夜中にふと目が覚めて、
思い出してしまうことはありませんか?
「もっと手を握ってあげれば良かった」
「あんなきつい言い方をしなければ…」
「最期にもっと『ありがとう』を伝えたかった」

そんな風に、
胸がギュッと苦しくなって、
涙が止まらなくなる夜。
親の介護や看取りを経験されたあなたなら、
きっと一度は感じたことがある気持ちだと思います。
でも、まず最初にお伝えしたいことがあります。
あなたが感じているその深い悲しみや後悔は、
それだけ愛情深く、
一生懸命に向き合ってきた証拠なのです。
この記事では、
介護に携わる中で感じる複雑な感情や、
大切な人を見送った後の
深い悲しみ(グリーフ)について、
その正体と心の回復への道のりを、
できるだけ温かくお伝えできればと思います。
一人で抱え込んでいた気持ちが、
少しでも軽くなりますように。
あなたの心に起こっている「4つのグリーフ」
実は、
親の介護や看取りをされる方の多くが、
同じような感情の波を経験されています。
専門家によると、
介護者は4つの段階でそれぞれ異なる
グリーフ(深い悲しみ)を
経験するのだそうです。

「私だけがこんなに辛いのかな…」
と思われがちですが、
実はこれらの感情はとても自然な反応なのです。
1. 介護開始期のグリーフ「あの頃の元気な親はもういない…」
親の病気や要介護状態が
分かった時から始まる、
最初の大きな波です。
こんな気持ちになりませんでしたか?
- 以前の元気だった親の姿が恋しくてたまらない
- 自分の人生設計が突然変わってしまって戸惑う
- 「これからどうなるんだろう」という不安で眠れない夜がある
これは、
愛する人の変化を受け入れるのに必要な、
大切な心の準備期間なのです。
2. 介護継続期のグリーフ「私の時間がまったくない…」
長期間の介護生活の中で、
じわじわと心に蓄積されていく疲れです。
きっとこんな状況ではありませんか?
- 毎日の疲労で、もう何ヶ月もゆっくりお風呂に入れていない
- 友人とのつながりが薄れて、世界から取り残されたような感覚
- 「自分の時間って何だったっけ?」と思うほど、完全に自分を見失っている
真面目で責任感の強い
あなただからこそ、こんなに
一生懸命になってしまうのですね。
3. 看取り期のグリーフ「もう限界かもしれない…」
終末期の看取りで経験する、
最も強いグリーフです。
まさに「生命力の前借り」状態
- 月単位での付き添いで、もう何が何だかわからない状態
- 睡眠不足、食事もろくに取れない、お風呂にも入れない日々
- この状態が続くと、心身ともに3年以上の体調不良が続くことも
でも、これほどまでに頑張れるのは、
深い愛情があるからこそですよね。
4. 看取り後のグリーフ「まだ何かしてあげたい気持ちが残っている…」
「介護がまだ完了していない」ような
感覚が続くグリーフです。
こんな思いに苦しんでいませんか?
- 「あの時、もっと優しい言葉をかけてあげられたはず」
- 「最期の瞬間に立ち会えなかったことが申し訳ない」
- 「もっと良いケアができたのではないか」という自責の念
親を大切に思うあなただからこそ、
こんなに深く後悔してしまうのです。
【1分でできる】あなたの心の今を知る「介護グリーフ度チェック」

今のあなたの心と体の状態を、
優しく確認してみませんか?
以下の質問に「はい」「いいえ」で答えて、
今のあなたの状態を知ることから始めましょう。
これは採点するためのテストではありません。
あなた自身を責めるためのものでもありません。
ただ、今のあなたの心に
何が必要なのかを知るための、
優しい健康診断のようなものです。
あなたの体は大丈夫ですか?
- 最近、夜なかなか眠れない、または眠りが浅い
- 食欲が以前より明らかに減っている
- 常に疲労感や倦怠感がある
- 動悸や息切れを感じることが増えた
- 頭痛や肩こりが慢性化している
あなたの心は大丈夫ですか?
- 将来への不安が強く、考えると苦しくなる
- 集中力が続かず、物事に集中できない
- 些細なことでイライラしやすくなった
- 一人になると涙が出ることがある
- 楽しいと感じることが明らかに減った
人とのつながりは大丈夫ですか?
- 友人との付き合いが億劫になった
- 外出する機会が大幅に減った
- 家族以外との会話が極端に減った
- 以前の趣味や娯楽への興味が薄れた
- 人に会うこと自体が面倒に感じる
介護の思い出は大丈夫ですか?
- 「あの時もっと…」という後悔の念が強い
- 自分の介護が十分でなかったと感じる
- 介護中の自分の感情を責めている
- 他の家族への怒りや不満がある
- 介護や看取りの記憶を思い出すのが辛い
あなたの今の状態は…
「はい」が0-7個:あなたは頑張っています
自然な反応の範囲内です。
でも一人で頑張りすぎないでくださいね。
信頼できる人との温かい時間を大切にしてください。
「はい」が8-14個:少し心と体が疲れています
心身への負担が蓄積しています。
「まだ大丈夫」と思わずに、
専門機関への相談や、
介護者支援サービスの利用を考えてみてください。
あなたは十分に頑張っています。
「はい」が15-20個:今すぐ休息が必要です
一人で抱えるには重すぎる状態です。
医療機関、カウンセリングなどへの
相談を強くお勧めします。
これは弱さではありません。
愛情深いあなただからこそ、
専門家の力を借りる時期なのです。
あなたの心を癒す「段階別グリーフケア」
看取り期のあなたへ「良い思い出の貯金をしませんか?」
今、病院に24時間付き添うことで
精一杯のあなたへ。

