「いつも寝すぎてしまうのはHSPのせいなのでは?」
「HSPだと寝すぎてしまうことはあるの?」
そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
実際に、HSPには寝すぎてしまう人が多いといわれます。しかし、すべてのHSPが寝すぎるわけではなく、逆にうまく寝れない人もいるようです。
人より寝すぎていると、なんとなく心配になりますよね。
しかし、結論から言うと、最適な睡眠時間は人によって異なり、睡眠時間が長かったとしても熟睡感があるのであれば、寝すぎることには何も問題はありません。
しかし、なかには睡眠時間がうまくとれずにいつも眠いという方もいるかもしれません。寝すぎが問題になる場合は、睡眠の質を上げることで解決できる可能性があります。
そこで本記事では、HSPに寝すぎる人が多いとされる理由や、寝すぎてしまうその他の要因についてご紹介し、さらに寝すぎを防ぐ対処法をご紹介していきます。
寝すぎが気になる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
1.HSPに寝すぎる人が多い理由
HSPの人は、睡眠時間が長い傾向にあるようです。すべてのHSPが寝すぎるわけではありませんが、原因としてはストレスを感じやすく疲れやすい性質が影響していると考えられます。
HSPの人は生まれつき脳の扁桃体という部分のはたらきが強く、刺激に敏感で疲れやすいといわれています。音や光などの外的環境からもストレスを感じますし、対人関係においても人より繊細で疲れやすいといえます。
人は脳が疲労し疲れを感じると睡眠によって疲れを回復しようとするため、当然ストレスや疲れがたまると睡眠時間は長くなります。
日頃からさまざまな場面で疲れをためてしまうHSPは、その疲れを癒すために人より多くの睡眠時間が必要になるといえるでしょう。
2.HSP気質の人が寝すぎるときに考えられる原因
HSP気質の人が寝すぎてしまう場合、前章でご紹介した「ストレスや疲れ」といった原因以外にも他の要因が影響している場合があります。
寝すぎてしまう場合、考えられる要因としては以下があげられます。
・遺伝
・体質
・病気
それぞれご紹介します。
2-1.遺伝
人によっては、生まれつき睡眠時間が長い「ロングスリーパー」である場合があります。ロングスリーパーの場合、毎日9時間以上の睡眠を必要とするといわれます。
ロングスリーパーになるかどうかは遺伝が影響するという説があり、両親がロングスリーパーであるならば、遺伝によってロングスリーパーになっている可能性が考えられます。
生まれつきのロングスリーパーの場合は病気ではないため、基本的には睡眠時間が長くとも問題はありません。生まれ持ったものと割り切って、しっかり睡眠時間を確保することが大切です。
2-2.体質
睡眠に影響を及ぼす神経伝達物質の分泌量が少ない、あるいは多い体質である場合も、ロングスリーパーになる可能性があります。
具体的には、セロトニンやドーパミンという物質が睡眠にかかわっています。
セロトニンは睡眠を促すメラトニンの原料となる物質で、寝つきや眠りの質に関係します。
対して、ドーパミンには覚醒作用があり、少ないことで目覚めに影響します。
こうした神経伝達物質が体質的に少なかったり多かったりすることがあり、これらが個々人の睡眠時間に影響を与えると考えられているのです。
2-3.病気
寝ても寝ても眠い、日中も眠気が取れないといった場合、睡眠障害である可能性も考えられます。
十分な睡眠をとっているにもかかわらず日中に眠くなる場合にはナルコレプシーなどの中枢性過眠症の疑いがあります。
また昼夜逆転などの睡眠時間帯の異常が見られる場合には、概日リズム睡眠・覚醒障害の疑いがあります。
加えて、睡眠障害は鬱に伴う症状の可能性もあるため注意が必要です。
鬱病に伴う睡眠障害では、以下のような症状がみられます。
・夜にすっきり眠れない
・朝起きられない
・一日中寝ていたい
・何もしたくない
上記の睡眠症状に加え、食欲低下や興味の減退がある場合は、一度、医療機関を受診してみてください。
参考:睡眠障害ガイドライン
3.HSPが寝すぎることによる影響
次に、寝すぎてしまうことによってどんな悪影響があるのかを考えてみましょう。
3-1.寝すぎは脳が溶ける?
「寝すぎると脳が溶ける」などと聞いたことがあり、心配になる方もいるかもしれません。実際に、寝すぎによって脳機能が衰えるといった研究もあるようです。
ただし、これは故意に寝すぎた場合。本記事を読んでいる方は、おそらく寝たくないのに寝すぎてしまうことを気にされている状態かと思います。
前述したように、睡眠時間が長くとも日中に眠くならなければ問題はないため、こうした脳への影響を気にする必要はないでしょう。むしろ、睡眠時間を長く取らなければ日中に眠くなってしまうのであれば、疲れた脳を回復させるために必要な時間といえます。
3-2.寝すぎによる間接的な影響
直接的な影響ではないですが、ひとつ懸念点として「自己嫌悪ストレス」があげられます。
HSPで寝すぎてしまう人のなかには、朝起きられないことや、眠くて何もできない自分を責めてしまう方もいるのではないでしょうか?
