はじめに:愛するペットとの「いつか」のために、今できること
この記事にたどり着いたあなたは、長年、家族の一員として深い愛情を注いできた愛犬との、かけがえのない時間を過ごされていることと思います。
穏やかに眠るその寝顔、ゆっくりと動くその体、そして、あなたをじっと見つめるその優しい瞳。
愛おしさが募る一方で、日に日に増していく寂しさや、言葉にならない不安に、胸が締め付けられるような思いをされているのではないでしょうか。
「いつか、この子とお別れする日が来てしまう…」
「その時、私はちゃんとこの子を送り出してあげられるだろうか」
「後悔だけはしたくない。この子にしてあげられる、一番良い方法は何だろう…」
老犬との暮らしは、幸せや癒やしだけでなく、そうした切実な問いと常に向き合う日々でもあります。心が揺れ動いてしまうこともあるかもしれません。
そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
大切な家族との別れを前に、悲しくなったり、不安になったりするのは、当然のことです。それは、あなたがこれまで、どれほど深く、豊かな愛情を注いできたかの証に他なりません。
この記事でお伝えしたいのは、単なる埋葬方法の選択肢だけではありません。
一番大切なのは、「どの方法が正しいか」という答えを探すこと以上に、「あなたと愛犬が心から納得できる形を見つけること」です。
そして、その悲しみや不安と向き合うプロセスを通じて、あなた自身の心を大切に守り、温かい思い出と共に、穏やかな気持ちで未来へと歩んでいくための、心の杖となるような言葉を届けたいと思っています。
この記事を読み終える頃には、様々な埋葬方法があることを知るだけでなく、あなたと愛犬にとって、心から「これで良かった」と思えるお別れの形を見つけるための、確かなヒントが手に入っているはずです。
今は辛いかもしれませんが、ほんの少しだけ、未来のために一緒に考えてみませんか。
ペットの埋葬を考える前に。あなたの心を支える3つの準備

「その時」が近づいていると感じると、私たちは本能的に目を背け、考えることをやめてしまいたくなります。その気持ちは、決して間違いではありません。
ですが、ほんの少しだけ、事前に心の準備と知識を持つことが、いざという時にあなた自身を支え、後悔のないお別れへと導いてくれる力になります。
1-1. 悲しみは自然な感情。グリーフケアの第一歩
まず、何よりも先にお伝えしたいことがあります。
愛する家族を失うかもしれない未来を想像して、悲しくなったり、不安に押しつぶされそうになったりするのは、あなたが弱いからではありません。それは、深く愛しているからこそ生まれる、あまりにも自然で、人間らしい感情です。
このどうしようもない悲しみや喪失感から、ゆっくりと時間をかけて心を癒していくプロセスのことを「グリーフケア」と呼びます。
グリーフケアは、お別れの後から始まるものではなく、旅立ちを予感した、まさに「今、この瞬間」から始まっています。
気持ちを誰かに話してみる: 「寂しいんだ」「もうすぐいなくなってしまうのが怖い」。その気持ちを、どうか一人で抱え込まないでください。信頼できる家族や友人に話してみるだけで、張り詰めていた心が少しだけ和らぐかもしれません。
「今」という時間を慈しむ: 未来への不安で頭がいっぱいになると、目の前にある愛おしい時間が霞んでしまいます。意識して、「今、この瞬間」を愛犬と共に感じてみてください。優しく体を撫でる、好きだったおやつを少しだけあげる、ただ隣で静かに呼吸を感じる。その一つひとつが、未来のあなたを温め、支えてくれる、何にも代えがたい「宝物」になります。
この段階で、ご自身の感情を「そう感じて当然だよね」と認め、受け入れてあげることが、後悔を減らし、あなた自身の心を守るための、優しくも力強い第一歩となるのです。
1-2. 知っておくべき法律の知識|安心して見送るために
心を整えるのと同時に、知っておくことで安心できる、現実的な知識もあります。ペットの埋葬に関しては、守らなければならないルールが存在します。
法律上の注意点
現在の日本の法律では、動物の遺体は「廃棄物」という区分になります。この言葉は、私たち飼い主にとって非常に悲しい響きを持ちますが、これはあくまで法律上の分類です。そのため、公園や河川敷、ご近所の山など、ご自身の所有地以外に許可なく埋葬することは、残念ながら「不法投棄」と見なされてしまう可能性があります。
