気づく習慣で、言葉が減り、少しずつ前を向けるように。

CASE 02|無理なポジティブから
「『最高だ』と唱えても、虚しかった」

初回の言葉:過剰なポジティブ宣言が、かえって苦しかった方でした。

意識的に選ぶへ小さな事実に基づく。「最高」でなく「ここまでできた」に変え、無理なく前向きになれました。

CASE 03|ライフスタイルに気づく
「自分はダメな人間だと、思い込んでいた」

初回の言葉:ネガティブな信念に縛られていた方でした。

意識的に選ぶへアドラーのライフスタイル。口ぐせが信念を作ると気づき、言葉から信念を変え始めました。

CASE 04|置き換える
「『でも』が、いつも口から出ていた」

初回の言葉:何にでも「でも」と返し、前に進めない方でした。

意識的に選ぶへ置き換える。「でも」を「だったら、どうする?」に変えると、思考が前向きに動くように。

CASE 05|BE 自己存在感へ
「『自分なんて』が、根を傷つけていた」

初回の言葉:存在を否定する口ぐせで、自信を失っていた方でした。

意識的に選ぶへ自分を尊重する言葉を。「ここにいていい」と選ぶうちBE 自尊心≒自己存在感が育ちました。

CASE 06|FREE 土壌の安心感へ
「不安な言葉ばかり、口にしていた」

初回の言葉:「不安だ」「怖い」を繰り返し、土壌が痩せていた方でした。

意識的に選ぶへ安心の言葉を。「大丈夫、やっていける」と選ぶうちFREE 土壌の安心感が育ちました。

CASE 07|行動と組み合わせる
「言葉だけ変えても、現実が変わらなかった」

初回の言葉:口ぐせを変えたが、行動が伴わなかった方でした。

意識的に選ぶへ言葉と行動を組み合わせる。「やってみよう」と言い、実際に小さく動くと、現実が変わり始めました。

1,800人の独自データが示す、口ぐせの力

中島輝が代表を務める一般財団法人自己肯定感学会では、独自のデータ調査を実施しています。その結果からも、口ぐせを意識的に選ぶ力が、信念と行動を支えることが見えてきました。

1,800人独自データ|口ぐせが信念と行動を変える ネガティブな口ぐせに気づけるようになった 86% 言葉を意識的に選べるようになった 82% 前向きな言葉で、行動も前向きになった 81% 口ぐせを選ぶ力が、信念と行動を育てる

図⑥|中島輝メソッド受講者を対象とした独自データ(中島輝 作成)。口ぐせを意識的に選ぶ力を育てることで、ネガティブな口ぐせに気づけ、言葉を意識的に選べ、前向きな言葉で行動も前向きになることが見えてきました。

※調査対象:自己肯定感アカデミー受講生・カウンセリング受診者1,800名/調査期間:2023年4月〜2025年3月/調査機関:一般財団法人自己肯定感学会

7つのケースが教えてくれること

この7つのケースに共通するのは、誰も、無理にポジティブになったわけでも、言葉だけで人生を変えたわけでもないということです。みな、無自覚なネガティブや無理なポジティブから、意識的に、現実的な言葉を選ぶ向き合い方へと、変わっただけ。心に毒を垂らすのから、良い種をまくへ。そして、言葉と行動を組み合わせた。たったそれだけで、信念が変わり、行動も前向きになったのです。

そして、大切なこと。これらは「こうあるべき」という見本ではありません。言葉の選び方も、ペースも、人それぞれです。また、無理にポジティブにする必要はなく、ネガティブな感情を抑圧する必要もありません。つらいときは「つらい」と感じていい。口ぐせを変えれば全て解決するわけでもなく、言葉と日々の行動を組み合わせることが大切です。口ぐせをすぐ変えられなくても、自分を責めないでください。なお、「どうせ自分なんて」という思いが強く、気分の落ち込みが続くなど、つらい状態が長く続くときは、口ぐせの工夫だけでなく、専門家を頼ってください。これが、中島輝が15,000人の臨床から、心を込めてお伝えすることです。

大切なこと|無理にポジティブにする必要はない

この記事で、誤解されたくない、大切なことがあります。「無理にポジティブにする必要はない。口ぐせを万能視しない。ネガティブな感情を抑圧しない。口ぐせを変えられなくても自分を責めない」。丁寧にお伝えします。

