「自己肯定感」この言葉を目にしたり耳にしたことがある方は多いと思います。
自己肯定感はあなたの人生に大きな影響を与えるもので、自己肯定感を高めることで、よりよい人生を歩むことができます。
しかし、自己肯定感とは具体的にどのようなもので、どうすれば高めていけるのか、ということは知らない方がほとんどなのではないでしょうか。
というわけで今回は、自己肯定感の意味をしっかりと理解していただいた上で、最も効果的かつ最も簡単な自己肯定感を高める方法を紹介させていきます。
仕事や私生活を充実させ、自分らしく生きるために、自己肯定感をどんどん高めていきましょう。
目次
そもそも自己肯定感とは
自己肯定感とは、”自分が自分であることに満足し、自分を価値ある存在だと受け入れられる”ことです。
これは「生きるエネルギー」と言い換えることもできます。このエネルギーが高い状態にあると、ポジティブな行動力が自然と沸き、日々楽しく生きていくことができるのです。
また、どんな自分に対しても常にYESと宣言することができ、あらゆる困難に直面しても「必ずいいことがある」と人生を肯定し、乗り越えていくことができます。
自己肯定感を支える“6つの感”
全体像を把握するために、自己肯定感はしばしば1本の大きな木にたとえられます。そしてその木は、以下の”6つの感”から構成されています。
①自尊感情 自分には価値があると思える感覚(根)
②自己受容感 ありのままの自分を認める感覚(幹)
③自己効力感 自分にはできると思える感覚(枝)
④自己信頼感 自分を信じられる感覚(葉)
⑤自己決定感 自分で決定できるという感覚(花)
⑥自己有用感 自分は何かの役に立っているという感覚(実)
これら“6つの感”のどれか1つが大きく揺さぶられると、その影響から自己肯定感が下がってしまいます。
例)親友と呼べる存在に裏切られたり、自分の進退をかけて取り組んでいた仕事のプロジェクトから外されたり、突然恋人から別れを突きつけられたり……。
このような出来事が起きて、「自分の存在っていったいなんなのだろうか」と感じ、自尊感情が傷つけられた。すると、本人は自分の価値を低く見積るようになってしまい、結果自己肯定感が下がっていく。
また、”6つの感”はそれぞれが密接な関係にあり、お互いがお互いに影響を与えながら自己肯定感を構成しています。なので1つの感が受けた影響は、他の5つの感にも影響を与えてしまいます。
例)今まで自然とできていたのに、自信をもって物事を決めることができなくなってしまい「自分で決めた!」と納得できる自己決定感が低下。
それに伴って自信を失い、人の意見に頼って依存してしまうことで「自分の力で成し遂げた」という自己効力感も得にくくなっていく。
このように1つの感がマイナスの影響を受けると、他の感もマイナスの影響を受けてしまいます。しかし、プラスの影響も当然ながら伝播します。
例)自尊感情が傷ついたとしても、友人の励ましによって「自分はこのままでもいいんだ!」と思える自己受容感が満たされる。そんな心許せる友人がいる自分は「社会とつながっている!」と自己有用感が回復していくことで、自己肯定感が高まる。
まずはこのような仕組みと関係性を知り、自己肯定感の構造を深く理解しましょう。
「書く」ことで自己肯定感を高める
では、ここからは自己肯定感を高める方法を解説していきます。
その方法は、ずばり「書く」ということ、たったそれだけです。必要なものはノートとペンだけ。こんなに簡単な方法なら誰にでもできますよね。
「そうはいっても、どんなことを書いたらいいのか……」なんて難しく考えて悩む必要もありません。
今、自分がどんな感情をいだいているのか、嫌なことも良いことも含め、ありのままを書いていくだけです。今日起きた出来事、今日感じたこと、とにかく素直に書いていきましょう。
そして「書く」ことには自己肯定感を高めるための3つの効果があります。
①書き出すことによる「アウトプット効果」
②文章にすることによる「見える化効果」
③目で確認することによる「インプット効果」
書き出すことで、脳の複数の部位に刺激を与え、書き出した情報が重要であると認識してくれます。
そして文章にすることで、心の内に抱えていたあらゆる感情が「見える化」され、自分自身と対話をするきっかけが生まれます。
最後に、書かれた文章を目で確認することで、潜在意識への働きかけが行われ、行動を変えるスイッチや、自己肯定感を高めるスイッチが入っていくのです。
自己肯定感は「高まる」もの
ここでポイントとなるのが、自己肯定感は「高める」ものではなく「高まる」ものということ。
そもそも自己肯定感が高まっている人は「何があっても大丈夫」という自信に満ち溢れた思考を持っています。だからこそ、仕事でも恋愛・結婚でも子育てでも、全てにおいて前向きにチャレンジすることができるのです。
その結果として、仕事で大きな成果を出せたり、良好な人間関係を築くことができたりしています。
しかし、無理に「自己肯定感を高めなければ!」と考えてしまうと、潜在意識が反発し「自己肯定感なんて高めることができない!」という思考が生まれてきてしまいます。
だからこそ過去に自己肯定感を高めようとして失敗した方、自己肯定感は「高める」ものではなく「高まる」ものだという感覚をしっかりと意識してください。
「書く」ことの想像以上の効果
誰しも、落ち込んで「自分なんか……」という気持ちになったことはあるでしょう。
安定していた自己肯定感が下がり、そのままで低空飛行を続けているときは調子の悪さを実感します。
そしてその状態のままでいると「自分はダメだ」という自動思考の罠にはまり、負のループに陥ってしまいます。
しかし、ネガティブな思考をもつこと自体が悪いわけではありません。たとえば「大丈夫かな?」「できるかな?」「あの人と会うの嫌だな?」といった感情は、あなたを失敗や危険から遠ざけて助けてくれる大切なキーワードでもあるのです。
だからこそ「書く」という行為が大きな効果を発揮してくれます。
どんなキーワードも、とにかく「書く」ことで、自分の内面を客観的に確認することができるようになります。
自己肯定感が高いときは、物事をポジティブに解釈するキーワードが多いかもしれません。自己肯定感が低いときは、ネガティブなキーワードが多いかもしれません。
しかし「書く」ことによって、自分の自己肯定感がどような状態にあるか知ることができるのです。
そうすれば、今自分が抱いている思考や気持ちに対してどんな行動を取ればいいかが、わかってきます。ネガティブなことであっても、脳がそれを解決しようと働き始めてくれるのです。
「書く」ことで自分の自己肯定感の状態を俯瞰することができれば、自己肯定感を維持し続けることができるようになります。
「書く」とは、自分の心の内から思考をいったん取り出す作業です。
まとめ
自己肯定感は、何歳からでも高めることができます。
しかし、それには確かな知識と技術が必要で、決して単なる精神力や根性論で片づけられることではありません。
今回解説した自己肯定感を構成する”6つの感”、この知識を身につけた上で、それぞれの“感”が揺らいだときに役立つ「書き方」を行えば、最大限の効果が発揮され、自己肯定感が確実に高くなっていくのです。
この方法は、『書くだけで人生が変わる 自己肯定感ノート』(SBクリエイティブ)に詳しくまとめています。本書では、カラフルな付箋やカラーペンを使い、ワクワクしながら「書く」ことを通して自己肯定感の“6つの感”を高めることができます。
自己肯定感を高めて、ぜひ最高の人生を見つけてください。
自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
コメント