一方で、あなた自身が所有する土地、つまりご自宅のお庭などに埋葬することは、法律上問題ありません。
この事実を事前に知っておくだけで、「どこにでも埋めていいわけではないんだな」という冷静な判断ができ、後々の心の負担やトラブルを避けることができます。ルールを知り、それを守ることは、愛犬の尊厳を守り、あなた自身の心を穏やかに保つためにも、とても大切なことなのです。
1-3. 埋葬・供養方法の全体像|選択肢は一つじゃない
「埋葬」と聞くと、土に還すことだけを思い浮かべるかもしれませんが、今は、供養の形も本当に様々です。まずは、どのような選択肢があるのか、全体をそっと眺めてみましょう。
🌿 土に還してあげる方法
- ・自宅の庭への埋葬
- ・プランター葬
- ・ペット霊園への埋葬
- ・散骨
🏠 遺骨をそばに置いておく方法
- ・納骨堂の利用
- ・手元供養(骨壺を自宅に置く)
新しい形に変えてあげる方法
- ・メモリアルグッズへの加工(遺骨ダイヤモンドなど)
これらの選択肢には、それぞれに込められた想いがあり、費用も異なります。大切なのは、情報をただ比べるのではなく、「あなたはどうしてあげたいかな」「この子にとって、どんな形が一番安らかかな」という、温かい気持ちで一つひとつを想像してみることです。次の章で、それぞれの方法をもう少し詳しく見ていきましょう。
【完全ガイド】ペットの埋葬・供養方法7選

ここからは、具体的な7つの埋葬・供養の方法について、一つひとつ丁寧にご紹介していきます。それぞれの方法に込められた想いや、知っておきたいポイントに触れながら、あなたと愛犬にとって、最も心にしっくりくる形を一緒に探していきましょう。
2-1. 自宅の庭(私有地)への土葬|ずっとそばに感じられる
昔から行われてきた、最も自然に近いお見送りの形です。
こんな人に向いている?
- 持ち家で、お庭のある方。
- いつでもお参りをして、愛犬の存在を身近に感じていたい方。
- 静かな環境で、家族だけでゆっくりとお別れをしたい方。
知っておきたいポイント
- 場所選び: 日当たりが良く、家族が自然と集まるような場所を選んであげると良いでしょう。お花が好きだった子なら、花壇のそばも素敵ですね。
- 深く掘ってあげる: 衛生面や、他の動物から守るために、遺体がすっぽりと収まり、その上に50cm~1mほどの土をかぶせられる深さが必要です。これは、愛犬が安らかに眠るための、最後の愛情です。
- 自然に還るもので包む: 化学繊維は避け、コットン素材のタオルやシーツなど、時間と共に土に還るもので優しく包んであげましょう。
- 目印を: 小さな石やプレートを置いたり、その子の名前をつけた木を植えたり。目印があることで、そこはただの庭ではなく、特別な祈りの場所になります。
- 将来のこと: もし将来、引っ越しや土地を売却する可能性がある場合は、その時にどうするかを少しだけ考えておく必要があります。
2-2. プランター葬|集合住宅でも叶う、新しい供養の形
お庭がないマンションやアパートでも、土に還してあげたいという優しい気持ちを形にできる方法です。
こんな人に向いている?
- 集合住宅にお住まいの方。
- 引っ越しの可能性があるけれど、一緒に連れて行ってあげたい方。
- 植物を育てることで、生命の繋がりを感じ、心を癒したい方。
知っておきたいポイント
- 火葬をしてから: 衛生面を考え、必ず火葬をした後のお骨を埋葬します。お骨はそのままではなく、細かくパウダー状にすると、より土に還りやすくなります。
- プランター選び: 大きく、深いものを選びましょう。お骨の上に、植物が根を張るための十分な土(30cm以上)が必要です。底には水はけを良くするための石を敷きましょう。
- 植物に想いを込めて: その子のイメージに合ったお花や、思い出の色のお花を選んでみてはいかがでしょう。「あの子は、太陽みたいな子だったから、ひまわりを植えよう」。お花が咲くたび、水やりをするたびに、温かい気持ちが込み上げてくるはずです。
2-3. ペット霊園・墓地への埋葬|専門家による手厚い供養
人間と同じように、専門の施設で、心を込めて供養してもらう方法です。火葬から埋葬まで、すべてを安心してお任せできます。
こんな人に向いている?