実は、24時間付き添うよりも、
あなたの体調の良い時の短時間の面会の方が、
心に残る良い思い出を作ることができるのです。
あなた自身を大切にしてください
- 病室を出る時間を意識的に作る:「夜は自宅で休む」と決めても良いのです
- 体に触れ、声をかける:医師に「どこなら触れて良いか」を確認して、温かい手を添えてあげてください
- 看取りの意思を明確にする:病院スタッフにあなたの希望を伝えてください
- 自分に許可を出す:疲れて病院に行けない日があっても、それは当たり前のことです
「自分勝手すぎる」と
感じるかもしれませんが、
それでもまだ、あなたは
休息が足りないくらいなのです。
生命はコントロールできません。
どんなに付き添っても、
最期に立ち会えないことがあります。
それは誰のせいでもありません。
看取り後のあなたへ「感情を見える化して、優しく整理しませんか?」
大切な人を見送った後の、
言葉にできない複雑な感情。
それをそのまま心の中に閉じ込めておくのは、
とても苦しいですよね。
その感情を、少しずつ丁寧に
「見える化」していくことで、
心の整理をつけていきましょう。
【回復のプロセス】キューブラー・ロスの死の受容プロセスから学ぶ
精神科医エリザベス・
キューブラー・ロス博士が提唱した
「死の受容プロセス」は、
死期が迫った患者だけでなく、
大切な人を失った遺族の
心の変化も説明してくれます。
このプロセスを知ることで、
今のあなたの気持ちが
決して異常ではないことを
理解していただけるはずです。

第1段階:否認(Denial) 特徴:「こんなことが起こるはずがない」「まだ信じられない」
この時期のあなたへ
- 現実を受け入れられないのは、心を守るための自然な反応です
- 無理に「受け入れなければ」と自分を責めないでください
- 周囲の人には、静かにそばにいてもらいましょう
第2段階:怒り(Anger) 特徴:「なぜ私が」「医師が悪い」「神様は不公平だ」という感情
この時期のあなたへ
- 怒りの感情も、愛情の裏返しです
- 安全な場所(日記や信頼できる人との会話)で感情を表現してください
- 怒りの矛先が自分や家族に向かっても、それも自然な反応です
第3段階:取引・交渉(Bargaining) 特徴:「もしあの時こうしていれば」「神様、お願いです」という思い
この時期のあなたへ
- 「もっと○○していれば」という後悔は、愛情深さの証拠です
- でも、過去を変えることはできません
- 当時のあなたは、その状況で最善を尽くしていたのです
第4段階:抑うつ(Depression) 特徴:深い悲しみと絶望感、日常生活への意欲の低下
この時期のあなたへ
- この段階が最も長く、つらく感じることが多いです
- 無理に明るくなろうとしなくて良いのです
- 小さな楽しみ(温かいお茶、好きな音楽)を大切にしてください
- 専門家のサポートを受けることも、とても有効です
第5段階:受容(Acceptance) 特徴:現実を受け入れ、新しい生活への意欲が芽生える
この時期のあなたへ
- 故人との思い出を大切にしながら、新しい人生を歩んでいきましょう
- 同じ経験をした人をサポートすることで、意味を見つける人も多いです
- あなたの経験は、誰かの支えになる貴重な財産です
重要なポイント
これらの段階は必ずしも順番通りに進むわけではありません。
行ったり来たりしながら、少しずつ心が整理されていくのです。
また、人によってかかる時間も全く異なります。
後悔から立ち直る「気持ちの見える化」テクニック