そうした自己嫌悪の感情はストレスを生み出すため、より脳が疲労し眠気を増す原因にもなりかねません。
まずは自分にとって長い睡眠は必要なものと捉え、次のように、睡眠をとることをプラスに捉えてみましょう。
・睡眠によって脳疲労を回復している
・しっかり眠ることで疲れた気持ちをリセットできる
自己嫌悪ストレスを生み出さないよう、寝すぎることも必要なことと考え、しっかり睡眠時間を確保することを優先してみてくださいね。
4.HSPが寝すぎを防ぐ対処法
HSPが寝すぎてしまう場合、睡眠の質が低下していることも原因として考えられます。
睡眠の質が低下していると、脳がしっかり回復できないため、結果として「寝ても寝ても眠い……」という状態になってしまうのです。
睡眠の質を上げることで、短い睡眠時間でもしっかりと脳を回復させられ、寝すぎを防ぐことにつながります。
睡眠の質を上げる方法としては、以下がおすすめです。
・朝日を浴びる
・適度に運動をする
・睡眠前にリラックスする
・睡眠環境を整える
それぞれ理由をご紹介します。
4-1.朝日を浴びる
さきほど2章で、睡眠にはセロトニンという神経伝達物質が影響していることをご紹介しました。セロトニンがしっかり分泌されれば夜にメラトニン(睡眠ホルモン)が作られて寝つきやすくなり、睡眠の質が向上するのです。
セロトニンを分泌させる簡単な方法が、朝日を浴びることです。朝日を浴びると脳内にセロトニンが作られ、夜にはメラトニンが分泌されます。
寝つきが悪いと感じる方は、特に意識的に朝日を浴びるようにしてみてください。
セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれるため、しっかり分泌されれば気分も明るくなりますよ。
4-2.適度に運動をする
適度な運動は睡眠の質向上に効果的です。運動をすると体が疲れて深い眠りにつきやすくなります。
加えて、運動はさきほどご紹介したセロトニンの分泌ともかかわっています。ウォーキングなどのリズミカルな運動をすることで、セロトニンが分泌されることがわかっているのです。
セロトニンの分泌を促すなら、朝日を浴びながら、早朝ウォーキングなどができるとベストですね。心身のバランスを整えるため、運動とともに基本的な生活習慣もぜひ意識してみてください。
4-3.睡眠前にリラックスする
深い眠りにつくためには、睡眠前に脳がリラックスしていることが大切です。リラックスとは、自律神経の副交感神経を優位にすることを指します。
HSPの人は疲れやストレスのほか、悩みもためがちです。夜に、その日にあったイヤなことを何度も考えてしまう人も多いのではないでしょうか?
しかし、こうしたマイナス思考は副交感神経を優位にしてしまい、眠りの質を下げる原因となります。眠りの質を高めるためには、寝る前にマイナス思考をしないことも含め、リラックスできるように意識していきましょう。
リラックス方法としては、以下がおすすめです。
<おすすめのリラックス方法>
・就寝2時間前にぬるめのお湯にゆっくりつかる
・ハーブティーやアロマなどで好きな香りをかぐ
・部屋を暗くしテレビやスマホの使用を控える
・リラックスする呼吸法を取り入れる
また、HSPの人はさまざまなことに影響されやすいため、寝る前には刺激のある情報に触れないことも意識しましょう。
<HSPが寝る前に注意したいこと>
・暴力的な映画や事件のニュースなどを見ること
・寝る前にSNSをチェックすること
意識的に脳と体をリラックスさせることで、睡眠の質を高めて寝すぎを予防できますよ。
4-4.睡眠環境を整える
五感が鋭く外的環境にも敏感なHSPの人には、睡眠環境を整えることも大切です。環境によっては無意識に睡眠の質を下げていることも考えられるため、一度、自分の睡眠環境を見直してみましょう。
<HSPにおすすめの睡眠環境>
・アイマスクなどを使用し光の刺激を遮断する
・睡眠用の耳栓などを使用し音を遮断する
・触り心地のいいパジャマや寝具を使用する
刺激が少なく居心地のよい環境に整えることで、自然と眠りの質が高まります。光や音などの刺激を極力なくし、眠りやすい環境を作ってみてくださいね。
5.寝すぎは悪くない!自分にとって最適な睡眠をとろう
日々、ちょっとしたことで疲れをためてしまうHSPの人にとって、睡眠はとても大切です。寝すぎを心配するよりも、いかにしっかり眠るかを意識しましょう。
睡眠の質を高めることで、眠りすぎを防ぎ、翌日に疲れを残すことなく体調をリセットできます。まずは基本的な生活習慣を整えながら、睡眠の質を高めるために以下4つの方法をぜひ意識してみてください。
・朝日を浴びる
・適度に運動をする
・睡眠前にリラックスする
・睡眠環境を整える
また、HSPの場合は日々のストレスをいかに解消していくかも大切です。寝る前に思い悩んでしまうと睡眠にも影響を与えるため、ストレスをためずに解消していくことも意識してみてくださいね。
睡眠の質を高めていくと、自分にとって最適な睡眠時間がわかってくるはず。人より睡眠時間が長かったとしても、翌日元気に過ごせるのなら心配する必要はありませんよ。
しっかり眠り、元気な明日を迎えましょう!
自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
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