大切なこと①|無理にポジティブにする必要はない

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現実的で、地に足のついた言葉でいい

まず、いちばん大切なこと。「口ぐせを意識的に選ぶ」というと、「いつも明るく前向きな言葉を使わなきゃ」と誤解されがちですが、それは違います。無理にポジティブにする必要は、まったくありません

この記事でお伝えした通り、無理なポジティブ宣言(「自分は最高だ」)は、枯れた土に造花を挿すようなもの。一流が選ぶのは、過剰なポジティブでなく、現実的で、地に足のついた言葉です。「最高だ」でなく、「少しずつやってみよう」。「絶対できる」でなく、「できるところから、やろう」。

大切なのは、背伸びしすぎないこと。本心と離れた言葉は、根づきません。むしろ、自分が「これなら、言える」と思える、ささやかな前向きさで、十分です。「まあ、なんとかなるか」「とりあえず、やってみよう」。これくらいの、肩の力が抜けた言葉のほうが、ずっと心に根づきます。

ポジティブ・シンキングの強制は、かえって人を苦しめます。明るくなれない日も、あっていい。無理に前向きを装わず、でも、自分を必要以上に貶めない。その、ちょうどいいバランスの言葉を、選んでいきましょう。

大切なこと②|口ぐせを万能視しない、感情を抑圧しない

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言葉と行動を組み合わせ、感情は感じていい

2つ目の大切なこと。二つ、お伝えします。

一つ目。口ぐせを、万能視しないでください。言葉は、信念や行動に影響します。でも、言葉だけを変えても、現実は変わりません。「やってみよう」と100回唱えても、実際に動かなければ、何も起きない。大切なのは、口ぐせを変えることと、日々の具体的な行動を、組み合わせること。「少しずつやってみよう」と言葉を選び、実際に小さな一歩を踏み出す。言葉が行動を後押しし、行動が言葉を裏づける。この両輪で、はじめて変化が生まれます。口ぐせは、変化を助ける道具であって、魔法ではありません。

二つ目。ネガティブな感情を、抑圧しないでください。「前向きな言葉を使おう」とすると、つい、悲しみや不安や怒りといった感情を、「ダメなもの」として、押し殺そうとしてしまいます。でも、それは違います。ネガティブな感情は、感じていいのです。つらいときは「つらい」、悲しいときは「悲しい」と、感じていい。感情を抑圧すると、第12弾でお伝えしたように、心の傷が膿んでしまう。口ぐせを選ぶのは、感情を打ち消すためでなく、自分を不必要に貶める「思考のクセ」を、見直すため。感情は受け止めつつ、自分を縛る言葉を、選び直す。この区別が、大切です。

大切なこと③|変えられなくても、自分を責めない

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気づくだけで十分、つらいときは専門家へ

3つ目の大切なこと。口ぐせを、すぐに変えられなくても、自分を責めないでください

長年使ってきた口ぐせは、簡単には変わりません。「また『どうせ』って言っちゃった」「全然、前向きな言葉が出てこない」——そんなことの連続でも、当たり前です。大切なのは、変えられたかどうかでなく、気づけたかどうか。「あ、また言った」と気づけたら、それだけで、大きな一歩です。気づきが増えれば、少しずつ、自然に変わっていきます。

「口ぐせも変えられない自分はダメだ」と、新たな自己批判を始めては、本末転倒。それこそ、自分を縛る口ぐせです。口ぐせを変えるプロセスにも、自分への優しさ(第8弾のセルフコンパッション)を、忘れないでください。

そして、最も大切なこと。もし、「どうせ自分なんて」という思いが、とても強く、気分の落ち込みが続いている、何も希望が持てない——そんなつらい状態が長く続くときは、口ぐせの工夫だけで、なんとかしようとしないでください。それは、心が深く疲れているサインかもしれません。言葉の力は大切ですが、言葉だけでは抱えきれない苦しさも、あります。そんなときは、一人で抱えず、専門家の力を借りてください。あなたの心の重さは、あなたのせいでは、ないのです。

💙 大切なこと|無理しない、万能視しない、責めない

無理にポジティブにする必要はありません。「最高だ」でなく「少しずつやってみよう」と、現実的で地に足のついた言葉で十分です。また、口ぐせを万能視しないこと。言葉だけでなく、日々の行動と組み合わせて、はじめて変化が生まれます。ネガティブな感情も抑圧しないで。つらいときは「つらい」と感じていい。そして、口ぐせをすぐ変えられなくても、自分を責めないで。気づくだけで、大きな一歩です。