1. 今の感情に名前をつけてあげましょう
「悲しい」の一言では表現できない、
複雑な感情がありますよね。
- 「寂しい」「怖い」「腹立たしい」「申し訳ない」「懐かしい」
どんな感情も、それを感じる権利があります。
良い感情も悪い感情もありません。
2. 「できたこと」と「できなかったこと」を優しく分けてみましょう
客観的に当時の状況を振り返ってみてください。
限られた条件の中で、あなたは本当に最善を尽くしたのです。
完璧な介護なんて、この世界のどこにも存在しません。
3. 感謝の記録をつけてみませんか?
- 親との温かい思い出を意識的に思い出してみてください
- 介護を通じて学んだことや、成長できたことを書き出してみましょう
- あなたを支えてくれた人への感謝を、言葉にしてみてください
4. 未来への小さな橋を架けてみましょう
- 故人がきっと望んでいるであろう、あなたの生き方を考えてみてください
- あなたの経験を活かして、他の人を支援する方法はないでしょうか?
- 小さくても良いので、新しい生きがいや目標を見つけてみませんか?
周りの人ができる、心温まるサポート

家族・親族の皆さんへ
避けた方が良い言葉
- 「頑張って」「元気出して」
- 「もう十分やったでしょう」「いつまでも悲しんでいても仕方ない」
- 「お父さん(お母さん)の気持ちを考えて」
心に響くサポート
- 「本当に辛かったね」「よく頑張ったね」と、まずは気持ちを受け止めてください
- 「何かあったら言って」ではなく「お買い物に行こうか?」など具体的な提案をしてください
- 定期的に連絡を続けてください。忘れられていないことが何よりの支えになります
友人・知人の皆さんへ
大切にしたい心構え
- 特別扱いしすぎない、普段通りの自然な付き合いを心がけてください
- 相手のペースを尊重してください
- 話を聞く準備があることを、さりげなく伝えてください
医療・介護従事者の皆さんへ
継続的なケア
- 可能であれば葬儀への参列(ご家族の許可があれば)
- 定期的な安否確認のお電話
- 必要に応じた専門機関のご紹介
最後に:あなたは一人ではありません
親の介護で感じる後悔や悲しみは、
深い愛情の裏返しです。
「あの時もっと…」という思いは、
それだけ一生懸命に、
心から愛して向き合った証拠なのです。
覚えていてほしい大切なこと
グリーフは病気ではありません
悲しみや後悔は、愛する人を失った時の自然な心の反応です。
回復には時間がかかって当然です
数年かかることもあります。
それは決して異常なことではありません。
一人で抱え込まないでください
専門家や同じ経験を持つ人の
支援を受けることが、何より大切です。
完璧な介護なんて存在しません
限られた条件の中で、
あなたは本当に最善を尽くしたのです。
あなたの心の健康が何より大切
介護や看取りを経験されたあなたは、
本当に大変な状況を乗り越えてこられました。
その経験とそこで感じた全ての感情を、
どうか大切にしてください。
そして、少しずつで構いませんから、
前に進んでいけるよう、
周囲のサポートを受け入れてくださいね。
一人で頑張る必要はありません。
あなたを支えてくれる人と制度が、
ちゃんと用意されています。
あなたは愛情深く、素晴らしい人です。
そして、あなたは一人ではありません。
あなたの心に寄り添うために ~グリーフケアの専門知識を学びませんか?~

この記事を最後まで読んでくださったあなたは、
きっとご自身やご家族、
あるいは周りの大切な人の心の痛みに
真剣に向き合っておられることと思います。
介護グリーフは、
一人ひとり異なる形で現れます。
そして、
その一人ひとりに寄り添うためには、
専門的な知識と、
何より温かい心が必要です。
「もっと深く、グリーフケアについて学んでみたい」
「同じように悩んでいる人の力になりたい」
「自分自身の心の回復をもっと効果的に進めたい」
そんな想いを抱かれた方に、
ひとつのご提案があります。
グリーフケア心理カウンセラー資格取得講座
自己肯定感アカデミーでは、
大切な人やものを失った
深い悲しみに暮れる人に寄り添い、
サポートする
「グリーフケア」について
専門的に学べる講座をご用意しています。

この講座の特徴
- ただ寄り添うだけでなく、その先の未来へ向かうためのサポートを学べます
- 心理学の側面からグリーフの状態を発見し、適切に把握する方法を習得
- 自己肯定感を高めながら、相手に寄り添うコミュニケーションスキルを養成
- 1日で資格取得が可能(現地受講・ZOOM受講どちらも選択可能)
こんな方におすすめ
- ご自身の介護グリーフと向き合いたい方
- 家族や友人のグリーフケアに役立てたい方
- カウンセラー、セラピスト、コーチとしてのスキルを向上させたい方
- 教育現場で子どもたちの心のケアに活かしたい方
あなたが経験された
介護や看取りの体験は、
決して無駄ではありません。
その経験こそが、
同じ道を歩む人たちにとって、
最も温かい支えとなるのです。
受講費用: 35,000円(税込)
※全額返金保証付き
開催地: 東京恵比寿(現地受講・ZOOM受講選択可)
開催時間: 10:00~17:00
※人気講座のため、満席になる日程がございます。
ご興味のある方はお早めにお申し込みください。
詳細・お申し込みはこちら👇
あなたの温かい心と経験が、
誰かの明日への希望となりますように。

自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。
コメント