- 専門家による手厚い供養を望む方。
- 自宅での管理が難しい方。
- 定期的な法要などに参加し、きちんと供養を続けたい方。
知っておきたいポイント
- 見学を: 必ず事前に見学に行き、施設の雰囲気や清掃状態、スタッフの方々の対応を見て、「ここなら、この子を安心して任せられる」と心から思える場所を選びましょう。
- 火葬の方法:
- 合同火葬: 他のペットちゃんたちと一緒に、天国へ旅立ちます。費用は抑えられますが、お骨は手元に残りません。
- 個別火葬: その子だけを個別に火葬します。お骨上げをして、お骨を骨壺に納めてもらえます。
- 立会火葬: 家族が最後まで見守り、お骨上げもできます。人間のお葬式に最も近い形で、丁寧にお別れができます。
2-4. 納骨堂の利用|天候に左右されずお参りできる
ペット霊園などが運営する、室内のお墓です。いつでも快適にお参りできるのが特徴です。
こんな人に向いている?
- 屋外のお墓の管理が難しいと感じる方。
- 天候や季節を気にせず、いつでも会いに行きたい方。
- 清潔で、セキュリティのしっかりした場所を好む方。
知っておきたいポイント
- お参りのしやすさ: 自宅から無理なく通える距離か、お仕事の帰りにも寄れる時間まで開いているかなど、あなたのライフスタイルに合っているかを確認しましょう。
- 契約について: 契約期間が定められている場合、その期間が過ぎた後、お骨がどうなるのか(合同のお墓に移されるなど)を、事前にきちんと確認しておくと安心です。
2-5. 手元供養|遺骨を身近に置いて心を繋ぐ
火葬の後、お骨を自宅に持ち帰り、これからもずっと一緒に暮らすという供養の形です。
こんな人に向いている?
- お別れをした後も、常に存在を身近に感じていたい方。
- 費用を抑えながら、自分たちらしい祈りの空間を作りたい方。
- 引っ越しなど、生活の変化があっても、ずっと一緒にいたい方。
知っておきたいポイント
- 湿気対策: お骨は湿気を嫌います。骨壺を湿気の少ない場所に置いたり、吸湿性の高い桐箱に入れたり、粉骨して真空パックにするなどの方法があります。
- 家族の気持ち: 手元供養を選ぶ際は、一緒に暮らす家族の気持ちも大切です。「あの子を近くに感じていたいんだ」というあなたの想いを伝え、みんなが納得できる形を見つけましょう。
- 焦らないで: 「いつかはお墓に納めないと」と焦る必要は全くありません。あなたの心が「そばにいてほしい」と願う限り、それが一番の供養です。気持ちに変化が訪れたら、その時にまたゆっくり考えれば良いのです。
2-6. 散骨|自然に還すという選択

火葬後のお骨をパウダー状にして、大好きだった自然に還してあげる方法です。
こんな人に向いている?
- お墓という形にこだわらず、自然の中で安らかに眠ってほしいと願う方。
- 生前、海や山で遊ぶのが大好きだった子へ。
- 「広い世界で自由に」というイメージでお見送りしたい方。
知っておきたいポイント
- 必ずパウダー状に: お骨と分からないように、2mm以下の細かいパウダー状にすることが、自然と周囲への配慮です。
- 場所選びの優しさ: 他の方の土地や、海水浴場、畑の近くなどは避け、節度とマナーを守ることがとても大切です。専門の業者に相談すると、安心して行える場所を提案してくれます。
- すべてを還さなくても: すべてを自然に還してしまうと、手を合わせる場所がなくなって寂しいと感じるかもしれません。その場合は、お骨の一部を小さなペンダントなどに入れて手元に残し、残りを自然に還すという方法もあります。
2-7. メモリアルグッズへの加工|形見として輝き続ける
お骨や遺灰の一部を使って、世界に一つだけのアクセサリーやオブジェを作る、新しい供養の形です。
こんな人に向いている?
- いつでも身につけられる「形見」として、そばに感じていたい方。
- 美しいものを見るたびに、愛犬の輝いていた姿を思い出したい方。
- さりげない形で、これからもずっと一緒にいたい方。
知っておきたいポイント
- 信頼できる業者選び: 大切な体の一部を預けるのですから、実績などをしっかり調べ、心から信頼できると感じる業者を選びましょう。
- 究極の手元供養: これは、手元供養の一つの究極の形かもしれません。「いつも一緒だよ」というあなたの想いを、最も美しく、そして永遠に輝かせてくれる選択肢です。
【自己肯定感ワーク】あなたと愛犬に最適な選択を見つける3つの質問

たくさんの選択肢に触れて、少し心が疲れてしまったかもしれません。ここで一度、情報を頭の隅に置いて、あなたの心の中にある、温かい気持ちと向き合うための時間をとってみましょう。
ペンと紙を用意して、静かな場所で、愛犬の柔らかな毛並みや、優しい温もりを思い浮かべながら、正直な気持ちを書き出してみてください。ここに正解はありません。あなたの心が「これかな」と感じるものが、あなただけの答えです。
📝 あなたの心と向き合うワーク
ワーク1:愛犬との「絆」を象徴するものは何ですか?