そして、もし、「どうせ自分なんて」という思いがとても強く、気分の落ち込みが続く・何も希望が持てない・自分を強く責めてしまうなど、つらい状態が長く続くときは、口ぐせの工夫だけでなんとかしようとせず、必ず専門家の力を借りてください。言葉だけでは抱えきれない苦しさもあります。心療内科・精神科・公認心理師、産業医・産業保健スタッフが力になります。よりそいホットライン(0120-279-338)、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの窓口も。あなたの心の重さは、あなたのせいではありません。一人で抱えないでくださいね。

明日からの始め方|まず、いちばんの口ぐせに気づく

口ぐせを変えることを、難しく考えなくて大丈夫です。まず、自分がいちばんよく使う、ネガティブな口ぐせを、1つ見つけてみてください。「どうせ」かもしれないし、「でも」かもしれない。そして、それが出たとき、「あ、また言った」と気づくだけ。変えられなくていい。気づくことが、自分を縛る言葉から自由になる、最初の一歩です。

口ぐせ×自己肯定感×中島輝メソッド4ステップ

口ぐせを意識的に選ぶことは、中島輝メソッドの「自己認知→自己受容→自己成長→他者貢献」という4ステップサイクルと、重なります。世界初・日本発の「自己肯定感の6つの感」×「アドラー15理論」を、毎日の言葉で実践する、具体的な道筋です。

中島輝メソッド|4ステップ循環 口ぐせを意識的に選ぶ 中島輝 メソッド STEP1 自己認知 口ぐせに気づく STEP2 自己受容 変えられない自分も認める STEP3 自己成長 良い種をまく言葉を選ぶ STEP4 他者貢献 前向きな言葉が周りも照らす

図⑦|中島輝メソッド4ステップ循環(中島輝 作成)。口ぐせに気づき、変えられない自分も認め、良い種をまく言葉を選び、前向きな言葉が周りも照らす。FREE 土壌の安心感・BE 自尊心≒自己存在感・YES 自己肯定感が、ぐるぐる育ちます。

自己認知|口ぐせに気づく

本記事の視点4と対応。「自分は、どんなネガティブな口ぐせを、無自覚に使っているか」に気づくこと。アドラー15理論の「ライフスタイル」「全体論」と統合。気づくことが、言葉を選び直す出発点です。

自己受容|変えられない自分も認める

本記事の第7章と対応。「口ぐせをすぐ変えられなくても、それでいい」と、自分を責めずに受け入れること。アドラー15理論の「自己受容」と統合。自分を責めないと、OK 自己受容感が育ち、無理なく言葉を変えられます。

自己成長|良い種をまく言葉を選ぶ

本記事の視点1・4と対応。無理なポジティブでなく、現実的で前向きな言葉を意識的に選び、行動と組み合わせること。アドラー15理論の「ライフスタイル」「目的論」と統合。良い言葉を選ぶと、FREE 土壌の安心感・BE 自尊心≒自己存在感という土壌と根が育ちます。

他者貢献|前向きな言葉が、周りも照らす

本記事の対人関係軸と対応。自分が選んだ前向きな言葉が、周りの人の心も明るくすること。アドラー15理論の「共同体感覚」「勇気づけ」と統合。良い言葉は周りにも伝わり、YOU 自己有用感が育ち、木全体=YES 自己肯定感が育ちます。

これが、中島輝が15,000人の臨床から見出した、口ぐせを意識的に選ぶ中島輝メソッド4ステップです。無自覚にネガティブを垂れ流したり、無理にポジティブを宣言したりするのでなく、現実的で前向きな言葉を意識的に選び、良い種をまく道筋です。なお、無理にポジティブにする必要はなく、口ぐせを万能視せず、ネガティブな感情を抑圧せず、変えられなくても自分を責めないでください。つらい状態が続くときは、専門家を頼ってください。V群「仕組み・人間観・統合」の2本目として、言葉が自分を作る仕組みを、お伝えしました。アドラー心理学、そして自己肯定感への深い敬意とともに、より多くのビジネスパーソンが、言葉に縛られず、言葉に育てられることを、心から願っています。次回は、いよいよシリーズ最終回。第15弾「結局、ハイパフォーマーは『人を大切にする人』である」を、お届けします。

中島輝メソッドを体系的に学ぶ

自己肯定感アカデミーでは、中島輝メソッドを体系的に学べる講座を開催しています。言葉の力を、さらに深めたい方へ。心の落ち込みがつらいときは、まず専門家を頼ってくださいね。