例:日当たりの良い庭で気持ちよさそうに寝ていた姿、いつも私の膝の上で眠っていた温もり、一緒に駆け回った公園の草の匂い…
→もし答えが「場所」や「風景」なら、庭への埋葬や散骨が、あなたの心にしっくりくるかもしれません。「温もり」や「感触」なら、手元供養やメモリアルグッズが、寂しい心を優しく包んでくれるでしょう。
ワーク2:「供養」に、あなたはどんなことを求めますか?
例:毎日「おはよう」って声をかけたい、時には専門家の方にお経をあげてほしい、形にはこだわらず、心の中で静かに想い続けたい、あの子が大好きだった自然に還してあげたい…
→「毎日の対話」を大切にしたいなら自宅での供養、「専門的な儀式」に心の安らぎを感じるならペット霊園が合っているかもしれません。「自然」という言葉が心に響くなら、散骨や記念樹を植える土葬が、その願いを叶えてくれるでしょう。
ワーク3:あなた自身の「心の平穏」は、どんな時に感じますか?
例:いつでも会いに行けるという安心感、管理の負担を考えなくていいこと、家族みんなが同じ気持ちでいてくれること、経済的な心配をしなくていいこと…
→「安心感」が何よりも大切なら自宅での供養、「負担のなさ」が心の余裕に繋がるなら納骨堂や合同墓地、「家族の納得」は、何よりも優先すべき温かい絆です。「経済的な心配」も、現実的にとても大切なこと。無理をせず、あなたが最も穏やかでいられる選択をすることが、あなた自身の心を守ることに繋がります。
このワークを通して、あなたが無意識に大切にしていた想いの輪郭が、少しだけ見えてきたのではないでしょうか。その感覚を、どうか信じてあげてください。それが、後悔しないお別れへの、一番の道しるべです。
ペット埋葬とグリーフケア|罪悪感を手放し「ありがとう」で満たす心の整え方

お別れの形が決まったとしても、あるいは、その形を選ぶプロセスの中で、私たちの心は「これで本当に良かったのだろうか」という迷いや、罪悪感に苛まれることがあります。これこそが、ペットロスがもたらす最も辛い感情であり、あなた自身の心を深く傷つけてしまう原因となります。
ここでは、その苦しい感情と優しく向き合い、心を「ありがとう」の気持ちで満たすための、グリーフケアについてお伝えします。
4-1. 「もっと何かできたはず」という後悔の罠から抜け出す
「あの時、もっと早く病院に連れて行っていれば…」
「最後の瞬間、そばにいてあげられなくて、ごめんね…」
どんなに心を尽くしても、どんなに愛情を注いんでも、「もっと」という後悔の念は、どうしても生まれてしまうものです。しかし、その感情に囚われ続けると、自分を責め、前に進む力を失ってしまいます。
どうか、思い出してください。
あなたが全身全霊で注いだ愛情と、共に笑い、泣いた時間そのものが、愛犬にとっての幸せのすべてでした。
彼らは、過去を悔やんだり、未来を心配したりしません。「今、ここ」にあるあなたの温かい愛情だけを、その全身で感じて生きていました。
もし、罪悪感に押しつぶされそうになったら、心の中でそっと、その子に問いかけてみてください。
「私が自分を責め続けて、悲しみで心を閉ざしてしまうことを、あなたは望んでいるかな?」
きっと、答えは「ううん」のはずです。彼らが心から望むのは、他の誰でもない、あなたの笑顔と幸せだけなのですから。
4-2. 悲しみを力に変える「感謝の儀式」
悲しみという感情を、無理やり消し去る必要はありません。むしろ、その深い悲しみを、温かい感謝のエネルギーへと、そっと変えていきましょう。そこでおすすめしたいのが「感謝の儀式」です。
📝 天国のあの子へ、感謝の手紙を書いてみよう
用意するもの:お気に入りの便箋、ペン
やり方:
- 静かで、誰にも邪魔されない時間を作り、愛犬との思い出をゆっくりと心に巡らせます。
- 初めて出会った日のこと、楽しかった散歩道、愛らしいいたずら、病気と懸命に闘った日々…
- 心に浮かんだすべての思い出と、それに対する「ありがとう」の気持ちを、ありのままに手紙に綴ります。
- 「〇〇、うちの子になってくれて、本当にありがとう」
- 「たくさんの笑顔と癒やしをくれて、ありがとう」
- 「最後まで、本当に、よく頑張ったね。ありがとう」
- 書き終えた手紙は、声に出して読んでみましょう。そして、お仏壇に供えたり、火葬の際に一緒に棺に入れてもらったり、プランターの土にそっと混ぜたりするのも良いでしょう。