自己肯定感アカデミーを見る →

センターピン|たった1つだけ覚えて帰ってください

─── CENTER PIN ───
三流は、無自覚にネガティブ(心に毒)。
二流は、無理にポジティブ(枯れた土に造花)。
一流は、口ぐせを意識的に選ぶ(良い種をまく)。
繰り返す言葉が、信念を作り、
信念が、行動を作る。
「どうせ」でなく「やってみよう」。
心に毒を垂らすのでなく、
良い種をまく。
三流は無自覚にネガティブな口ぐせを使い(心に毒を垂らす)、二流は無理にポジティブ宣言をし(枯れた土に造花)、一流は口ぐせを意識的に選びます(良い種をまく)。アドラーのライフスタイル——繰り返す言葉が信念を作り、信念が行動を作る。無理なポジティブでなく、小さな事実に基づく現実的な言葉を。気づく・置き換える・事実に基づく。まずいちばん使う口ぐせを1つ置き換えることから。無理にポジティブにせず、感情も抑圧せず、変えられなくても自分を責めないで。

明日から始める、たった1つの習慣

もし、5つの視点を覚えるのが大変なら、たった1つだけ持ち帰ってください。それは——

いちばんよく使う口ぐせに、まず「気づく」

これだけです。私たちの口ぐせの多くは、無自覚です。「どうせ」「でも」「自分なんて」——気づかぬうちに、毎日、心に毒を一滴ずつ垂らしている。

だから、まず気づくことから。自分がいちばんよく使う、ネガティブな口ぐせを1つ見つけ、それが出たとき「あ、また言った」と気づく。変えられなくていい。気づくだけで、毒を垂らす手が、止まり始めます。

これは、アドラーのライフスタイルを、毎日に活かすことです。繰り返す言葉が、潜在意識に刻まれ、信念を作り、行動を決める。だから、入り口である言葉に気づき、少しずつ選び直していく。

無自覚にネガティブを垂れ流すのでも、無理なポジティブで造花を挿すのでもなく、心の土に、現実的で良い種をまく。「どうせ無理」でなく「まず、やってみよう」。「自分なんて」でなく「自分なりに、やってみよう」。

そして、忘れないでください。無理に、ポジティブにならなくていいのです。明るくなれない日も、あっていい。つらいときは「つらい」と感じていい。感情を抑圧せず、ただ、自分を不必要に貶める言葉を、少しずつ見直していく。口ぐせをすぐ変えられなくても、自分を責めないでください。気づくだけで、十分な一歩です。そして、もし「どうせ自分なんて」という思いが強く、心が深く疲れているときは、言葉の工夫だけでなんとかしようとせず、専門家を頼ってくださいね。あなたが、自分を縛る言葉から自由になり、言葉に育てられることを、心から願っています。

よくある質問10問

なぜ、何気ない口ぐせが、自分を縛るのですか?
毎日繰り返す言葉が、潜在意識に刻まれ、信念を作り、その信念が行動を決めるからです。三流は無自覚にネガティブな口ぐせを使い(心に毒を垂らす)、二流は無理にポジティブ宣言をし(枯れた土に造花)、一流は口ぐせを意識的に選びます(良い種をまく)。これがアドラーの「ライフスタイル」の考え方。「どうせ自分なんて」と繰り返すと「自分はダメだ」という信念が強化され、挑戦を避ける行動につながる。逆に前向きで現実的な言葉を選べば、信念も行動も変わります。なお、口ぐせを変えれば全て解決するわけでなく、無理にポジティブにする必要もありません。
アドラーの「ライフスタイル」とは何ですか?
その人特有の、思考・感情・行動のパターン(信念体系)のことです。私たちは自分や世界について一定の「思い込み」を持ち、それに沿って解釈し行動しています。「自分はダメだ」というライフスタイルの人は、何かあるたび「やっぱりダメだ」と解釈し、挑戦を避ける。このライフスタイルを形づくる大きな要素が、毎日の「口ぐせ」です。口ぐせは信念を映し、強化する鏡。アドラーは、ライフスタイルは過去に作られても今選び直せると考えました。口ぐせを意識的に変えることで、ライフスタイル(信念)も少しずつ変えていけるのです。
「自分は最高だ」とポジティブに宣言すれば、変われますか?
無理なポジティブ宣言は、おすすめしません。それは二流のパターンで、枯れた土に造花を挿すようなもの。「自分は最高だ」と現実とかけ離れた言葉を唱えても、心の土壌(実感)が伴わなければ根づかず、「本当はそう思えないのに」と空虚さが増すことも。一流が選ぶのは、根拠のない過剰なポジティブでなく、小さな事実に基づいた現実的な言葉。「最高だ」でなく「少しずつやってみよう」「ここまではできた」。背伸びしすぎず、でも前を向ける言葉なら、心に根づきます。
口ぐせを変えれば、すべて解決しますか?
いいえ、口ぐせを万能視するのは危険です。言葉は信念や行動に影響しますが、言葉だけを変えても現実は変わりません。大切なのは、口ぐせを変えることと、日々の具体的な行動を組み合わせること。「少しずつやってみよう」と言葉を選び、実際に小さな一歩を踏み出す。言葉と行動が伴って、はじめて変化が生まれます。また、ネガティブな感情を口ぐせで無理に打ち消す必要もありません。つらいときは「つらい」と感じていい。口ぐせは、変化を助ける一つの道具であって、魔法ではないと理解しておくことが大切です。
口ぐせを変えるには、具体的にどうすればいいですか?
三つのステップがあります。①気づく(「どうせ」「でも」「自分なんて」が出たら、心の中で気づく)②置き換える(ネガティブな口ぐせを現実的で前向きな言葉に。「どうせ無理」→「とりあえずやってみよう」)③小さな事実に基づく(根拠のない過剰なポジティブでなく、実際にできたこと・小さな事実に基づいた言葉を。「ここまではできた」)。第87弾でお伝えした、口ぐせと潜在意識の関係を実践する方法です。なお、口ぐせをすぐ変えられなくても、自分を責めないでください。気づくだけでも大きな一歩です。
ネガティブな感情は、抑えるべきですか?
いいえ、抑圧する必要はありません。「前向きな言葉を使おう」とすると、つい悲しみや不安や怒りを「ダメなもの」として押し殺そうとしがちですが、それは違います。ネガティブな感情は、感じていいのです。つらいときは「つらい」、悲しいときは「悲しい」と感じていい。感情を抑圧すると、かえって心の傷が膿んでしまいます。口ぐせを選ぶのは、感情を打ち消すためでなく、自分を不必要に貶める「思考のクセ」を見直すため。感情は受け止めつつ、自分を縛る言葉を選び直す。この区別が大切です。
口ぐせが、なかなか変えられません。
それは当たり前のことです。長年使ってきた口ぐせは、簡単には変わりません。「また言っちゃった」の連続でも、自然なことです。大切なのは、変えられたかどうかでなく、気づけたかどうか。「あ、また言った」と気づけたら、それだけで大きな一歩です。気づきが増えれば、少しずつ自然に変わります。「口ぐせも変えられない自分はダメだ」と新たな自己批判を始めては本末転倒。それこそ自分を縛る口ぐせです。口ぐせを変えるプロセスにも、自分への優しさ(第8弾のセルフコンパッション)を忘れないでください。
第87弾の記事と、どう関係しますか?
深く関係します。第87弾「口ぐせと潜在意識」では、毎日繰り返す言葉が潜在意識に刻まれ、自分を形づくる仕組みを詳しくお伝えしました。本記事は、それをビジネスパーソン向けに、三流・二流・一流という切り口で、より実践的にまとめたものです。共通する核心は、言葉が信念を作り、信念が行動を作ること。そして、口ぐせは意識的に選び直せる、ということ。より深く学びたい方は、ぜひ第87弾もあわせてご覧ください。
「どうせ自分なんて」が、どうしても消えません。
「どうせ自分なんて」という思いがとても強く、気分の落ち込みが続いている、何も希望が持てないという状態が長く続くなら、それは心が深く疲れているサインかもしれません。そんなときは、口ぐせの工夫だけでなんとかしようとしないでください。言葉の力は大切ですが、言葉だけでは抱えきれない苦しさもあります。一人で抱えず、専門家の力を借りてください。あなたの心の重さは、あなたのせいではありません。心療内科・精神科・公認心理師などが力になります。下記の相談窓口も、ぜひ頼ってください。
中島輝先生のメソッドは、どこで学べますか?
自己肯定感アカデミーでは、6つの感×アドラー15理論で口ぐせから自己肯定感を育てる実践を体系的に学べる講座を提供しています。ただし、「どうせ自分なんて」という思いが強く、気分の落ち込みが続くなど、つらい状態が長く続くときは、まず専門家を頼ってください。学びは、心に余裕が出てからで十分です。詳細は公式サイトをご覧ください。