この儀式は、あなたの中にある、行き場のない悲しみを「感謝」という温かい形に変え、心をそっと浄化してくれる、優しい魔法のような力を持っています。
4-3. あなたの自己肯定感が、天国の愛犬を安心させる
ペットロスが長引いてしまう方の多くは、「自分だけが幸せになってはいけない」という、無意識の鎖に心を縛られてしまいます。しかし、それは、愛犬が最も望まないことです。
あなたがあなた自身の人生を大切にし、時には涙しながらも、笑顔で前を向いて生きていくこと。
それこそが、旅立った愛犬への、最大で最高の供養になります。
あなたが幸せでいることが、天国の愛犬を何よりも安心させ、誇らしい気持ちにさせるのです。
「うちのママ(パパ)は、僕がいなくても、ちゃんと笑ってくれてる。良かった」
きっと、空の上からそう言って、あなたのことを見守ってくれています。
悲しみが癒えるのには、時間がかかります。焦る必要は全くありません。でも、どうか、自分を責めることだけはしないでください。あなたは、その子を全力で愛し抜いた、世界一の素晴らしい飼い主です。その事実を、何よりも誇りに思ってください。
【体験談】私たちのお別れの形
ここでは、実際に愛犬を見送った二人の飼い主様の声をご紹介します。(※個人情報に配慮し、内容は一部変更しています)
Aさん(40代)のお話
「16年間一緒にいた柴犬のハナ。旅立った時、我が家は迷わず庭への埋葬を選びました。ハナがいつも日向ぼっこをしていた、金木犀の木の下です。法律のことや埋め方をしっかり調べ、家族みんなでスコップを持ち、涙を流しながら穴を掘りました。でも、自分たちの手で送り出せたという実感は、不思議と心を落ち着かせてくれました。今では、毎年秋に金木犀が香るたびに、ハナが『ここにいるよ』と教えてくれているような気がして、胸が温かくなります。庭に出るたびに『ハナ、おはよう』と声をかけるのが、私の日課です。この選択をして、本当に良かったと思っています。」
Bさん(50代)のお話
「マンション住まいなので、埋葬は考えていませんでした。愛犬のチロは、それはもう極度の甘えん坊で、いつも私のそばを離れなかった子。だから、お骨になってもそばにいてあげたいと思い、手元供養を選びました。今は、チロが大好きだったソファの隣の棚が、彼の新しいお家です。綺麗な骨壺と写真、好きだったおもちゃを飾っています。最初の頃は、見るたびに涙が止まりませんでしたが、1年経った今では、写真に『行ってきます』と声をかけると、心が温かくなります。悲しみが消えたわけではありません。でも、チロとの絆はずっと続いているんだなと感じられる。私には、この形が一番でした。」
まとめ:お別れは終わりじゃない。新しい絆の始まり

愛するペットのお別れの形を考えることは、とても辛く、悲しい作業かもしれません。しかし、それは同時に、これまでのかけがえのない時間に心からの感謝を伝え、愛犬との新しい絆を結び直すための、とても大切で、神聖な儀式でもあります。
今回ご紹介した7つの方法に、絶対的な正解や、どちらが優れているといったことは一切ありません。
- あなたが、その子のことを心から想い、
- あなた自身の心と、優しく向き合い、
- あなたが、心から「これで良かった」と思える選択
それこそが、あなたと、世界で一番大切なあなたの愛犬にとっての、最高の答えです。
その答えを見つけるために悩み、悲しむあなたを、どうか一人で責めないでください。その深い悲しみは、あなたが深い愛情を持っている証拠であり、あなたという人間の優しさそのものです。
お別れは、物理的なさよならを意味するかもしれませんが、心と魂の繋がりが消えるわけでは、決してありません。あなたはこれからも、心の中で愛犬と対話し、共に人生を歩んでいくことができます。
この記事が、あなたの深い悲しみにそっと寄り添い、後悔のないお別れをするための、小さな灯火となれたなら、これ以上の喜びはありません。
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自己肯定感の第一人者である中島 輝と共に、自己肯定感の重要性を多くの人に伝えるために活動中。講師としての登壇経験が多く、自己肯定感をはじめとするセラピー・カウンセリング・コーチングの知識が豊富。メディアサイト「自己肯定感ラボ」を通じ、誰もが輝いて生きていくための情報を発信中。





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