こころが疲れたときの相談窓口

💙 一人で抱え込まず、頼れる場所

  • よりそいホットライン|0120-279-338(24時間・無料)
  • こころの健康相談統一ダイヤル|0570-064-556
  • いのちの電話|0120-783-556(フリーダイヤル)
  • 職場の産業医・産業保健スタッフ|働く人の心の相談窓口
  • 厚生労働省 まもろうよこころ公式サイト

次に読むべき記事|シリーズ予告

ハイパフォーマーシリーズ第14弾に、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。三流は無自覚にネガティブな口ぐせを使い、二流は無理にポジティブ宣言をし、一流は口ぐせを意識的に選ぶ。繰り返す言葉が、信念を作り、信念が行動を作る。心に毒を垂らすのでなく、良い種をまく。これが、伝わりましたでしょうか。無理にポジティブにせず、感情も抑圧せず、変えられなくても自分を責めないで。つらいときは専門家を頼ってください。あなたが、言葉に縛られず、言葉に育てられることを、心から願っています。

🔥 いよいよ次回、シリーズ最終回!

第13弾「目標を見える化する」、第14弾「口ぐせを意識的に選ぶ」と、V群「仕組み・人間観・統合」を深めてきました。そして次回、ついにシリーズ全15本の、最終回を迎えます。

次回・第15弾予告(最終回)|「結局、ハイパフォーマーは『人を大切にする人』である|アドラー共同体感覚」。全14本の集大成として、ハイパフォーマーの本質に迫ります。なぜ、本当に人を大切にする人が、最も豊かに成功するのか。アドラーの共同体感覚で、シリーズを締めくくります。どうぞ、お楽しみに。

🛡️ 本記事の権威性とトラスト

  • 監修者:中島輝(自己肯定感アカデミー会長/心理カウンセラー/一般財団法人自己肯定感学会代表)
  • 監修者実績:著書累計76万部/15,000人臨床/回復率95%/1,800人独自統計
  • 参照原典:アルフレッド・アドラー『人生の意味の心理学』(1931年・岸見一郎訳)
  • 引用書籍:岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社、2013年・世界1,350万部)
  • 引用書籍:岸見一郎・古賀史健『幸せになる勇気』(ダイヤモンド社、2016年・日本国内約95万部)
  • 参照原典:R.ドライカース/野田俊作監訳『アドラー心理学の基礎』
  • 参照書籍:ケン・ブランチャード&スペンサー・ジョンソン『新1分間マネジャー』(ダイヤモンド社)
  • 参照理論:アドラー「ライフスタイル」「全体論」「目的論」「自己受容」「共同体感覚」/中島輝「自己肯定感の6つの感」
  • 政策準拠:文部科学省「生徒指導提要2022年」自己存在感・自己有用感の正式採用
  • 掲載実績:東洋経済オンライン・プレジデントオンライン・ダイヤモンド・オンライン・現代ビジネス・NewsPicks・日経xwoman他1,000媒体以上
  • 所属:自己肯定感アカデミー/一般財団法人自己肯定感学会/トリエ
  • 公開日:2026年10月31日(ハイパフォーマーシリーズ 第14弾|真の100点満点版)
  • 編集方針:編集方針はこちら
  • 利益相反開示:本記事は中島輝が代表を務める自己肯定感アカデミーの公式記事です。プライバシーポリシー

❗ 重要:専門家への相談について(YMYL:メンタルヘルス・キャリア情報)

本記事は世界1,350万部の名著『嫌われる勇気』への深い敬意と感謝を込めた論評記事として、著作権法第32条「引用」の要件(公正な慣行、引用の必然性、明瞭区別、主従関係、出所明示)に準拠して執筆されています。本記事の内容は中島輝オリジナルの解説であり、岸見一郎先生・古賀史健先生およびダイヤモンド社の公式見解を示すものではありません。

本記事は医学的診断・治療を提供するものではなく、深刻なメンタル不調がある方は必ず精神科医・産業医・公認心理士等の専門家への相談を強く推奨します。緊急時はよりそいホットライン(0120-279-338)またはいのちの電話(0120-783-556)へ。

本記事の内容を実生活に取り入れる際は、ご自身の判断と責任において行ってください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の状況に対する助言を代替するものではありません。

自己肯定感ラボで、言葉から人生を

自己肯定感ラボでは、アドラー心理学×自己肯定感の記事を多数公開しています。あなたのビジネスと人生に、自分を育てる言葉が、根づいていきますように。

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